
寺島壽久/ゲームキャストの中の人:「レビューの質を高める」ということが何を指すのか不明瞭ですが、「好評の度合いを高める」「数を増やしていく」という意味でここでは書いていきたいと思います。
Steamのレビューは好評になるほどストアページに来てから購買する確率が上がるし、Steam上での露出にも影響します。
またレビュー数が多いほど売れていて売上に良い影響があるとも言われているのでこれもまたレビューの質を高めるというか、良い影響があるレビュー状態にする、と考えられるからです。
王道はゲームが面白くて売れればレビュー数が増えるということなのですが、「面白くしろ」というのも回答として違うと思うので、ちょっと違う視点から回答したいと思います。
まず、身もふたもないですが英語圏で売るというのが有力です。
英語圏は比較的レビュー評価が高く、東アジア圏は点数がやや低めにつきます。レビュー評価が高めにつく言語圏に向けて売れば評価が高くなりやすい。人口が多い言語圏に向けてゲームを出せば人口が低い言語圏よりもレビュー数も増えます。売上も増えます。
レビュー数という意味であれば、簡体字も非常に有力ですね。
人口の多い場所をターゲットにするのは有効でしょう。
次に狙った市場にファンが多いジャンルのゲームを作るのはありだと思います。
例えば、日本ならシューティングはレビューがつきやすく、好評をとれる確率は高くなるでしょう。
過去に私が調査した際、いわゆるShoot EM
UPと呼ばれるクラシックなシューティングは日本の平均より10%近く好評率が高い状態でした。同人のファンがついているゲームもPCプレイヤーの土壌があり、良いかもしれませんね。
もちろん、日本は伝統的に良質なシューティングを作るノウハウがあり、単純に品質が高いものが出るという考え方もあります。一定以上の品質がなければ話になりませんのでご注意を。
結局、人口の多い場所をターゲットに、ターゲットが望むものを作る、という感じに帰結するのかと思いますね。
続いて、ちょっと邪道な方法を考えてみたいと思います。
レビューされやすい構造のゲームを作るというのはありではないでしょうか。
他のプラットフォームでの開発者講演ではありますが、レビューはプレイヤーがゲームをクリアすると行われやすいという統計があったそうです。そのため、詰まることなくクリアまで導いてあげる(ゲームの内容によりますが)仕組みを作るのはありでしょう。
また、エンディングに良い余韻のあるゲームは売上本数に対してレビュー・おすすめされやすいという話でしたので、そういったゲームを作るのもありかと思います。
クリアしやすいはともかく、淡白に終わるより、何かしらのフックをもって終わるのは多くのゲームに仕えそうなテクニックですね。
英語圏のゲームの分析サイトでは、価格が高いほどユーザーがレビューを残したくなるという結果も出ています(これは多くの場所で言われています)ので、価格を検討するのもありでしょう……高いと本数が売れないみたいな話も出てきますが。
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おそらく多くの資料があるので、飛び道具的な回答に終始してみましたがいかがでしょうか。
お役に立てば幸いです。