これは、人生たのベントカレンダー Advent Calendar 2023 18日目の記事です。
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한국어권 연합우주에 Misskey가 알려지기까지의 이야기
こんにちは、ltlapy(らっぴー aka ぴゃん)です。
今年、2023年もあっという間に過ぎていき、この記事を書く時点で2週間しか残っていません。皆さんの2023年は、どんなことがありましたか?
昔の韓国のFediverse
思い出すまま書いていたら、自分のFediverse旅日記みたいになってしまいました。ここからは、私がSNSを始めたばっかりから、Fediverseに入門するころの話をしてみたいと思います。
Misskeyをはじめる頃からの話は Misskeyの経験 からお読みください。
Misskey.lapyを建てた頃からは Misskey.lapy からお読みください。
らっぴーの SNS 旅日記
韓国では以前(イーロンマスクがいなかった頃のツイッター)もマストドンからマストドンへ引っ越しが少ないながらあって、今もFediverseや他のSNSに移動する方が随分といらっしゃいます。
しかし、私はちょっと違います。ツイッターは小学校の頃に、メールのやりとりを学びながらのついでにアカウントを作成したってくらいで、あとは小5-6にme2day(韓国にあったツイッターライクSNS)をちょっとしていたこと以外はSNSらしいことは使っていませんでした。他には周りの友達が使っているFacebookやInstagramのアカウントを作って、現実の友達とだけ交流するような使い方をしていました。自分のハンドルネームという概念も薄かったと思います。
しかし、高校に入ってから日々と続く受験勉強とヤジャに呆れて、ネットの世界を彷徨っていた時、偶然おもしろそうなサービスを見つけます。
Fediverseに足を踏み入れる
私がFediverseに足を踏み入れたのは2018年9月、年一回の試験を2か月前にした受験生の頃でした。 (…)
当時の私は、sftblwさんのマストドンサーバー「amumal.party(아무말.파티、アムマル・パーティー)」にアカウントを作成しました。「アムマル」は、「意味を重要としないで適当に何かを言うこと、またはその言葉」の意味でつかわれる韓国の言葉で、サーバーの名前にふさわしいアムマル力持ちの管理者さんに憧れた覚えがあります。
この時の私は、ローカルタイムラインに(2~3時間に一つずつ)流れる投稿をみて、暇なときは自分もなにか適当なことを投稿したりしました。ここで活動しながらマストドンの機能や仕組みなどを覚えて、本格的な活動を始めようと思ったその時、一つの問題が発生します。ここは「アムマル・パーティー」、アムマル以外の投稿は控える雰囲気だったのです。他の話題で話すには、他のサーバーにアカウントを作成する必要がありました。
今も韓国語のFediverseで有名なマストドンのサーバーの「twingyeo.kr」、「planet.moe」、「qdon.space」が当時にもありましたが、この時の私はどんな鯖があるか分からず、サーバー管理者さんのメインアカウントがあった「twingyeo.kr」(2023年10月10日閉鎖)にアカウントを作成します。
今も韓国のFediverseは人が不足していると思いますが、当時は人が本当に少なかったです。週1回でも投稿する人が150~200人くらいで、知らない人がほとんどいないくらいでした。大体はIT関連に興味があった方や、早くからTwitterの殺伐な雰囲気に呆れた人でした。
Misskeyの経験
msky.naru.cafe (sftblwさん運営、閉鎖済み)
2018年(高3)のスヌンを受験した後、緊張感が解けてのんびりしていたところに、@sftblw@don.naru.cafe さんにより(たぶん)韓国初のMisskeyサーバーが誕生します。MisskeyがActivityPubを対応し始めて、知名度が上がる頃ですね。あまりにも少なすぎるユーザープールのせいでアクティブユーザーは2~3人ぐらいでしたが、マストドンに無い様々な機能からカルチャーショックを受けた覚えがあります。
データベースソフトウェアの変更により(MongoDB → PostgreSQL) 後方交換性を失ったMisskey v11へのアップデートにも成功しましたが、運営コストにより結局閉鎖しました。
