イスラエル、ガザ病院の包囲強化=米大統領、保護を要請―医療停止で人道危機悪化
【エルサレム時事】イスラエル軍は14日、地上侵攻しているパレスチナ自治区ガザで、イスラム組織ハマスの拠点が地下にあるとされるガザ市最大規模のシファ病院などでの包囲戦を強化した。病院は電気や燃料の不足で稼働を停止。新生児30人以上の死亡が伝えられ、人道状況の悪化に対してイスラエルの同盟国・米国からも憂慮する声が上がっている。
AFP通信によると、シファ病院の当局者は14日、集中治療室で死亡した乳児や患者ら179人を敷地内に埋葬したと明らかにした。国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、病院には医師や患者、避難民ら2600人以上が今も身を寄せているとみられ、OCHAは「保育器内の新生児や人工透析を受けている患者に死の危険が迫っている」と懸念を示した。
イスラエル軍は13日、「人道支援」として、シファ病院へ保育器を搬入する手続きに着手したと発表。「民間人とハマスのテロリストを区別するため道徳的な責任を果たす」と説明した。人道危機の深刻化と民間人の犠牲増加に歯止めがかからない中、国際社会の批判をかわしたい思惑もあるとみられる。
病院周辺での戦闘について、バイデン米大統領は13日、記者団に「病院は保護されるべきだ」とイスラエルに自制を求めた。
イスラエル軍は14日も、ガザ北部から南部へ退避するための回廊を設け、特定の地域で4時間の戦闘休止も発表した。国連の推計では、今月5日以降に南部へ避難した住民は20万人に達する。また、ハマスの政府庁舎や警察関連施設を急襲したことも明らかにし、「訓練などの軍事目的で使われていた」と主張した。
ハマス軍事部門は13日、通信アプリで、5日間の戦闘休止や人道支援物資のガザ搬入、パレスチナ人受刑者との交換などを条件に、イスラエルから拉致した人質を最大70人解放する用意があると表明した。カタールの仲介で交渉が続いているものの、イスラエル側は100人の解放を求めているとされ、実現するかは不透明だ。
[時事通信社]
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