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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

転生したら破滅する悪役令嬢だったけど、恋愛そっちのけで魔術極めたら、周りからめっちゃモテ&超溺愛されてた件(無関心)

作者:茨木野

連載候補の短編です!


 笑わないで聞いてほしいのだが、私には前世の記憶がある。

 ……笑うなって言ったよね? お?


 こほん。

 それ気にづいたのは私、アリソン=フォン=ヴォツラークが六歳の頃。

お母さまと一緒に、王都にある「アイン王立魔法魔術学園」に見学に来た時のこと。


 来年、ここを受験するんだよと言って、お母さまと学校を見学にきたとき、私は唐突に思い出し、そして理解した。

私は、超人気ライトノベル「僕の心臓を君にささげよう」、略称「僕心ぼくここ」の主人公、リリア・トルソンの恋路を邪魔する、悪役令嬢に転生してしまったのだと。


 そっか……僕心のアリソンかぁー……。うっそでしょぉおおお! と叫んで私はその場で知恵熱を起こして、ぶっ倒れた。


 僕心とは、超有名ライトノベル作家『カミマツ』が描いたウェブ原作のライトノベルだ。アニメ化、ゲーム化、劇場アニメ化、果てはドラマ化までした超有名作品。

 ストーリーは、中世ヨーロッパ風世界の魔法学園が舞台。


 主人公リリアは庶民の出身であり、ここアイン王立魔法魔術学園に編入してくるところから始まる。

 王太子、宰相の息子等のキラキラした男子たちと恋愛をしていく、というラブロマンス小説である。


 リリアは王太子『ハスティ』と恋愛していくことになり、それを邪魔するのがハスティの婚約者である、アリソン=フォン=ヴォツラーク。つまり私である。


 アリソン。ヴォツラーク公爵の長女(兄あり)。金髪碧眼、身長は高く、整った顔つきもあり、黙っていればいい女だ。黙ってりゃね。

 しかしその実態はとんでもないわがまま女である。


 アリソンはあの手この手でリリアとハスティ王太子との恋仲を邪魔しまくる。そして最終的にアリソンは、卒業パーティの日に、ハスティ王太子からこれまでの罪をすべて断罪され、婚約破棄を言い渡される。


 婚約破棄された後は、家が没落して、私は娼婦として売りに出され、最後は変態貴族のおもちゃにされて……その後彼女の行方を知る者はいない。というエンドを迎える。

 私は恋愛要素の強いラノベってあまり好きではないのだが、カミマツ先生のファンだったこともあり、僕心を愛読していた。


 アリソンが文字通り没落した際は「へん、ざまーみろばーか」と言った記憶がある。……まさか自分がそのアリソンに転生するとは思わなんだ……。


    ★


「どうしてこうなった……」


 熱が引いたのは、倒れてから三日後のことだった。

 目覚めるとヴォツラーク家にある、私の部屋にいた。


 夢ならよかったのにね……。うん。私には前世の記憶、そしてアリソンとしての記憶の二つがある。

 そして私には、僕心のストーリーが頭に完全に入ってる。だから知ってる。このままだと私は、破滅するのだと……。


「破滅はしたくない。どうにかならんか……」


 とそのときだった。


『あ、アリソン様……起きておられますか?』


 ドア向こうからかわいらしい女の子の声がした。

 んー、誰だっけ?


「うん、起きてる」

『え!?』


 え、ってなに?


『あ、あの……失礼します……』


 入ってきたのは、十代前半くらいのかわいらしいメイドさん。

 この子は……ええっと、あ、そうだ。


「おはよう、メグ」


 メグ。年齢は確か12歳で、アリソンの専属メイドで……苦労人だ。

 アリソンのわがままによる被害を最も受けている子だからな。アリソンが何かちょっと気に入らないことがあればぶたれてたし。可哀そうっていつも思ってたんだよね。


「!? あ、えと……おはようございます……」


 なんかちょー驚いてるんだが?

