いわずとしれた秋の東京開催の目玉レース。2022年の優勝馬イクイノックスと2021年の優勝馬エフフォーリアは共に次走で有馬記念を勝ち、2020年の優勝馬アーモンドアイは続くジャパンカップを制覇、いずれも同年度の年度代表馬に輝いた。絶対に見逃せない一戦の傾向を、過去10年のデータを中心に探ってみた。
2013年3着のエイシンフラッシュ(6歳)を最後に、6歳以上の馬は3着以内に入っていない。基本的には5歳以下の馬たちによる争いだと考えてよさそうだ。過去10年では、出走頭数は少ないものの3歳馬も好走しており、エフフォーリア(2021年)、イクイノックス(2022年)と現在2連勝中だ。前週の菊花賞に向かわず、あえて古馬相手の当レースに出走してくる3歳馬がいるようなら、今年も要チェックだろう。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 2-0-2-8 | 16.7% | 16.7% | 33.3% |
4歳 | 3-6-4-30 | 7.0% | 20.9% | 30.2% |
5歳 | 5-4-3-38 | 10.0% | 18.0% | 24.0% |
6歳以上 | 0-0-1-51 | 0% | 0% | 1.9% |
過去10年では、牡・せん馬に比べて牝馬の好走率が圧倒的に高い。2週後に行われる牝馬同士のエリザベス女王杯ではなく、あえて牡馬相手のここに挑戦してくる牝馬には注目すべきだろう。〔表2〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 8-8-7-117 | 5.7% | 11.4% | 16.4% |
牝 | 2-2-3-10 | 11.8% | 23.5% | 41.2% |
東京・芝2000メートルはスタート直後にコーナーがあるため、外枠に入るとレースの組み立てが難しいと言われている。それはデータにも表れており、過去10年では10番よりも内の馬番となった馬しか優勝していない。軸馬は1番から9番の馬から探した方がよさそうだ。〔表3〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1~9番 | 10-8-6-65 | 11.2% | 20.2% | 27.0% |
10~18番 | 0-2-4-62 | 0% | 2.9% | 8.8% |
かつては休み明けを一叩きするローテーションが有力だったが、現在は当レースが秋初戦となる馬の方が好走率が高い。過去10年で上半期のGⅠから直行してきた馬の3着内率が44.4%と優秀。中でも安田記念から直行してきた馬は3着内率が62.5%もある。その他で勝負になるのは前走GⅡの馬まで。前走がGⅢやオープン特別だった馬は、過去10年で馬券に絡んでいない。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-7-4-20 | 13.9% | 33.3% | 44.4% |
GⅡ | 5-3-6-88 | 4.9% | 7.8% | 13.7% |
GⅢ | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
オープン特別 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
海外のレース | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績を見ると、宝塚記念9着から巻き返した2017年優勝のキタサンブラックのような例もあるが、成績が安定しているのは前走で3着以内に入っていた馬たちだ。特に前走がGⅡだった場合は3着以内に入っていないと厳しく、GⅡで4着以下だった馬は【0・1・1・54】で3着内率は3.6%にとどまっている。〔表5〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 9-6-7-51 | 12.3% | 20.5% | 30.1% |
4着以下 | 1-4-3-76 | 1.2% | 6.0% | 9.5% |
かつては1番人気が12連敗したこともあったが、近年は上位人気馬が強く、過去8年の優勝馬は全て単勝オッズが4倍未満だった。また、外国人騎手やリーディング上位の騎手の勝利が目立つのも特徴だ。さらにこれら8頭は全て前走で2番人気以内に支持されていたという点でも共通している。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 単勝オッズ | 騎手 | 前走での単勝人気 |
---|---|---|---|---|
2015年 | ラブリーデイ | 3.4倍 | 浜中俊 | 1番人気 |
2016年 | モーリス | 3.6倍 | R.ムーア | 1番人気 |
2017年 | キタサンブラック | 3.1倍 | 武豊 | 1番人気 |
2018年 | レイデオロ | 3.1倍 | C.ルメール | 1番人気 |
2019年 | アーモンドアイ | 1.6倍 | C.ルメール | 1番人気 |
2020年 | アーモンドアイ | 1.4倍 | C.ルメール | 1番人気 |
2021年 | エフフォーリア | 3.4倍 | 横山武史 | 1番人気 |
2022年 | イクイノックス | 2.6倍 | C.ルメール | 2番人気 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。