霊能力作家たちは物創りしたい — 霊視、妖術、クラッキング、広報。僕たちに創れないものはない —

夢咲蕾花

或るボイスログ #1

 本日よりボイスレコーダーに日記を吹き込んでいくことにした。同僚がこの仕事をするならやった方がいいと勧めてきたからだ。

 私は自分の声があまり好きではないから聞き返すこともないだろうが……さて、何を話そうか。一応、手元でもメモを取りながらやっておく。


 先日、幽霊が出るというトンネルに取材に行った。裡辺りへんに来て三ヶ月。妖怪の多さには驚かされるが、それ以上に怪異の多さにも閉口する。

 おかげでネタに事欠かないが、流石に廃トンネルでバカみたいに大きな鋏を持った赤いコートの女を見た時には寿命が縮む思いがした。


 必死で逃げる私に同僚が言い放った一言が、一晩経った今でも忘れられない。


「写真を撮れ」、だそうだ。

 相変わらずふざけた男だ。

 なぜ私はあんな不真面目な男と仕事をしているのだろうか。

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