京王杯2歳Sは世代最初のGⅡで、年末の2歳GⅠの前哨戦に位置付けられている。過去10年の優勝馬では2016年モンドキャンノ、2019年タイセイビジョンが次走の朝日杯フューチュリティSで2着に入った。また、2017年優勝のタワーオブロンドンは朝日杯フューチュリティSこそ3着に敗れたものの、4歳時のスプリンターズSでGⅠウイナーの仲間入りを果たしている。短距離からマイル路線での活躍馬を輩出してきた一戦の特徴を探るべく、過去10年の結果を分析していく。
2022年は単勝10番人気のオオバンブルマイが勝ち、2着に11番人気のフロムダスクが入って3連単の配当が200万円を超える大波乱となった。過去10年で6番人気以下が複数馬券に絡んだのはこの年だけだが、2021年は8番人気のキングエルメスが勝利を収め、2020年は9番人気のロードマックスが2着に入るなど、伏兵の好走例は少なくない。さらに、1番人気はここ3年連続で4着以下に敗退と信頼度が下降気味で、波乱の決着も想定しておいた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-2-4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 0-2-3-5 | 0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
6~9番人気 | 1-3-1-34 | 2.6% | 10.3% | 12.8% |
10番人気以下 | 2-1-0-44 | 4.3% | 6.4% | 6.4% |
過去10年の3着以内馬30頭中19頭は栗東所属で、同所属馬は3着内率も38.0%と優秀な数値をマークしている。これには2020年以降に単勝8番人気以下で連対したオオバンブルマイ、フロムダスク、キングエルメス、ロードマックスが含まれている。2014年にはセカンドテーブルが11番人気の低評価を覆して優勝した例もあり、栗東所属馬は下位人気馬であっても軽視禁物だろう。〔表2〕
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 2-3-6-73 | 2.4% | 6.0% | 13.1% |
栗東 | 8-7-4-31 | 16.0% | 30.0% | 38.0% |
地方競馬 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の距離別成績を見ていくと、芝1200メートルだった馬が最多の5勝を挙げている。その中でも、小倉2歳S組が〔3・1・2・5〕、函館2歳S組が〔2・2・1・4〕と重賞から臨んだ馬の活躍が目立つ。それに続くのが4勝の芝1400メートル組となるが、こちらは前走で新馬戦を勝っていた馬が3勝を挙げている。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1200m | 5-5-4-35 | 10.2% | 20.4% | 28.6% |
芝1400m | 4-2-3-37 | 8.7% | 13.0% | 19.6% |
芝1500m | 1-0-1-0 | 50.0% | 50.0% | 100% |
芝1600m | 0-3-2-19 | 0% | 12.5% | 20.8% |
芝1800m | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
ダート戦 | 0-0-0-11 | 0% | 0% | 0% |
一方、芝1600メートルから距離を短縮してきた馬は2着や3着には来るものの、優勝例がない。さらに、芝1200メートルから1400メートルでの優勝経験がなかった馬も勝ち切れておらず、3着内率が12.9%にとどまっていることからも短距離実績の重要度がうかがえる。〔表4〕
(高那実 マヤ)
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-7-9-79 | 9.5% | 16.2% | 24.8% |
なし | 0-3-1-27 | 0% | 9.7% | 12.9% |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。