今回は、鹿児島県にある小正醸造が手がけた、シングルモルト嘉之助2023 LIMITED EDITIONを飲んでいきます。

レギュラーのシングルモルトも登場

_DSC7660_01小正醸造が嘉之助蒸溜所を建設したのは2017年、それからニューボーンや限定ボトルなどを発売していき、約5年後の2023年1月に、待望のレギュラーとしてのシングルモルトウイスキーを発売しました。

その5ヶ月後となる2023年6月に2023 LIMITED EDITIONがリリースされました。

LIMITED EDITIONは2年前よりリリースしていましたが、今回はレギュラーが出た後となり、さらに期待が持てる物になっているでしょう。

レギュラーのシングルモルト嘉之助がノンピートモルトを使っているのに対し、こちらはピーテッドモルトを採用、バーボン樽原酒を中心に焼酎樽など複数の原酒をヴァッティングしています。

アルコール度数も59度で、加水を行わないカスクストレングスになっています。

テイスティング

グラスからの香り、液色

グラスからはリンゴ、ブドウの香りとともに、正露丸を思わせるピートも香ります。
液色は中庸な琥珀色です。

ストレート

いきなり正露丸、ヨードの香りを伴った強烈なピート、スモーキーさが襲います。
その後は青リンゴ、マスカット、バニラ、レモンと続きます。

味わいは、アルコールからの辛みが強烈で、その後は強めの酸味が全体を覆います。最後に甘さが多少感じられます。

ロック

ミントや海藻、正露丸を思わせるピートの香りが広がり、その後はオレンジ、ブドウ、リンゴの香りが続きます。

味わいは、苦みが先にやってきて、甘さが後から追いかける印象です。

ハイボール

レーズンの香りが強く感じられ、あとから正露丸、レモンの香りが続きます。
味わいは、苦みが強く、しばらくしてから軽い酸味と甘さがやってきます。

アイラっぽさがあって癖が強い

全体的にも、ピートからのスモーキーさがまさにアイラモルトを想起させるほどの正露丸、海藻の香りで、癖の強さが感じられます。

ハイボールにすることでスモーキーさが減ってフルーティになりますが、それでも初心者にはちょっと受け入れにくいかと思います。
そういう人にはレギュラーの方がいいかもしれません。

一方で、全体的な若さはあまり感じられず、温暖な鹿児島の気候がバーボン並みに熟成を進ませる要因になっているのかもしれません。

価格は2万円ほどです。数量限定であるため、市場には在庫分のみが残っているという状況です。

<個人的評価>

  • 香り A: アイラモルトのような正露丸、海藻を思わせるスモーキーさ。レーズン、リンゴ、オレンジ、レモンと続く。
  • 味わい B: 苦みが強い。後から酸味、甘さが訪れる。
  • 総評 B: 万人受けはしないが、癖の強いウイスキー好きにはハマる。