当レースは2400メートルのジャパンカップや2500メートルの有馬記念の前哨戦に位置付けられており、ここで弾みをつけてGⅠに臨みたい馬たちが出走してくる。また、ハンデ戦であるため、既に実績のある馬だけでなく、条件クラスを勝ち上がったばかりの馬の参戦もあり、出走馬の力関係の比較が難解になりがちだ。ここでは過去10年の結果から、レースの傾向を分析していく。
過去10年では出走頭数が15頭以上だった年が8回、13頭以下だった年が2回ある。まずは15頭以上だった8回分の馬番別成績を、馬番を3つごとに分けてまとめると、3着内率が最も高いのは16番から18番の31.3%となっている。ただし、3着以内馬の頭数でみると、内から外まで大きな偏りはない。多頭数になった場合、枠の内外を気にする必要はなさそうだ。〔表1〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~3番 | 1-1-2-20 | 4.2% | 8.3% | 16.7% |
4~6番 | 1-1-1-21 | 4.2% | 8.3% | 12.5% |
7~9番 | 1-2-0-21 | 4.2% | 12.5% | 12.5% |
10~12番 | 3-1-2-18 | 12.5% | 16.7% | 25.0% |
13~15番 | 1-1-1-21 | 4.2% | 8.3% | 12.5% |
16~18番 | 1-2-2-11 | 6.3% | 18.8% | 31.3% |
一方で、13頭以下だった2回分の馬番別成績では、10番より外の馬番から3着以内に入った馬がいない。2回分のデータでサンプル数は少ないが、少頭数となった年では外枠が劣勢であることを覚えておきたい。〔表2〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~3番 | 0-1-1-4 | 0% | 16.7% | 33.3% |
4~6番 | 1-0-1-4 | 16.7% | 16.7% | 33.3% |
7~9番 | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
10~13番 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬延べ6頭を含む連対馬20頭中11頭は、前走の4コーナーを5番手から9番手で通過していた。3着内率で見ると、5番手から9番手と4番手以内が20%を超えており、10番手以下組は8.6%にとどまっている。なお、4番手以内組の成績をさらに細かく見ると、先頭が〔0・0・0・8〕、2番手が〔0・1・1・8〕と、2番手以内で通過していた馬の成績が奮っていない。〔表3〕
通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4番手以内 | 2-4-5-38 | 4.1% | 12.2% | 22.4% |
5~9番手 | 6-5-3-39 | 11.3% | 20.8% | 26.4% |
10番手以下 | 2-1-2-53 | 3.4% | 5.2% | 8.6% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中20頭は、前走で5着以内だった。なお、前走6着以下だった馬のうち、そのレースがGⅠだった馬は〔3・1・1・5〕(3着内率50.0%)、GⅠ以外だった馬は〔1・2・2・76〕(3着内率6.2%)となっている。GⅠ以外で大敗した直後の馬は苦戦必至だろう。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1着 | 3-2-4-17 | 11.5% | 19.2% | 34.6% |
2着 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
3着 | 0-3-2-6 | 0% | 27.3% | 45.5% |
4着 | 1-2-0-11 | 7.1% | 21.4% | 21.4% |
5着 | 1-0-1-9 | 9.1% | 9.1% | 18.2% |
6~9着 | 3-3-2-42 | 6.0% | 12.0% | 16.0% |
10着以下 | 1-0-1-39 | 2.4% | 2.4% | 4.9% |
2017年以降の優勝馬延べ6頭は、いずれも近2走で東京競馬場のレースに出走歴があり、そこで5着以内に入っていた。2022年の優勝馬ブレークアップの近2走は共に3勝クラスでの成績であることから、条件クラスのレースであっても、直近に東京コースで好走していた馬は有力な優勝候補となりそうだ。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 近2走で出走していた東京競馬場のレースでの着順 |
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2017年 | スワーヴリチャード | 日本ダービー2着(前走) |
2018年 | パフォーマプロミス | 目黒記念3着(前々走) |
2019年 | ムイトオブリガード | 目黒記念5着(前走) |
2020年 | オーソリティ | 青葉賞1着(前走) |
2021年 | オーソリティ | ダイヤモンドS2着(前々走) |
2022年 | ブレークアップ | 六社S1着(前走)、ジューンS2着(前々走) |
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