2021.02.18
# 韓国 # 日本

見え隠れする韓国の「甘えの構造」女優・黒田福美さんに聞く日韓関係のリアル

韓国の陽と闇
小泉 カツミ プロフィール

連続性のない政治と行政

文在寅大統領の任期は残り1年4ヶ月となった。黒田さんは、そもそも韓国の大統領の5年任期に問題があると言う。

「韓国は前政権を否定して自分たちを浮上させることの繰り返しなんですね。そして5年間だけちゃんとできればいい。だから将来のことを決めるにしても、例えばオリンピックを誘致する場合でも、その時の経済状況でできるかどうかよりも、それを勝ち取ってくることの方が国民に対してのアピールになる。後は野となれ山となれなんですね。それは国政だけでなく行政も同じなんです。

韓国人の『甘えの構造』というか、成熟していないまま国家運営をやりはじめちゃったから、みんな自分の5年間のことしか考えていない。だから行き当たりばったりでアピールするだけになってしまうんです」

photo by gettyimages

黒田さんには忘れられないエピソードがあった。

「知り合いの韓国人留学生の話。その人は奨学金をもらって日本に留学しに来ていたんだけど、その奨学金が止まったと言うんですよ。『大丈夫なの?』と聞くと、『トップが変わったのかな』と普通に言う。政治だけでなくあらゆるものがあっさりと影響を受けてしまう。5年の任期だから、4年を過ぎると、次はどういう政権になるのかとなって、現政権が力を失い始めるんですね。

で、もし次が逆転して保守派が政権を取るとしたら、今は静かにしといて保守的な方についたらいいのか、革新派につけばいいのか、様子見が始まる。日本だったら、右派になろうと左派になろうと、国家が連続性を持てるように『引継ぎ』が行われますよね。ところが韓国では『後は知らない』なんですよ。政治の場面だけでなく、世の中全体がそのために停滞してしまうんです」

その背景には、韓国人特有のメンタリティがあると言う。

「日本人は人に迷惑をかけちゃいけない、というのが基本ですよね。一方の韓国は、人に迷惑をかける文化なんですよ。持ちつ持たれつの文化と言ってもいい。家族に対してでも、友人たちに対してでもお金がない時は『貸してくれ』と言って、それで『ごめんなさい、返せません』というのがまかり通っちゃう。韓国人にとって、言葉は相手を自分の思う通りに動かす手段なので、自分の言葉に責任があるという意識が薄い。もしも実現できなかったら、彼らは平然と『理解してください』と言いますよ」

韓国の市場にて
 

それにしても、前大統領の朴槿恵といい、韓国の歴代大統領のほとんどが懲役刑だったり、自殺に追い込まれたりするのはなぜか。

「それは、権力の集中と、さっき言った『甘えの構造』があるからなんですね。大統領のような偉い人になると、わぁーといろんな意味での『むしりあい』が起こるんですね。それをやらないわけにはいかない。清廉潔白であるのが非常に難しいお国柄なんですね」

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