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れじすたんすせいあつ 〜ユナさくスピンオフ〜

※この物語はフィクションであり、実在する国、団体、人物等に関するものではありません。
※이 이야기는 픽션으로, 실존하는 국가, 단체, 인물 등을 묘사한 것이 아닙니다.
※This story is a work of fiction and does not depict any actual country, organization, or person.
※本作は「ユナ」と「さくら」と「はんいる」のスピンオフです。先にそちらをお読みいただくと一層お楽しみいただけます(https://note.com/sakurachankor/n/nb9ceabb37920)

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ここはイルボン地域東京は新宿。古臭い80年代の建物は一新され、街は韓国の技術によって生まれ変わり、近未来的な光景に生まれ変わっていた。そんな様子にも関わらず、街は緊張感に包まれている。旧イルボン地域の治安を取り締まる韓染女軍が忙しそうに駆け回っている。旧日本人の少年たちがレジスタンスとして自らの国を取り戻そうと一般市民に紛れて潜伏しているのだ。

「カケル、様子はどうだった?」

「ああ、だめだよ。奴ら全員最新の武器を持ってる。俺達の武器じゃあ刃が立たないだろうな…おまけに韓国軍もいる。」

レジスタンスの少年、トウキとカケルと数名はゲリラで韓染女軍本部がある旧東京都庁を襲撃する計画の主要人物だった。何故か相手には計画が知られてしまっていて、厳戒態勢が敷かれていたものの、彼らがレジスタンスの一員であること、彼らが実行犯であることまでは認識されていないようであった。

「くそ…一体なんで…。ここまでなのか…」
「諦めんなトウキ。俺達の母さんをあんなにしたあの国を倒して俺達の日本を取り戻さなきゃ。」
「そうは言ったって、どうすれば…。」

彼らの母もまた韓国の女性により同化させられていたのだった。言葉が通じなくなった肉親が辛そうな顔をしている姿を、二人は一時だって忘れたことはない。

刹那、「助けて!」と叫ぶ少年の声がした後にビビビビー!っと無機質な機械音がした。

「この音は…最新兵器だ…。仲間がやられたな…」
「くそ…なんでこんな事に…!今日はチェリの渡韓で警備が手薄な筈なのに」

チェリとはイルボン地域総督、元日本国首相のチェリのことである。韓染女となる前の彼女はさくらという優秀な日本人女性だった。

韓国の最新兵器は「폼(ポム)」という光線銃であり、旧来の銃器とはやや変わったものである。子どもの玩具の水でっぽうのようなカジュアルな見た目であるが、銃口からは水ではなく、対象を瞬間凍結させる物質(仕組みは公表されていない。)が発射され、その更に一瞬間後に物理的な刺激を加え、凍結した対象を粉々に砕くというものである。当たったら最期、気づいたら氷の粒になっている。

「カケル、素性がバレる前に一旦退こう。」
「そうだな。日を改めて…」

「거기 있어! 저기야!」(居たぞ!あそこだ!)

「なっ…!」

突然、韓染女軍の精鋭部隊が彼らを取り囲んだ。

「귀여운 우리 아이들... 여기서 뭐하고 놀고 있는 거야?」(可愛いぼくちゃんたち、こんなとこでなにしてるのかな?)

少年たちは銃を取り出し戦闘態勢を整えたが、韓染女軍が一瞬にして鋭いハイキックで腕を蹴り上げ、銃をはじく。彼らは一瞬にして無効化されたのだ。

彼女たちはポムを構える。能天気なほどカジュアルな見た目の凶器が二人を恐怖のどん底に突き落とす。

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「이제 체크메이트가 되었네요.」(これでチェックメイトね)
「후후후, 하지만 이것으로 끝나면 재미없어.」(ふふふ、これで終わりじゃあ面白くないね)
「そだ、あなたたち、私とかくとうでしょぶします」

「格闘…?素手で戦うってことか?」

「あなたたちがぁ 勝たら ひとまじゅみのがすしますでも、負けたら、ぽむでうちゅ」
拙い日本語でニヤつきながら提案する。

「なんかよくわからないけど、戦えばいいんだな。俺達は小さい頃から極真空手で切磋琢磨してきたんだ。兵器に頼りきったお前らなんかに負けない!」

韓染女達の気まぐれで、素手で戦うことになった。両者が睨み合って構えをとる。

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若いながらも彼らの極真空手は達人の域に達している。この局面を乗り越えて、レジスタンスの生存者と合流して立て直す。
そう思ったのは束の間だった。韓染女達はテコンドーの使い手だったのだ。韓染女達は簡単に空手家達の攻撃を避け反対に鋭い蹴りを叩き込む

「がぁはっ!」「ぐわあ…」

「이게 최선이야? 너희들의 무술은 우리 앞에서는 아무것도 아니야!」(これが最善なの? あなたたちの武術は私たちの前では何もできないのよ!) と一人の韓染女が嘲笑する。

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少年たちは必死に反撃を試みるが、一撃で地面に叩きつけられる。韓染女たちのテコンドーの技は彼らの空手を完全に上回っていた。

「너무 약해서 웃겨!」(弱すぎて笑える!)