 ああまあそうか。アリソンはメグのこと完全に奴隷のように扱ってたのよね。あいさつしても全スルーはデフォだったし。なんと不憫なメグちゃんだろう。


「あ、あの……アリソン様。お体の調子はどうでしょうか?」


 ここでアリソンだったら「こっちが熱で苦しんでるのに、良い御身分ね! 制裁! 制裁!」といかいって杖でぶったたいてところ。どこの会長だ。

 まあそんなこと、可哀そうでできないのだが。


「熱は引いたわ。心配かけたね」

「!?!?!?!?!?!?」


 メグちゃんすんごい驚いてらっしゃる。そらそうか、こんな言葉、アリソンから一度だってかけられたことないだろうし。


「あ、あの……アリソン様……? ほんとに大丈夫ですか? まだ熱があるんじゃあ?」


 熱で頭おかしくなってる、とでも思ってるのだろう。まあそう思われても致し方なしだな。わがまま悪役令嬢が、急にまともになったんだから。 


「熱は引いたから大丈夫だよ」

「ほ、本当ですか?」

「ええもうばっちり。こっちはいいから、別の仕事して」

「は、はいっ。わかりました!」


 メグちゃんはぺこりと頭を下げると、部屋を出ていく。


「うーん……これからどうしよう」


 これからのことをちょいと考えてみる。

 破滅する悪役令嬢に転生してしまった。この事実は変えることができない。


 ならばどうする?

 破滅しないように立ち回ればいい。


 破滅しないためには?

 

「本編の舞台である、王立魔法魔術学園に行かなければいい……けどもう入学は決まってるのよね」


 入学試験はもう終わってるのだ。まあ試験と名前がついてるけど、名家のぼっちゃん嬢ちゃんはほぼ無条件でパスできるがばがば試験なのだが。(位の高い貴族はこのために多額の寄付金を学校に払ってる)。


 ここで私が「勉強したくないでござる★」なんて言ってみろ? いくら私に甘いパパママでもさすがに激おこぷんぷん丸ですよ(やわらかい表現)。


 下手したら絶縁されるかもしれない。そうなったら困る……生きてけない……だってまだ六歳児だもん私。


 王立魔法魔術学園に通うのはまあ、決定事項だとして、じゃあどうするか。

 ……む? 待てよ。恋愛にからまなければいいのではないか?


「そうだよ、アリソンはリリアとハスティ王子の恋愛を邪魔するため、あくどい手段に出てしって破滅したんだ。なら、邪魔しなきゃいいじゃん!」


 なーんだ簡単なことじゃあないか。

 別に私はハスティ王子のこと好きじゃあないし。リリアとハスティ王子がラブラブになるなら、私はその恋を応援すればいい。いや、応援すらしなくていいんだ。私は邪魔しません事よオホホオ、みたいな感じでいい。


 恋愛に絡まなければそれでいいのだ!


「よし決めた! 私は……恋愛をしないぞぉ! ジョ●ョォオオオオ!」

「あり、アリソン様!?」


 ふぁ!? メグちゃん!?

 あ、やべ……。


 驚いた拍子に、私はベッドの上で足を滑らせる。

 ええい、すべすべのシーツめ!


 私はそのままベッドに倒れこみ、ばうんっ! とトランポリンに飛び跳ねたように、ベッドの外にジャンプ。

 どっしーん! いってえ! 腰打ったぁ~……。


「アリソン様! 大丈夫ですか!? すぐに、治療します!」


 メグちゃんは私に近づいて、両手を突き出してくる。

 ぶつぶつと長い単語を述べた後……。


「かのものを癒せ、【小病を癒す呪文(ロー・ヒール)】!」


 ぱぁ! とメグちゃんの手がエメラルド色に輝く!

 すると、ぶつけたところに感じていた痛みが、引いていくではないか!


「そ、そっか……魔術! 僕心は魔法と魔術のある世界だったね!」


 魔法。それは、神様の起こす奇跡としか思えない、不可思議な現象を起こす術。一部の選ばれた才能のある人しか使えない。


 魔術。魔法を研究し、誰でも使えるように調整された、劣化版魔法。劣化とはいうけど、魔術は勉強さえ、努力さえすれば誰でも身に着けることができる、という利点がある。威力は弱いらしいけど。


 そうだったそうだった、ここはみんな大好き剣と魔法の世界じゃあないか!

 奇跡も魔法もある世界じゃあないか! ならば、やることは一つ!


「メグちゃん!」

「は、はひ? め、メグ、ちゃん!?」

「それ、治癒の魔術だよね!? どうやったの、どうやるの!?」

「え、え、え?」


 おっといかん、教えを乞う前にやることがあるじゃあないか。


「ケガなおしてくれて、ありがと!」

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」


 治してもらってお礼を言わないだなんて、さすがに礼儀知らずだもんね。


「それでさっきのすごいのどうやるの!?」

「す、すごい……? た、ただの小病を癒す呪文(ロー・ヒール)ですよ? レベル1の呪文ですし……そんな、すごくない」


「はぁ? 何言ってるの? すごいじゃない! ケガ直すとか、すごすぎるよ! 天才だよ!」


 魔術すごすぎでしょ! 現実に生きててお目にかかったことないし(現実準拠)!

