市長の遵法意識

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12月8日の中国新聞によると、議会の予算決算常任委員会で認定子ども園基本構想策定費が削除されたことを受けて、市長は「緊急性を考えれば議会の議決を経ない専決処分を含めて検討する」と口走ったといいます。

市長は地方自治法を理解しているのでしょうか。

もしかしたら、法の精神を曲げてまで自分の方針を押し通すつもりなのでしょうか。



法令上「議会の議決」とされているにもかかわらず、市長が議会の議決を得ないで処分する「専決処分」は、地方自治法179条第1項に規定されています。



まず、「議会の議決とは何か」を見てみましょう。

議会の権限は、地方自治法第96条に規定されています。



第96条 普通公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。


一 条例を設け又は改廃すること。


二 予算を定めること。(以下 略)




つまり、「予算を定めること」は議会の権限で、今回の認定子ども園基本構想策定費も議会が可決しないと市長は執行できないのです。



ところが、議会の議決事項とされていても、急を要する場合等には、市長が専決処分をして執行出来ることを地方自治法179条第1項で定めています。

該当する条文は次のとおりです。



第179条 (略)特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、(以下略)



しかし、この事案は「議会を招集する時間的余裕がない」ことはありません。

必要なら臨時議会を召集すればいいことです。

また、「議決すべき事件を議決しない」は、議会は「予算の削除」という議決をしています。

したがって、専決処分をする法的根拠は全くないのに、市長は専決処分を検討するといっているのです。

市長は専決処分が何たるかを知っているのでしょうか。



しかし、市長の発言の最大の問題は、



議会が議決した事件を根拠のない専決処分でひっくり返し、議会の議決を否定する。

つまり、議会の権限を否定する。




という点にあります。



つまり、市長は「憲法が定めた二元代表制、地方自治法が規定する議会の権限」を全く無視して、根拠のない専決処分で自分の方針を押し通すことを検討するというのです。

自分の方針を押し通すためなら、法など無視できるという意思表示なのでしょうか。



本会は、今回の市長の発言に見られるように、市長の法に対する考え方は非常に危険だと考えています。

その典型的な例を挙げると、市民がコロナ過で苦しんでいる最中に、お友達業者に不正な随意契約で大金を流し込む。遵法意識やまともな倫理観を持っている政治家なら出来る所業ではありません。



法を捻じ曲げる。

表に出なければ不正行為もいとわない。

遵法意識が疑われる人間に安芸高田市は任されません。
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