宇佐美典也（本物）:先端半導体工場の投資と電力との関係では、「安価で、豊富で、安定して、脱炭素な電力」が求められますから、現実問題中部地域で大規模な先端半導体工場の投資が行われる可能性は低いんだろうと思います。大規模投資は九州、（泊原発稼働後の）北海道に集中するでしょう。国としてもそれを前提に政策を展開してます。 浜岡原発の再稼働については中部電力単独で解決できる問題ではなく、「BWR、特にABWRの保安体制を国としてどうするか？」という課題に答えを出す必要があります。この点、これまでどおり各事業者単位で保安を任せ続けるのか、それともBWRの保安は国として一元化するのか、ということのバランスが問われるわけですが、その資金石となるのが柏崎刈羽原発の再稼働です。 仮に柏崎刈羽原発の稼働が順調に行けば、中部電力は東京電力と発電所の運営という意味で距離が近いですから（火力発電所はJERAという合弁会社を設立）、ノウハウを共有して浜岡原発の稼働が進むんだろうと思います、 逆にこれが上手くいかなければ、もっと大きな業界再編が必要になるのかもしれません。

宇佐美典也（本物）:お話の答えとなっているかわかりませんが、国民民主党は将来的に公明党の位置に取って代わって自民党と連立政権を作ろうとしているように見えます。 公明党の比例票は今600万票弱で、国民民主党の比例票は300万票程度で、2倍近い開きがあります。ただ公明党は創価学会に高齢者の信者が多いので、年を経るごとに徐々に支持基盤が揺らいでいくことは確実です。他方で国民民主党は支持基盤の主体が組合ですから、自動的にある程度は世代交代されますし、連合との関係で支持基盤の組合を増やせれば票の積み増しが狙えます。 このような構造を背景に、おそらく玉木さんは、自民党に政策提案しつつ、付かず離れずのポジションを取り続け支持を拡大していくことでいつか政権に入ることを狙っているのだと思います。ただそのためには10~20年はかかりますし、また、自公の枠組みが崩れるにはもう一度自民党が政権与党の座から降りる必要性があるように思えますので、それを支えるという面でもかなりの辛抱が必要になります。 それまで所属議員、支持者がついてこれるかどうかは未知数ですが、そうしたチャレンジをする姿勢は大いに評価したいと思います。