思いつき程度の方針に振り回される中学校統合問題（２）

義務教育を巡る問題は数多くありますが、最近注目を集めた問題は、不登校児童･生徒の増加でしょう。

特に、新型コロナ以降激増しています。

その状況は次のようになっています。


　　　　 　 　 　全 国　 　広島県　 安芸高田市

　　　　　　　　 小学校 　　中学校　 　 　小学校　 　中学校 　　小･中学校

平成３０年度　　 44,841　　119,687　　　1,074　　2,438

令和　元年度　　 53,350　　127,922　　　1,330　　2,631

令和　２年度　　 63,350　　132,777　　　1,638　　2,796　　　　40

令和　３年度　　 81,498　　163,442　　　2,062　　3,701　　　　48

令和　４年度　　105,112　　193,936　　　2,759　　4,678

Ｒ４／Ｈ３０　　 2.34倍　 1.62倍　　2.57倍　 1.92倍

＊　安芸高田市はデータが公表されていません。



全国的には、平成３０年度から急増していますが、新型コロナが蔓延した令和２年度からは激増しています。

特に、小学校の激増が目に付き、それが中学校まで引き続く可能性が高いことから、大変な問題になることが想定できます。

安芸高田市もデータがないので断言はできませんが、同様な傾向になっていることが推測できます。



こうした状況の中での中学校の統合ですので、思わぬ問題が出てくることが予想されます。



計画では、遠距離通学に対応するために、これまでの６時間授業を５時間授業に短縮し、その短縮分を夏休み等の長期休暇を短くするとともに、クラブ活動を１６時４０分には終了して対応するとしています。



５時間授業になると、授業は１４時３０分には終わり、１５時には学級暮会も終了します。



今後クラブ活動は「地域化」していきますので、１５時以降学校は生徒に関わらなくなります。

生徒は地域化したクラブ活動をする生徒と「帰宅部」に別れていきます。

帰宅部の生徒は通学バスが出るまでどんな時間を過ごすのでしょうか。

どこかでたむろすることも考えられます。

こうした環境は不登校にどんな影響を与えるのでしょうか。

こうした課題について教委の説明会で触れられ、議論されたのでしょうか。

それでなくとも、不登校やいじめ等が増える中で、教委は自信を持って１校統合が絶対正しいと言い切れるのですか。

上っ面だけの議論の弊害が出ています。



本会は、学力の問題については触れたくないのですが、市長の思いつき程度の方針に追随する教委の姿を見ると触れざるを得ません。

今年度の中学校３年生の学力調査結果です。


　　　　　　全国　　 広島県　　安芸高田市　　順位（23市町中）　　（単位　点）

　国語　　　69.8　　　70.0　　　68.0　　　　　20位タイ

　数学　　　51.0　　　50.0　　　48.0　　　　　18位タイ

　英語　　　45.6　　　43.0　　　38.0　　　　　18位タイ



ちなみに、小学校は国語･算数とも21位タイでさらに情けない順位です。



はっきり言えば、市長の選挙対策に引きずられるヒマがあったら、やるべきことをやりなさい。

こんな状態で、市長も教育長も、子ども達の未来を語る資格があるのですか。

恥を知れ、恥を！！