最近変な言葉が台頭し始めた。
元警察官や現役警察官で言う
人が多い。
それは、「ご安全を」「ご安全
に」という言葉かけ。
これ、日本語としては非常に
おかしい。
言語学的解説は割愛するが、
「ご安全を」「ご安全に」は
日本語としては間違いだ。
正しくは「安全運転を」だ。
もしくは「無事故で」。
あるいは「お気をつけて」だ。
安全に「ご」がつくのか、よ
く日本語を言語として考えて
ほしい。
安全とは人の行為ではなく、
偶発もしくは意図的行為に
よって到来した物理的な状態
を指す。
安全という人的行為は存在し
ないのだ。人のある行為によ
って得るもの(あるいは遠ざ
かるもの)が安全であり、それ
に「ご」をつけるのはかなり
日本語の使用法として誤謬が
存する。
「ご無事故で」という言葉が
おかしい事を思い浮かべてほ
しい。
「ご無事でしたか」は存在する
が、「ご安全でしたか」は存在
しないのである。
無事は人的態様を指し、それの
主体に対して敬語の「ご」を
つける。
「ご安心めされ」は正しい。
だが、「ご安全なされ」はおか
しいのである。
安全は主客において人的行為を
指す単語ではないので、それを
目指した主体に対して敬意表現
として「ご」をつけるならばと
もかく、安全という未確定要素
の物理状態そのものに「ご」を
つけるのは日本語の敬語使用法
として完全におかしいのだ。
「安全確認はされましたか」と
敬語で表現するのは正しいが、
「ご安全になさりましたか」と
いう日本語は正しい国語の用法
としては存在しないのである。
詳細説明解説は言語学分野の
方に筆を譲る。
ただ、母国語の崩壊の現出が
著しくなってきている現況を
交通社会に今見出す事ができ
る。
若者言葉から日常語の崩壊が
進行するのは言語の常だが、
高齢層から言語崩れの言葉の
使用法が発生する傾向はかつて
ほんの10年程前までは存在し
なかった。
社会現象としては社会学的に
は面白い現象だ。
間違った言葉遣いがやがて
正しい母国語を簒奪するケー
スは多いが、間違いは間違い
だ。
世の中に多くある間違いの
筆頭は何だろうと俯瞰する
と、非常によく使われる間違
った日本語がある。口語では
なく告知文として。
それは「故障中」。
機械の故障は故障で状態が
停止しているのであり、動
態としてのingである「中」は
付かない。
正しくは「故障」である。
多くの世間の貼り紙でこの
間違いを目にする。
この点、かつての警察は正し
い日本語の使用法をしていた。
不法改造車両に貼るシールは
赤地に白抜きで「故障」とい
う物だった。
それがさぁ、貼ったら剥がす
のにはかなり大変な紙シール
だったのよ(笑
暴走族の集会で300台一斉検挙
の時とかは、全車にそれが
貼られたりした(笑
ハンドルをスワローにして
いただけでも「故障」。
クールスハンドルなども全て
「故障」。
セパハンなどは論外で「故障」。
天井カウルなどのチンドン屋
仕様は存在しなかったが、低
く決めたロケットカウルも
「故障」。
右下部後尾灯のホタルも「故障」。
集合管着けてたら即「故障」。
ミラー右だけだったら「故障」。
そして、警察官は平気で警棒
でバイクのタンクをぼっこぼこ
に叩いてへこましたりしていた。
走行中の二輪運転者にロング
警棒で胴体ぶっ叩きで転倒
させるとかごく普通にやって
いた。
これ1970年代当時のタイムリー
な実話。
それらの行為が警察官職務執行
法に照らして正しいのかどうか
は別として、「故障」という
母国語の使用法は正しかった。
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