 どんな呪文だろうと、できるだけすごい!


「うぐ……ぐす……うぅううううう! ありそんさまぁ……」


 え? 何で泣いてるのこの子……?

 わ、わからん……。


「そんな風にほめられたこと、一度もなくてぇ……あたし、ずっと落ちこぼれでぇ……」

「なんだと? 誰だ、そんなこと言ったやつは!」

「アリソン様にも言われたことあってぇ……」

「大変申し訳ございませんでした!」


 まさかの私だった。

 まあ前の私言いそう……。


「メグちゃん、自信もって。あんたはすごい!」

「ほんとですかぁ……?」

「うん、すごいすごい! だから治癒の呪文教えて!」

「ふぐぅう……わかりましたぁ」


 で、私はメグからいろいろ聞いてみた。

 魔術の習得には、魔導書が必須らしい。


 まず、魔導書を読む。そしてその内容を完璧に理解し、その全文を暗記。

 そのうえで、適切な特定のワードを詠唱することで、魔術が発動する。


「なんかハードル高いような……」


 誰でも身に着けることができるとはいうけど、魔導書をまず手に入れる、それを完璧に理解し、全部を暗記する、って結構ハードル高くない?


「で、こちらがお母さんからもらった、治癒の魔導書です」

「おお、せんきゅー」


 メグちゃんのお母さんは昔、治療院(病院みたいなもん)で働いていたらしい。

 だから、治癒の魔導書をもってるんだって。今は不治の病にかかってしまい、病床に付してしまってるらしいが。なんと不憫な。


 そして母親のかわりに働いてるだなんて。なんてけなげな!

 私のお小遣いをあげちゃおう。そうしよう。って、それはまあおいおい。


「さて、魔導書を読むぞぉ」


 と、手に取ったそのときだった。


小病を癒す呪文(ロー・ヒール)、習得しました』


 ふぁ!?

 え、な、なに……何今の声!?


「どうしたんですか?」

「いや、なんか小病を癒す呪文(ロー・ヒール)を習得しましたって……謎の声が聞こえてきたんだが」

「! そ、それは……精霊王様の声ですよ!」

「精霊王? なにそれ」

「人に力を授ける特別なおかたです! 精霊王様からの声が聞こえることすなわち、その呪文を習得したことになる!」


 なるほど、RPGでよくある、アナウンス的なあれか。

 っえ、というか。


「私まだ、魔導書手に持っただけなんだけど……」


 読んでないし、内容も理解してないし、暗記もしてない。


「聞いたことがあります。魔術の習得の速さには、才能がかかわってるって」


 才能がある人と、ないひとでは、習得スピードに差があるのか。

 それにしても、え、早すぎない?


「と、とにかくちょっと試してみたいな」


 まずはそれからだ。

 でも、試すったって……ううん、あ、そうだ。


「メグちゃんちってこっから近い?」

「え、あ、はい。馬車で半日ほど行ったとこ」


 馬車で半日が近いとか……異世界の感覚ね。

 まあいいや。


「メグちゃんちに行きましょう。そこで、習ったばかりの呪文を試すわ」

「た、ためすって……まさか」


 そう、メグちゃんママを治療してみようじゃあないの。


「む、無理です! 小病を癒す呪文(ロー・ヒール)は、打撲や風邪など、症状の軽いものを癒す力しか効果がないんです……」

「ま、ものはためし。だめだったら、王都に連れてきて、治療してもらおうと思ってたしね」

「ふぐぅううううう!」


 どさ、とメグちゃんがその場にしゃがみ込んで泣き出す。

 え、え、なに?


