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会話

度々起きている北朝鮮の仮想コイン略奪や軍事技術のハッキング。 北朝鮮で金日成の直命を受け大学で初めてハッカーを育て続けた脱北エリートの金興光先生。 『高度化した北朝鮮のサイバー泥棒:ビットコインから極超音速ミサイル技術まで』 北朝鮮が、去る3月24日、「核/ミサイル・モラトリアム」を破棄し、アメリカ本土を射程圏内にした「火星17」型長距離ミサイル(ICBM)を高角発射することによって、ミサイル開発技術の高度化を誇示した。 このところ、金正恩(キム・ジョンウン)による、反平和・反国際法的な挑発が目にあまる。とくに今年に入ってからは、計12回のミサイル発射実験を行い、数々の非対称戦略兵器を内外に誇示し、ついにはアメリカを射程圏内にしたICBM挑発(3月24日)を強行するに至った。 ・金正恩の「防御より先制攻撃」は、現実離れ 「火星17」大陸間弾道ミサイルを発射して、金正恩が気勢を吐いているのは、「強力な攻撃力」だ。 北朝鮮労働新聞は、3月28日付の1面に、金正恩が、大陸間弾道ミサイル「火星17」を開発した科学技術者に会ったという便りを伝え、「真の防衛力とは、まぎれもなく強力な攻撃能力のことだ。 誰もが逃げ出す恐るべき攻撃力、圧倒的な軍事力を備えてこそ、戦争を防止し、国家の安全を確保し、あらゆる帝国主義者などの威嚇恐喝を制圧して、統制することができる。 我々は、今後も継続して、国防建設の目標を成し遂げ、強力な攻撃手段をさらに多く開発し、我が軍隊に装備させることになるだろう」と、豪語したと伝えた。 予断は許されないかもしれない。 防御力ではない「誰もが逃げ出す恐るべき攻撃力」を云々するということは、それだけ、今後の攻撃力増強に自信があるということだ。 国際社会が把握している北朝鮮の内部状況は、金正恩の核/ミサイル高度化の野望を実現するには、あまりにも力不足な状態である。 北朝鮮経済は、疲れに疲れ切っていて、住民の絶対多数は、食糧難に苦しんでいる。 2017年12月23日に決定された、歴代もっとも苛酷な対北朝鮮制裁である、国連安保理対北朝鮮制裁2397号が、今日まで、ほとんど4年3ヶ月の間、北朝鮮の息の根を固く締めつけている。 中国とロシアがなんとか庇護しているが、北朝鮮にとってはすでにかなりの時間が経過している。 さらに、2020年2月初頭にコロナ・パンデミックが炸裂するやいなや、北朝鮮は、自ら国境を完全封鎖し、絶対的孤立という暗礁に乗り上げた。 2年余りのパンデミック期間に、ミサイルなどの国防工業と、民需分野の中央工場を除いた、地方産業工場の多くは稼動を止めてしまった。 貨幣を刷る外国産の紙とインクを買う外貨がなくて、質の低い国産紙とインクで、貨幣の代わりに「金票」という代用品を発行して通用させる状態にまでなった。 以上の情況から推察して、経済的に破綻してしまった金正恩が、ミサイルを発射できるはずはなく、さらには、核/ミサイルの攻撃力を高度化する云々とは、到底納得がいかない。 あまりに現実離れしている。 ・核/ミサイル高度化に執念を燃やすことができた金正恩の後ろ盾は? しかしそれなら、一体どういう方法で、金正恩は最悪の状況の中でも、核/ミサイルの高度化を止めることなく、大陸間弾道ミサイル、極超音速ミサイル、SLBMなど、あらゆる攻撃用兵器の開発に狂奔できたのだろうか? どう考えても、金正恩の核/ミサイルの高度化を後押しする、何か別の後ろ盾があるはずだ。 では、金正恩が固く信じる後ろ盾とは、一体何だろうか? 国連の対北制裁委内の様々な専門家パネルは、その後ろ盾が何かを明らかにするために、北朝鮮および関連国の対外的活動に関して、注意深くモニタリングを行い、膨大な情報分析を通じて、金正恩が、サイバー泥棒に基づいて、核/ミサイルの高度化を進めていると明らかにした。 北朝鮮が、極超音速ミサイル技術を、サイバー泥棒によって他国から盗んだ可能性が大きいと、4月3日、読売新聞が、国連安全保障理事会対北制裁委員会専門家パネル定例報告書を引用して、記事として報道した。 報道によれば、1日(現地時間)に発表された対北制裁委報告書は、北朝鮮が、昨年9月と今年1月に発射実験した極超音速ミサイルについて、国連加盟国情報として、「開発に必要な技術的な情報を、ハッカーの支援により入手、あるいは窃取したと見られる」と指摘している。 報告書は、極超音速ミサイルは、変則軌道で素早く低空飛行するので迎撃が難しいが、北朝鮮が極超音速ミサイルの迎撃回避技術を完成した可能性にも注目した。 国連の例年報告書は、北朝鮮のサイバー泥棒は、世界屈指の防衛産業業者をハッキングして、重要な先端技術を盗むだけにとどまらず、盗んだ技術を利用して、実際に核/ミサイルを高度化し、加工し組み立てるのに必要なお金まで、手段と方法を選ばずに、全方位的に行っている実状まで言及している。 