固有の価値を生み出すことが重要
以前とはワンランク上の価格帯にいるライバルチェーンからシェアを奪って客数を増やすためにも、マクドナルドにしかない価値を生み出すことが重要になると重盛氏は力説する。
「マクドナルドでは『月見バーガー』(420円)、『グラコロ』(420円)といった、毎年定番の“マクドナルドでしか食べられない”期間限定商品があります。そして、ベースとなる期間限定商品に加え、アレンジを施した商品も出してくるので、消費者の来店動機を上手く作ることに成功しています。今年のグラコロで言えば、『濃厚ビーフハヤシグラコロ』(480円)といった新商品を出しており、基本となるグラコロとともに最低2回は来店してもらえるような仕組みになっているのです。
一方で低価格の商品を提供し続けることも肝要になるでしょう。値上がりはしたもののハンバーガーや『チキンクリスプ』(180円)は、値上がりしたとは言えまだまだ低価格と言える商品です。どんな方でも気軽に来られるような価格設定にして、ゆくゆくはほかの商品を手に取ってもらう、という流れを守ることは客層の保持につながります。期間限定商品などの魅力的なラインナップ、高価格と低価格の二軸化、この2つ路線の徹底が客数維持の面で課題となるでしょう」
(取材・文=A4studio)