「アリソン様……ありがとうございますぅう……」

「まだ何もしてないじゃあないの……」


 とにかく、魔術を試すため、私はメグちゃんママのもとへ向かうのだった。


    ★


私は、人気ラノベの悪役令嬢アリソン=フォン=ヴォツラークに転生した。

 破滅回避のため(と好奇心を満たすため)に、魔術を習うことにした。


 メイドのメグちゃんも持つ魔導書から【小病を癒す呪文(ロー・ヒール)】をラーニングした私。


 さっそく習った呪文をためすた、不治の病で困っているメグちゃんのお母さんのもとへ向かうのだった。


 メグちゃんの村は馬車で半日くらいいった場所にあった。

 豪華な馬車(パパにお願いしたら快諾してくれた)が到着……。


「アリソン! ああ我が愛しの娘アリソン! こんな村に一体なにをしにきたというんだい!」


 ……さて、私と一緒についてきた、髭ダンディは誰かというと。

 私の父……パパス=フォン=ヴォツラーク。


 ヴォツラーク公爵の当主だ。

 つまり一番偉い人ってわけ。


 で、父はというと……。


「お父様、私はひとりで言いと言ったのですが……」

「馬鹿者! 愛するおまえをひとり、危険な場所にいかせるわけにもいかないだろう! ああ心配!」


 ……とまあ、娘を溺愛する系パッパなのだ。

 原作の僕心ぼくここでは、その溺愛するせいで娘の悪行に加担してしまい、その結果お家は没落するのよね……。


 今世ではそんなことするつもりはないが。


「それでアリソン、ここに何をしに来たんだい?」


 あー……どうしよう。

 魔術の試し打ちにきた、なんて正直に答えて良い物か。それに魔術を極めることを親に言っても……?


 うーん……。まあでも、破滅に繋がるわけでもないしな。

 原作だと、父親に悪事に荷担してもらってたから破滅したわけだし。


「治癒の魔術を習いました。それを使って、メグの母親の治療をと思いまして」


 それに【小病を癒す呪文(ロー・ヒール)】が駄目だったとき、メグママを治療院に連れてくためには、やっぱお金がいるし。

 父親の助けもいるからね。正直に言っておこう。


「おおおおおおおおおおお!」


 がばっ! と父が私を抱き上げる!


「アリソン! 愛しい我が娘ぇ! おまえはなんていい子なんだぁ! ワタシは知ってたぞぉ! 信じてたぞ! おまえが、本当は世界一いい子だって!」


 パパ号泣な件。

 そりゃ今までわがまま放題の悪役令嬢(他称)が、困ってる人助けるとかいいだしたらね。

 親としては泣いてしまうのだろう。

 ごめんねパッパ、今まで迷惑かけちまってな。


「は、放して……」

「おっとすまなかったね。さ、メグ。君の家に案内してくれたまえ!」

「は、はい! 旦那様っ」


 どやらパッパ、やる気満々になったようだ。


「なんで乗り気なの、パパ?」

「娘が魔術で人を治すところを見てみたいからな!」


 そういうもんかね。

 まあでも、小病を治す呪文(ロー・ヒール)の効果がどの程度なのか知らないのだが。

 パッパはわかってるのかね?


「アリソン、ワタシは知ってるぞ! おまえにはとんでもない才能があるってことを!」

「情報ソースはどこですかね?」

「親の勘、だ!」


 なるほどなるほど。

 私は理解した。このパッパ、親ばかだ!


 ……まあともあれ、魔術の効果については使ってみないとわからない。

 私たちはメグの家へとやってきた。


 木造のぼろい部屋だった。

 その奥に、老け込んだ女性が寝ていた。


「ごほっ、ごほっ。メグ……?」

「お母さん、ただいま」


 メグちゃんママは見るからに病弱そうだ。

 体の線が細いし、せき込んでる。ぜえぜえと苦しそうに呼吸していた。


「そちらの方々は……?」

「初めまして、アリソン=フォン=ヴォツラークです。メグにはいつもお世話になっております」

「アリソン様!」「ヴォツラーク公爵様でしたか!? すみません……げほごほ!」


 立ち上がろうとするメグちゃんんママに私が言う。


「どうか寝たままで。メグから話は聞きました。病をわずらっているとか」

「それを聞いたワタシの愛すべき娘が! 庶民の貴様に慈悲をかけてやるといって、ここにわざわざ足を運んだ次第だ!」


 うんまあ、そうなんだけど、パッパ黙ってて……。


「治癒の魔術を!? し、使用人の、しかも家族のために……? いったいどうして?」

「お母さん、アリソン様はわたしに同情してくださったんです」

「まあ、なんて優しいお方なの……!」「なんて優しい子なんだ我が娘はぁ!」


 まあ同情って気持ちももちろんあるよ。でも魔術を試したいって気持ちもあるんだ。ごめんね。いい子じゃなくて。


「そういうわけなので、魔術をおかけしてもよろしいでしょうか」

「是非もございません。煮るなり焼くなり、どうぞご随意に」


 よし、許可は貰った。

 あとは魔術を発動させ……って、どうやるんだっけ?


 手を前に出して、ええと、ええっと……魔導書に触れただけで魔術が習得できたから、発動の仕方がわからない!

