有機ELパネルを開発製造するJOLEDが27日、民事再生法の適用を申請した。負債総額は337億円に上る。

従業員約380人中280人解雇。主力工場の地元・石川県能美市で動揺広がる

JOLEDは2015年にパナソニックとソニーの有機EL事業を統合した会社で、独自技術の印刷方式で、世界で初めて中型の有機ELパネルの製品化に成功した。印刷方式はその名の通り有機ELの材料をガラス基板の上にプリントする。従来の生産方式に比べて2割のコストダウンができると自信を見せていた。

医療用や車載用のパネルを生産してきたが、量産化までに想定以上の時間とコストがかかった上に価格競争にも苦戦。設立から8年連続で赤字が続いていた。そして27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。負債総額は337億円で、今年最大となった。

JOLEDの主力工場がある石川県能美市では、突然の経営破綻のニュースに地元からは戸惑いの声が上がった。精密部品加工業を経営し、商工会の会長を務める本裕一氏は地元経済への影響を心配している。

能美市商工会 本裕一会長:
能美モデルと言われるようなパネルを世界に発信していくあるいは出荷していくという時に、私たちはものすごく期待していたわけです。それが今度は期待がしぼんでしまったということで大変残念だなと。人々の心の動揺が心配ですので、心配を安心に変えていくということは私たちとしてもしていかなければいけないのだろうなと。

石川県と千葉県にある工場は閉鎖し、約380人の従業員のうち開発部門以外で働く280人は順次解雇されるということだ。地元のハローワークでは従業員の再就職の準備を始めている。

小松公共職業安定所 北川徹所長:
有効求人倍率は1.27倍で、17か月連続で前年度比を上回っているという状況ですし、製造業においては2.32倍という倍率で非常に高い求人となっています。我々も求職者のニーズを把握しながら対応策を考えていきたいと思っています。