報告書は、「ある会員国によれば、北朝鮮のサイバー攻撃の実行者は、2020年から2021年中盤まで、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、少なくとも3ヶ所の仮想貨幣取引所から、全5,000万ドル(約600億ウォン)以上を盗んだ」と紹介している。 報告書には、昨年、北朝鮮が、4億ドル(約4,800億ウォン)以上の仮想資産を奪取したという、民間のサイバーセキュリティー業者の分析も含まれていた。 国連安保理対北朝鮮制裁委専門家パネルの例年報告書を信頼するならば、結局、金正恩は、内部的には経済が破綻し、住民たちが飢え死しているのにもかかわらず、数千人の最精鋭サイバー部隊を総動員して、短期間に、核/ミサイルを高度化するのに必要な、先端技術資料とデータと図面、そして製作及び実験に必要な資金までも、世界随所から無差別的に盗んでいるということになる。 もちろん、国連専門家パネルの報告書内容の事実性と正確性も考慮しなければならないが、北朝鮮がもっとも苛酷な国連安保理対北朝鮮制裁2397号を受け始めて、最近までの4年間、この上なく悲惨で厳しい状況に置かれている北朝鮮住民たちと、北朝鮮経済の崩壊の実態をみれば、盗むこと以外、金正恩には代案はない。 問題は、サイバー泥棒として、最高セキュリティ等級の核/ミサイル技術と、そして数十億ドルのもの凄い金額を、確保することができるかということだ。 どこかの小説の中の話のように感じる読者もいることだろう。 しかし、2004年に北朝鮮を脱出するときまで、北朝鮮のサイバー精鋭要員を教育した私の経験と、そして最近のサイバー泥棒の技術発達と、そこに有利な環境整備などを総合的に考えると、これは十分に可能なことだと確信する。 このようなサイバー泥棒が、北朝鮮のような独裁国家によって敢行されれば、個人や少数の集団では到底不可能な規模と範囲でも、成功可能なことだろう。 ・金正恩のサイバー泥棒を担当した3つの別動隊 以上のように、すでに金正恩が存在するための方法は、盗み以外にはない。 核とミサイルを高度化するのにも、内部統治のための資金を調達するのにも、金正恩は盗みをつづけなければ、死んでしまうだろう。 国際社会が強力に非難しているサイバー泥棒に対する、金正恩の道徳的な不感症は、もはや治療不可能だ。 では、金正恩のサイバー泥棒は、実際は誰が行っているのだろうか? これに関しては諸説あるが、北朝鮮のサイバー要員を養成した私が主張するのは、朝鮮人民軍偵察総局第3局(サイバー戦指導局)にある。 金正恩は2012年5月、権力継承を受けてから真っ先に偵察総局を視察した。 そこでITに明るい新世代の金正恩の並々ならぬ国防力サイバー戦略を予告した。 それはまさにサイバー戦力を強力に構築し、最大限活用して核兵器と長距離ミサイルを含む国防力を高度化する為と分析される。 金正恩は偵察総局の戦闘目標を韓国の政治軍事情報収集とサイバー攻撃による撹乱作戦そして新たに核·ミサイル開発支援と設定し 偵察総局のすべての組織と力量をサイバー戦闘に集中させた。 朝鮮人民軍偵察総局は金正恩の指示のもと第3局(サイバー戦指導国)傘下にある、121部隊を3つのサイバー戦闘部隊に編成した。 部隊は121部、91部、180部、この3つとなり編成の結果、91部は世界屈指の核およびミサイル関連機関と企業に対するハッキングを通じて、核·ミサイル高度化に必要な先端技術と必要な資料をぬすみだす。 また180部は、国際金融網攻撃や仮想通貨取引所の攻撃など、様々な戦法で必要な開発資金を盗み出してくる。 そして核心部隊である121部は、韓米日3国の国家基盤施設に対するサイバー攻撃と社会関係網の掌握を担当し、91部と180部が最大限多くの技術と金を盗み出せるよう支援している。 金正恩が権力継承して10年間、この3つの別動隊はあらゆる犯罪的手段と方法を尽くして国境もないオンライン世界を縦横無尽にしながら先端技術データと資金となる仮想通貨を盗み、金正恩に捧げてきた。 結局、北朝鮮の経済は爆亡し、大量餓死が起きているが、金正恩が絶えずミサイルを発射しその性能は都度、高性能化しているのはこの別働隊の存在があってこそなのだ。 金 興光(キム・フンガン) 北朝鮮の平壌金策工業総合大学電子工学卒業後、咸興共産大学で博士号を取得。2003年に韓国へ脱北し、2006年には韓国政府内の統一部北朝鮮離脱住民後援会課長を経て現在、(社)NK知識人連帯の代表を務めながら韓国内で対北専門家としてTV、新聞、YouTubeなどで活躍中。 JBpress jbpress.ismedia.jp/search/author/ ダイヤモンド diamond.jp/ud/authors/626
引用
豊璋(ほうしょう)在日3世シリーズ書いてます
@hooshoo716
これはうちの叔父にも当てはまる話。 叔父は70年初頭、自分の意に反し朝鮮大学から北朝鮮に送られた。 日本にいると送られた側の苦労話は多いが、、北朝鮮の国民はどう受け止めて受け入れていたのかと言う部分は正直謎なのだ。…
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