 パパとメグちゃんママから、期待のまなざしをバシバシ感じる。これで失敗とかできん。


 たしか、メグちゃんは手から光を出してたよね。あれをイメージして……。

 と、そのときだった。


『熟練度が上昇しました。条件を達成しました。【小病を治す呪文(ロー・ヒール)】が【大病を治す呪文(ハイ・ヒール)】へ進化しました』


 はい?

 熟練度? 条件を達成?


『条件を達成しました。【大病を治す呪文(ハイ・ヒール)】は【万病を治す呪文(エクス・ヒール)】へ進化しました』


 はいいい? なに、何が起きてるん?

 すると私の手のひらから、白銀の光が発生。


「こ、これは【小病を治す呪文(ロー・ヒール)】の輝きではありません!」

「なんと神々しい光だ! こんなすごい魔術を使うだなんて!」


 白銀の輝きはメグちゃんママの体を包み込む。

 すると……。


「これは、いったいどうなってるだい……?」

「お、お母さん!? な、なんか若返ってるぅ!?」


 そこにいたのは、2,30代くらいの若いお姉さんだ!

 え、さっきまでのよぼよぼママはどこにいったの?


「お母さん、病気は治った?」

「ああ。呼吸が楽になったよ。それどころから体に力がみなぎってる。関節の痛みも消えてるよ! まるで若返った……ううん、生き返ったようだ!」


 どうやら成功したようではある。

 【小病を治す呪文(ロー・ヒール)】ってこんな威力あったの?


「す、すごいぞアリソン! おまえは天才だ!!!!!!!!!!」


 がばっ、パパが私を持ち上げる。


「こんなすごい魔術を、たった六歳の少女が使って見せた! これは前代未聞だぞ! すごいぞアリソンぅ!」

「え、そ、そうなの……?」

「ああ! これはみなに自慢せねば! ああいや、家庭教師をつけることのほうが先か! アリソンはこんなに才能があるんだからな! 今のうちから英才教育を施さねば! 忙しくなってきたぞぉ!」


 な、なんかパパが暴走してるんですが……。

 まあ、何はともあれだ。


「お母さん、元気になってよかったね、メグちゃん」


 するとメグちゃんは目に涙をため、深々と頭を下げる。


「母をなおしてくださり、ありがとうございます、アリソン様!」


 笑顔で、メグちゃんがそう言った。ほんと、治ってよかったよ。


    ★



 メグちゃんママを、魔術で治療したその日の夜。


「あ、あのメグちゃん……?」

「はい、なんでございましょう!」


 私の部屋にて。

 メグちゃんは、風呂上がりの私の髪の毛を乾かしてくれたり、寝る前のホットミルクを出してくれたり、そしてマッサージをしてくれたりする。


 転生前(記憶を思い出す前の意味)だと、メグちゃんはアリソンを怖がって、用事がないと近づこうとすらしなかった。

 だがそれがどうだろう。


「寝る前に子守唄をうたいましょうか? それともよく眠れるお香をたきましょうかっ?」

「あ、うん。大丈夫だから」


 向こうから勝手に、何々しましょうかって言ってくる。

 どうやら私への警戒心は解けたようだ。


「今は一人で考え事したいきぶんなのよ」

「そうですか……わかりました! では、退散いたします。何か御用の際は、いつでもいってください! すぐに駆けつけますから!」

「あ、うん」


 メグちゃんってば嬉しそうな笑顔を浮かべる。私何もしてないんだが……嬉しそうだ。

 彼女が出ていったあと、私は一人考える。


「メグちゃんママを治療したあれ、なんだったんだろうか……?」


 進化、とか言ってたよね。

 小病を治す呪文(ロー・ヒール)が、万病を治す呪文(エクス・ヒール)になった。こんなことって普通ありえるの?


 それと、魔術習得のプロセスも変だ。

 魔導書に触れただけで覚えるとか、普通なんそれ……?


「わからんこと多すぎ……。ま、でもパパ、家庭教師つけてくれるっていうし、その人に効けばいいや」


 わからんことといえば、なぜ私に前世の記憶が生えてきたのか。

 ここが、本当に僕心の世界なのか。なぜ転生したのか。


 わからないことばかりである。

 ま、でもそれはオイオイ考えればいっか。


何はともあれ、今後も私は本編のキャラに係らない。恋愛ごとに御執心にならない。恋愛の邪魔をしない。

 もし破滅したときのために、魔術を学ぶ。以上をモットーに生きていこう。


「目指せ、明るい未来! がんばるぞぉ!」



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