彼女たちがテコンドーを始めたのは同化してからであるためここ数年の話である。この戦いの結果は、彼ら自身だけではなく、空手という日本の伝統的な武道がテコンドーという韓国の武道に敗北を喫したことを意味する残酷なものとなった。
少年たちは彼女たちの強烈な蹴りを喰らい、呼吸をするのもやっとであり、立ち上がることも難しかった。彼女たちは横たわる少年たちを無慈悲に踏みつける。

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「그래, 이 정도면 됐겠지! 그럼, 이제 처형을 진행할게. 여기는 좀 좁으니까, 광장으로 가자」(さ、こんなもんかなー。じゃ、処刑をはじめよー。ここは狭いから広場にいこうか)

無力化された少年たちは、韓染女たちによって広場に引きづられていく。彼らの無様な姿は、周囲のイルボン地域の男性たちに恐怖与えた。

広場には沢山の人々が集まっていた。韓国人学生の女性、駐イルボン韓国軍の女性、それから韓染女達だ。

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韓国人の女性兵士と韓染女軍はその軍服の違い以外ではほとんど見分けがつかないような見た目をしている。どちらも若い女性らしくコミュニケーションを取り笑い合っているのが少年たちの屈辱感を強めた。

今にも処刑のカウントダウンが始まろうとする時、韓染女軍の女性達が敬礼を始めた。

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(なんだ…?何がある…ってあいつは、チェリ!!!)

「모두 수고하셨습니다. 반역자를 잘 잡았습니다.」(皆ご苦労さま。よく反逆者を捕まえました。)チェリは韓染女軍の女性たちを労った。

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(なんでチェリがここに…?)

「なんでお前がここにって顔してるね。」

「え、あ、日本語!?」

少し韓国語のなまりがあるが、ほぼ完璧な日本語を話している事にカケル達は驚いた。

「きれいな日本語でしょう?ユナ様に教育してもらったの。」
チェリは失った日本語を韓国人であるユナから教わったのだ。近年の韓国人女性のトレンドなっている、元々日本人であった韓染女に日本語を覚えさせる「재교육(再教育)」というゲームである。

「なぜ私がここにいるかというとね? 자, 두 분. 여기 와서(さあ、お二人!ここへ来て)」

チェリの呼びかけにより二人のチマ・チョゴリを着た女性が前に出てきた。
(な!あ、え、)
「「母さん」」
出てきた二人は、カケルとトウキの母であった。

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「なん、で、母さん。」

「びっくりした?この二人がね、あなたたちの動きを監視して密告してくれていたの。だからあなた達の情報は全部こっちに筒抜けってわけ。」

続けて、カケルのお母さんがニヤニヤしながら言う。
「너희들 같은 아이를 낳아서 부끄러워!」(あなたたちみたいな子供を産んで恥ずかしい!)

「あんた達はママの失敗作だってさ」

チェリがそう言い放った瞬間、少年たちの目から涙がこぼれた。さらにチェリが来たときはニヤついているだけだった韓国軍の女性達が急に敬礼をし始めた。

(くそ、今度はなんだ…あぁ、あれは…)

「아! 유나 언니!(あぁ、ユナお姉様っ!)」

韓国のユナ大統領だ。

「이번에도 잘했어, 체리!(今回も見事な仕事だったよ。チェリ。)」
「아…아… 유나 언니!(あぁ、ユナお姉様ぁ…!)」

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ユナがチェリの頭を撫でながら濃厚なキスをすると、チェリはピクピクと身体を震わしながらその場にへたり込んだ。その後ろではカケルとトウキの母親がそれぞれ彼女たちと同じ顔をした韓国軍の女性から同じ事をされて身悶えていた。

(あいつらが母さんをあんな姿に…)

「どんな気持ちかしら?反逆者くん達。君たちにママたちを通じて、チェリの動向について嘘情報を流すのも私のアイデア。掌の上で転がされちゃったね? 君たちの国のリーダーは、そして君たちのママは、君たちの命と引換えに気持ちよくなることを選んだの。苦しいね。悔しいね。悲しいね!でもそれは、君たちチョッパリが私達に逆らおうとするからいけないんだよ。」

ユナはもはや元日本人の女性からは聞くことができないほど流暢な日本語でカケル達を煽る。膝に手を当てて中腰でこちらを覗き込む顔は、心底面白いといった表情だ。

「ふふふ, 너희들, 이제 사형을 집행할 때가 됐어.(じゃ、あなた達。そろそろ死刑執行をするのよ。)」

「알겠습니다」(承知しました。)
ユナが韓染女軍に指示を出す。
ギャラリーはまるで映画でも見るような様子でカケル達の最期の瞬間に注目している。

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一部の韓国軍女性は、自らが愛撫するだけで身悶える韓染女軍の女性達を面白がってじゃれ合っている。

カウントダウンが始まる。

「십, 구, 팔(10、9、8)…」広場には集まった人皆で心底楽しそうに数字を減らしていく。

 「칠, 육, 오(7、6、5)…」とカウントダウンが続く。少年たちは「母さん!」と叫ぶが、母親たちは冷たく笑みを浮かべるばかりだ。

「너희들 같은 아이를 낳아서 부끄러워!」(あなたたちみたいな子供を産んで恥ずかしい!)