misskey.io (AureoleArk(村上さん)運営, 日本語)
msky.naru.cafeが開設された時期を前後にして、Fediverseのシステムにも慣れてきた私は、他の言語圏についても興味が湧いてきました。
理由はあまりにも少ないユーザープールと、その理由なのかは知りませんが他の方も外国語用のアカウントを作っていたからです。
まずは母語の韓国語の次に一番得意だった言語、日本語のFediverseから挑戦してみました。
最初からMisskeyだった訳ではなくて (Off-topic)
私がアカウントを作成した頃はアクティブユーザーが100人ほどでしたが、今は有名人も含め一日26,000人も使うようになっていました。新聞にも村上さんの顔が移されていて、本当に有名になったなーと思いました。
自分のサーバーを建てる
Fediverseの流浪した頃の跡。
簡単な自己紹介と、他のアカウントへのリンクが載せられている。
アカウントの検索を容易くするための、様々なタグが用いられている。
(写真はPleromaを元に運営されたlapy.link, 2019.10.20 - 2019.11.01)
2019年はサーバーを建てては閉鎖することを繰り返しました。 sha.pe.kr, mast.sha.pe.kr, lapy.link, d.lapy.link などなど、ソフトウェアを問わずに高い頻度で立ち上げた覚えがあります。今は何とかMisskeyの k.lapy.link が安定し、運営を続けています。
そこで、今のMisskeyの(コードベース面の)祖先でもあるDolphinを運営していた頃からの物語です。
余談
Dolphin.lapy (閉鎖済み)
【lapylink.d 運営方針】
* このインスタンス(サーバーの旧称)の元となるDolphinは、この投稿の時点でまだ不完全であり、不具合が発生ことがあります。
* このインスタンス、またはこのインスタンスに保存された他のインスタンスの投稿と添付ファイルは、管理者の都合やソフトウェアの不具合により別途告知なく消失または削除されることがあります。
* このインスタンスの責任者は、セキュリティーに関連して非常に未熟しています。パスワードはお使いのパスワードと被らないものに設定することを強くお勧めします。まだDolphinウェブクライアントでパスワードを変更する機能は未実装でありますので、ご注意ください。
* 以上のことを承知の上、Dolphinを体験されたい方は <アカウント>へメンションまたはDMをお願いします。
2019年10月28日 - 2020年4月6日(約5か月間)
Misskeyの派生プロジェクトとして「Dolphin」がありました。
Misskeyの機能を最初から書き直し、必要最低限の機能だけが実装されています。10人以下の小規模サーバーを想定していて、要求スペックも低く、AWS Lightsail 2.5ドルのインスタンスからも快適な利用ができました。
Dolphinのサーバーを建てたのは、他の方の勧誘がきっかけです。2019年10月に、私はlapy.linkでPleromaの個人サーバーを運営していました。ダサいUI/UXに不満を言っていたその時、madost.one 運営のchocologicalさんの強烈な勧誘(…)により解説しました。
徹底的に個人用に設計されただけに、ホームページにはログインボックスのみ。会員登録はできず、サーバー管理者が作成したアカウントでログインすることになります。アカウント削除もできず、強制に削除してもアカウント削除の連合が実装されておらず、他のサーバーにユーザー情報と投稿がそのまま残ってしまうなどの問題が多かったです。 それでもカスタム絵文字を使ったリアクションが可能で、UIも綺麗だったことで使っていた記憶があります。
Misskey.lapy
2020年2月19日に、小さなキウイ星の Misskey.lapy が 誕生しました。
Misskey v11は Dolphinのコードベースを元に書き直され(以前のバージョンと比べて)かなり軽くなりました。AWS Lightsail 最低スペックのインスタンスでも5人まで利用できるくらいでした。
このサーバーは個人用を想定して解説しましたが、当時自由に使えるMisskeyのサーバーが韓国にはなかったため、韓国語圏のFediverseでMisskeyを試したい方のために利用規約もそれなりに整備して誰でもアカウントを作成できるように解放しました。
