夏の北海道開催の開幕週に行われる函館スプリントS。サマースプリントシリーズの初戦にあたり、シリーズ制覇を狙う快速馬たちが集まる一戦だ。今回は札幌競馬場で行われた2021年を含む過去10年のデータから傾向を探ってみた。
過去10年の年齢別成績では3歳馬の成績が良好。特に3歳牝馬は【3・0・1・5】の成績を残しており、昨年1番人気に応えて優勝したナムラクレアだけでなく、12番人気で勝利し高配当を演出した2016年のソルヴェイグもおり、人気の有無に関わらず注目しておきたい。3歳馬に次ぐのが4歳馬で、若い世代の成績が上位となっている。〔表1〕
| 年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 3歳 | 3-2-2-11 | 16.7% | 27.8% | 38.9% |
| 4歳 | 2-2-3-15 | 9.1% | 18.2% | 31.8% |
| 5歳 | 3-3-3-40 | 6.1% | 12.2% | 18.4% |
| 6歳 | 1-2-0-26 | 3.4% | 10.3% | 10.3% |
| 7歳以上 | 1-1-2-24 | 3.6% | 7.1% | 14.3% |
前走で1400メートル以上の距離を走っていた“距離短縮馬”の好走率が高く、過去10年では距離短縮馬が毎年1頭は3着以内に入っている。具体的には、桜花賞、NHKマイルCからここに転戦してきた3歳馬や、ヴィクトリアマイル、京王杯SCから臨んできた古馬の成績が優秀だ。〔表2〕
| 前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1000m | 1-1-0-11 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
| 1200m | 4-5-4-65 | 5.1% | 11.5% | 16.7% |
| 1400m | 2-2-3-28 | 5.7% | 11.4% | 20.0% |
| 1600m | 3-2-2-12 | 15.8% | 26.3% | 36.8% |
| 1700m以上 | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
小回りで直線の短いコースだけに基本的には前に行ける馬が有利。ここ5年は4コーナーを3番手以内で通過した馬が優勝している。展開予想の目安にしたいのが前走の4コーナーの通過順で、前走の4コーナーを5番手以内で通過していた馬の3着内率が高く、11番手以下だった馬のそれはかなり低くなっている。〔表3〕
| 通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1~5番手 | 6-5-5-37 | 11.3% | 20.8% | 30.2% |
| 6~10番手 | 2-3-4-34 | 4.7% | 11.6% | 20.9% |
| 11番手以下 | 1-1-1-33 | 2.8% | 5.6% | 8.3% |
過去10年の優勝馬のうち8頭に重賞の優勝経験があった。中でも2歳・3歳限定の重賞を勝っていた馬の優勝が多く、表にある通りガルボ、ソルヴェイグ、ジューヌエコール、ビアンフェ、ナムラクレアの5頭がこれに該当する。直近の成績だけでなく、世代限定戦での実績も調べておきたい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
| 年度 | 優勝馬 | 重賞優勝実績 |
|---|---|---|
| 2013年 | パドトロワ | 2012年キーンランドCほか |
| 2014年 | ガルボ | 2010年シンザン記念ほか |
| 2015年 | ティーハーフ | なし |
| 2016年 | ソルヴェイグ | 2016年フィリーズレビュー |
| 2017年 | ジューヌエコール | 2016年デイリー杯2歳S |
| 2018年 | セイウンコウセイ | 2017年高松宮記念 |
| 2019年 | カイザーメランジェ | なし |
| 2020年 | ダイアトニック | 2019年スワンS |
| 2021年 | ビアンフェ | 2020年葵Sほか |
| 2022年 | ナムラクレア | 2021年小倉2歳S |
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