そんな言葉が彼らの脳を反芻する。

「두, 첫, 영(2、1、0)…」

カウントダウンが終わった。女兵が、彼女たちの憧れのK-POPアイドルのような愛くるしいポーズで二人の惨めな少年に向けてポムを放つ。少年たちは瞬間的に冷凍され、その後粉々に砕かれる。さっきまで少年だったそれは、辛うじて足元の塊を残して、その他は氷の粒となり地面に散乱した。

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一気に歓声があがった。

「대박! 한 순간에 모든 게 끝났어!」(すごい! 一瞬で全てが終わっちゃった〜!!) 

「한국의 힘이 이렇게 강하다니, 정말 자랑스러워!」(韓国の力がこんなに強いなんて、なんか誇らしいなー!)韓国人女学生達が興奮して叫ぶ。  

破壊された少年たちの残骸が広場に散らばる中、韓染女たちは優越感に浸りながら話し合う。

「저 아이들, 정말 약해. 우리 앞에서는 아무 것도 아니야!」(あの子たち、ほんっと弱かった。私たちの前では虫も同然だね!)

韓国軍の女性兵士も得意げに会話する。
「우리 기술로 저들을 이렇게 쉽게 제압할 수 있다니, 자랑스럽다!」(私たちの技術で彼らをこんなに簡単に制圧できるなんて、ほんと誇らしいー!!)
「저 아이들, 마지막 순간에 얼마나 무서워했을까?」あの子たち、最後の瞬間に怖かっただろうなー?ほんとウケる!)
「이제 이 일본 아이들의 시대는 끝났어. 우리의 시대가 시작됐어!」(これで日本の子たちの時代は終わり。完全な私たちの時代の幕開けだねー!!!)

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ポムを放った韓染女が高笑いしながら言う。

「저 아이들은 우리의 발 아래에서 부서졌어. 정말 재미있었어!」(あの子たち私たちの足元で粉々になっちゃった…!なんか面白かった!)

その時、ユナとチェリは濃厚なキスを交わしていた。
「아, 벌써 끝났네」(「あら、もう終わったのね」) 

そう言うとユナは氷の粒達の方へ歩き出した。
ユナは氷の粒をすくい上げ、その手で握り締めた。 足元を見やると、辛うじて粉々になるのを免れた塊がそこにはあった。 

「후후후, 체리 이리 와!」(「ふふふ、チェリおいで!」) 

ユナは邪悪な笑みを浮かべてチェリを呼び出し言う。 

「이것은 원래 당신이 리더로 있던 나라를 되찾으려 한 반역자의 살아 있는 증거야.」(「これは元々貴女がリーダーをしていた国を取り戻そうとした反逆者の生きた証。」) 
チェリはユナの言葉を聞き、コクンと頷く。 
「앞으로도 한일의 우호 관계를 계속 이어가기 위해서, 여기 있는 모두에게 보여줘야 해. 리더인 우리가 함께 이것을 완전히 부숴버리자.」(「これからも韓日の友好関係を続けていくために、ここにいる皆に示さないと行けないわ。リーダーである私達が共同作業で完全にコレを砕きましょう。」) 

「알겠습니다, 유나 언니. 함께 일본의 미래를 위한 행위를 할 수 있어서 행복해요」(「わかりました、ユナお姉様。一緒にイルボンの未来のための行為をできることを幸せに思います」)

そう言って二人は手を繋ぎながら高らかに宣言した。
「지금, 여기에서 한일 관계에 최악의 영향을 미치는 거대 악이 소멸했습니다. 우리는 앞으로도 손을 잡고 밝은 미래를 향해 나아갈 것입니다!」 (「今、ここに韓日関係に最悪の影響を与える巨悪が消滅しました。私達は、これからも手を取り合って明るい未来に向かって進んでいきます!」)
そういった二人はその足で少年たちが生きた証を粉々に打ち砕いた。

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今までと比べ物にならないくらい大きな歓声が上がる。女性たちは国籍に関係なく入り混じり合い、粉砕された氷のそばで記念撮影をした。

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女性たちの笑い声が夜空に響き渡り、新たな時代の到来を告げる。東京は今や完全に韓国の影響下にあり、以前の日本の面影は無くなっていた。

韓国の技術と力によって変わり果てた東京で、少年たちの抵抗の痕跡は次第に風化していった。一つの時代が終わり、新しい時代が始まる中で、彼らの悲劇はただの過去の記憶となり、新しい支配の下での生活が続いていくのだった。

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