元MFJ全日本ロードレースチャン
ピオンで雑誌編集畑を渡り歩いた
船山理(おさむ)さんの著。
滅茶苦茶面白い。おすすめ。
著者は私の10才年上の人。
この人自身が伝説の人だが、あ
まり他の書籍等では紹介されな
い日本人ライダーたちを多く紹
介している編集が本書は秀逸。
私は荘利光さんの事が書かれて
いるので買った。荘さんはスズ
キワークスだったが、マシンが
用意できなかった為、ヤマハTZ
で世界グランプリにスポット参
戦した。
1977年の事だ。
250ではマシントラブルで5位。
350では優勝した。そのタイム
はその後7年間WGPの世界で
破られる事はなかった。
日本人で唯一ハングオンをして
いた人だった。
当時はハングオンという日本語
造語は無く、私や後に国際A級
になってマン島を走ったクラス
メートの17才あたりのレース関
係者は「荘乗り」と呼んでいた。
膝を路面にこすりつけるのは
1972年に世界チャンピオンの
ヤーノ・サーリネンが初めて
やったが、ハングフォーム自体
はWGPの世界では1960年代初
期から存在した。
荘利光さんは今もイベントレース
に出るが、普段は埼玉県川口市
でライブハウスも経営している。
サックス奏者でもある。
日本の富士スピードウェイ=
FISCOで開催された世界GP
350ccクラス。1967年。
ゼッケン20はホンダ6気筒を
駆るマイク・ヘイルウッド。
この後2ストが台頭し、ヤマハ
の絶対王者時代が30年間続く。
ホンダも社是を曲げて勝つ為
に2ストを開発してからは時々
世界戦で優勝し、その後はヤ
マハの牙城を崩して「世界の
ホンダ」に復活した。
膝出しハングフォームは二輪の
世界に60年以上存在するトラ
ディショナルなフォームであり、
二輪の高速度旋回のスタンダー
ドフォームだ。
これは歴史的事実なので、否定
のしようがない。