時間が経つにつれてユーザーも多くなり、このサーバーを初めにFediverseに入門された方もでき、広大なるFediverseから新しいサーバーを遭遇するなど、いろいろあって気づけばいつの間にか海外MisskeyサーバーNo.1のタイトルを維持していました。
Misskey.lapyはあと2か月弱で4周年を迎えます。半年もせずに多くのサーバーを建てて崩した過去の自分が見たら驚く成果ですが、実は今でも信じれないです。ありがたやありがたや。
ツイッター難民の移住
ツイッターユーザーとFediverseのユーザー両方から諸悪の根源とされている某鯖缶
Misskey.lapyは、適当な名前とドメインからお察しかと思いますが、もともとは個人サーバーとして始めました。 (個人用にしても適当すぎますが)
それでもアカウント作成を公開した理由は、サービス開始の当時に利用できるMisskeyのサーバーがなかったことと、知名度が大変低かったからです。韓国のFediverseからMisskeyを利用するには、madost.oneの特殊な登録条件を満たすか、自分でサーバーを建てるしかありませんでした。その時の痕跡として、Misskey.lapyの連合詳細からソートの条件を初観測(昇順) にしてみると、殆どがMastodonかPleromaであることが見られると思います。
Misskey.lapyの一日間アクティブユーザーの推移。
青の線は接続したユーザー数、緑は何か投稿したユーザー数、赤は一か月間活動したユーザー数を表す。
青と赤のギャップが激しい区間は、新規ユーザーの割合が高かったと推測できる。
韓国のFediverseでは、あるSNSプラットフォームから大量のユーザー(またはいわゆる難民)が移動してくる事態のことを‘ウェーブ’と称することが多いです。Misskey.lapyの場合は大きく3回のウェーブがありました。
主な理由は某X社のCEO、Twitterの破壊的なポリシーの変更、Twitterに誰かが投稿したPRがすごくRTされたことでした。
人が増えることは素直に嬉しいですが、嬉しいことばっかりではなかったです。サーバーにかかる負荷がいつもの10倍になって緊急メンテナンスを行うことはいいですが、通報やモデレート要請が殺到し、慎重なモデレーションが必要になることが多くなって、既存のモデレーターでは耐えきれなかったことが一番辛かったです。モデレーター同士でも反りが合わずに紛争したことも何回かありました。
こうして登録くださった方の中でも、コンテンツ不足、公開範囲設定などのシステム適応の失敗、コミュニティの雰囲気などの理由で、既存のプラットフォームに戻ったり、他のプラットフォームを探したりする方も多かったです。専業でやっているわけではないですから、未熟な部分も多かったです。 それでも、今でも連合宇宙で活動してくださる方がいるのが本当にありがたいと思っています。 結局、SNSはユーザーのコンテンツで成り立つのですから。
最後に
Misskeyを運営している側として、Misskeyは機能面で不足していることが少々あり、不親切さが結構あります。いくつかは利用者の方々も覚えていらっしゃると思います。
それでも Misskeyを選んで今まで運営を続けているのは、マストドンが優勢している韓国語圏Fediverseがもっと多様性に満ちてほしいと思ったからです。Misskeyが登場する前の韓国語圏Fediverseは、MastodonそのものがFediverseの中心であり基準である考えが強かったので、それを変えてみたい理由が強かったです。連合ができない独自スペックで議論になることもありますが、それが逆に魅力的に思えたのです。(実際、投票がマストドンに実装されたのは比較的に最近の出来事なんです)
Misskey.lapyを運営しながら色々なことがありましたが、韓国のMisskeyフォークもでき, Misskeyを利用してくださるユーザーも多くなって、Misskeyを利用する個性的なサーバーもできるなど、韓国語圏でのMisskeyの知名度がかなり上がった時点で、Misskey.lapyの目標は達成したと思います。他のサーバーに比べてアピールできるような特別なものはありませんが、常に青々とした松の木のように、2030年まで運営を継続し続けることを目指しています。