2023.12.20

マクドナルド、業績好調も…「客離れ」で今後心配されること

いまマクドナルドで何が起きているのか

コロナ禍の影響が薄れ、長らく低迷が続いた飲食業界にも活気が戻りつつあるが、一方で今年に入って客数が減少し続けている有名チェーン店がある。大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」だ。同社の月次報告を見ると、今年の2月以降は前年度比で全ての月で客数が減少しており、最もマイナスを記録した6月には-5.3%を記録した。

この現象の背景には、値上げやクーポンの現象など「お得感」の低下が関係していると考えられるが、そこには客数を減らしながらも、1人あたりの単価を上げようとする経営陣の狙いも見えるという。マクドナルドでは一体、何が起きているのだろうか。フードアナリストの重盛高雄氏に同社の現状について解説していただいた。(以下、「」内は重盛氏のコメント)

記事前編は「止まらぬ、マクドナルドの客離れ…『値上げ』のウラにある真意」から。

客数減は想定の範囲内

「マクドナルドは、ハンバーガーチェーン業界のプライスリーダー的な存在ですので、そのステータスと立場を明確にし、適切なブランドイメージづくりにするべく、まずは単価を上げて業績を伸ばそうとしているのでしょう。

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別の見方をすれば、現在は“安いチェーン”というイメージからの脱却を図る時期に入っていると言えるかもしれません。マクドナルドは、すでにブランドとしての地位が固まっていますので、値上げしても来店してくる固定客は多い。ですから客数は減っているものの売上高はむしろ増えていますので、経営陣からすれば想定の範囲内なのではないでしょうか」

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