要覧のテロ組織一覧にハマスなし、修正の方針 法相陳謝
公安調査庁が世界のテロ組織の情勢をまとめた2023年版「国際テロリズム要覧」で、テロ組織や過激派組織をまとめた一覧に、22年まで記載していたイスラム組織ハマスが載っていないことが7日、分かった。同日の参院法務委員会で鈴木宗男氏が質問し、小泉龍司法相は「明らかにおかしい。正しい道に戻る方策を取る」と陳謝した。
小泉氏によると、22年版要覧には、米国や欧州連合(EU)の指定したテロ組織など、ハマスを含むおよそ230団体を載せた。「なぜテロ組織なのか」などと外部の問い合わせが集中したため、23年版は国連安全保障理事会の制裁委員会が指定した60団体ほどに絞った。この中にハマスは入っていなかったという。
日本政府はハマス工作員の資産を凍結するなどの制裁を科している。鈴木氏は「米国もテロ組織に認定している。なぜ消されるのか不思議だ」と批判した。
23年版要覧は9月に公表。公安庁は7日、取材に対し、要覧の扱いについて「適切に検討する」と回答した。要覧を抜粋してテロ組織などをまとめたサイトの記載は「政府の立場について誤解を一部招いた」として、既に削除した。〔共同〕