特例法まとめ

Last-modified: 2023-12-19 (火) 11:56:40

このサイトの目的

最高裁大法廷決定令和5年10月25日により性同一性障害特例法の規定が違憲とされました。
このサイトは、特例法に関わる混乱を整理するため、論点を整理することを目的とします。

主な立場

現実路線派

女性スペースを守る会 (womens-space.jp)およびその支持者。
令和5年10月25日決定を前提として、女性スペースを守るための立法を求める。

特例法廃止派

そもそも特例法を廃止するべきと考える人たち。
特例法を前提とする女性スペースを守る会の主張には反対している。
主張や論拠はさまざま。

論点の整理

「女性」とは何か

女性とは何か、を定義した法律はない。

「女性スペースを守る会」の主張はなぜ反発を招いているのか？

「陰茎を残していない者」が「女性」に含まれるという記述

前掲の女性スペースを守る会の法律案の「②女性スペースに関する法律案」に、「陰茎を残していない者」を法的取り扱い上の「女性」に含めることで、女性スペースに入れる旨が記載されていることが反発を招いている。

  • 現行法で性別変更済み（＝外性器切除済み）の元男性が女性スペースに入れると明記する法律はなく、女性スペース（公衆浴場など）の管理者の裁量に任されている。
  • この記述は
    • 令和5年10月25日決定で生殖腺切除要件が違憲となったこと
    • 外観要件（＝外性器に見える見た目が必要かどうか）も違憲と判断する裁判官が3人おり、近く違憲となる可能性が高いこと
    • 参考意見内で陰茎がある者が女性スペースに入った際の混乱について述べられていること（＝陰茎がないものが混乱を呼ばないことは、議論するまでもないという裁判官の認識）
  • を踏まえて、違憲とならないためのギリギリの線を盛り込んだものである。当該記述がなければ、法律は違憲無効となるか、成立不可能と思われる。

同様に、現行法で女性に性別変更済みの元男性は女性スペースに当然入れる、という滝本太郎氏の発言も更なる反発を招いている。

  • 「当然」かどうかは判断の分かれるところだが、少なくとも法令上の禁止はされていない。

生得的性別のほか法的性別を設けることについての当会の考え方｜女性スペースを守る会 (note.com)では、『同一性障害の方の存在も尊重するとともに、「性別は生得的な性差のみで判断すべきで、特例法自体の廃止を求めるべき」とする意見も私たちは尊重します』とも記載されている。

特例法廃止派の主張と問題点

特例法を認めた覚えがない

条件を満たせば戸籍変更が合法に可能である、ということは女性が認めていないという主張。
しかし令和5年10月25日決定では、大きな混乱なく19年運用されてきた実績がある（2023年現在）と言及されており、社会の認識と合わない。
外観要件に違憲判決が出たり、特例法が廃止されたりすると、法的性別の意味がなくなり、生物学的性別で運用されるようになる。
根拠を女性差別撤廃条約に求めている。

反論

特例法に反しない範囲で、
・生物学的女性の定義が存在しないので立法する必要がある８
・生物学的女性だけが利用できる施設について定める立法をする必要がある

女性差別撤廃条約に批准している国も、セルフIDになっている。
1979年には、sexは生物学的生物、genderが社会的性別を表す、というの認識がなかったので、当時の趣旨を考えれば、生物学的女性のための条約とまで言えない。

一部声の大きい者の配慮のない発言

発言力のある者がGID当事者（女性スペースの会）に「どこから見てもおじさん」と揶揄するなどの行動が見られる。
気に入らない者には何を言ってもいい、という信条に基づく行動は、慎むべきである。
また、性別変更規定違憲判決では、特例法を前提としており、また要件を緩和していくべきだという流れがあるので、特例法廃止後は戸籍の性別変更はより簡易になり、法令上の社会生活の範囲はより広がる可能性が高い。

 
 

現実路線派の主張と問題点

違憲判決を覆ることは不可能

日本の憲法、法律体系上、一度違憲判決が出た場合、覆すことが不可能。覆すためには、改憲が必要となる。
性別変更規定の違憲判決が出たため、取りえる選択肢を上げる。
・特例法の見直し
・用語としての「女性」の定義を明確にする
・女性スペースに関する法律を定める

特例法見直しについて
【当会独自案】GID 特例法改正案（23年11月20日付） - No!セルフID 女性の人権と安全を求める会 (no-self-id.com)
女性スペースについて
【当会独自案】女性スペースに関する法律案（23年12月3日付） - No!セルフID 女性の人権と安全を求める会 (no-self-id.com)
特例法見直し、女性スペース、スポーツに関する法律案（女性の定義含む）
提言　女性スペースの安心安全の確保、女子スポーツの公平性の維持を確保すべく、三つの法律を｜女性スペースを守る会 (note.com)

 
 
 
 
 
 

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