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白石直人

東京大学総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系准教授。専門は理論物理、特に非平衡統計力学。 アウトリーチ活動にも関心あり。過去には仮面ライダービルドの物理学アドバイザーも務める。 人文・社会科学系含めて読書は幅広く行っており、別冊文藝春秋にてブックガイド記事を連載中。

2023年8月に参加
83 回答
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物理や数学の定理・理論に対する「美しさ」は、芸術作品の美よりも、もののデザインにおいて「機能美」と呼ばれるものに近いと思います。例えば「切ることに特化して無駄をそぎ落としたハサミ」や「座ることを追及して作られた椅子」を美しいと語ることはあるかと思います。これは機能のために極限まで突き詰めて削ぎ落とされた姿に対する機能美というべきものでしょう。数学や物理の定理に対する「美しい」も、実現される関係が突き詰められ極限まで無駄が削ぎ落とされたものであり、これに近いと感じます。

2023/11/17投稿

      物性物理周りの相対論効果として有名なのは、スピン軌道相互作用ではないかと思います。これは相対論的量子力学によって導かれる相互作用です。スピン軌道相互作用が重要となる物性物理の現象はたくさんありますので、これらは相対論効果が応用されているということは出来るでしょう。(ただし、出発点でスピン軌道相互作用を認めてしまえば、後は相対論を考える必要は特にないという意味では、たいして相対論に悩む必要はないとも言えます)

      ちなみに物性物理スケールの現象で相対論効果が表れるのは、原子核近傍では電子が非常に素早く(=光速と比較して無視できない速度で)運動するからです。

      2023/11/12投稿

        有名な例としては、ヒラメやカレイは左右が大きく非対称ですし、シオマネキのオスのハサミは片方だけ発達します。分かりにくい例としては、イッカクの「牙」は実は左の切歯だけが非常に発達したものです。

        ただ、これらは外見に関するもので、内臓の配置まで考えれば、人間も極めて左右非対称です。胃袋の構造、肝臓の配置、心臓の作りなど、左右非対称の部分は非常に多いです。

        2023/10/30投稿