SharePoint でサイトを作成する際、まずサイトの種類を選択することになります。
チームサイトとコミュニケーションサイト。実は他にもサイトの種類はあるのですが、モダンデザインのサイトを構築していくとなるとこの二択になります。
ではどちらの選ぶべきなのか。
どちらも情報共有を行うという目的は変わらず、見た目もさほど変わりません。
だからといってデザインで選んでしまうと後々面倒になる場合もあります。
今回はチームサイトとコミュニケーションサイトを比較し、目的別にお勧めのサイトの種類はどちらなのかということについて纏めていきたいと思います。
サイトの作成方法
何はともあれまずはサイトを作ってみたいと思います。
SharePoint 管理センターにアクセスし、[サイト]-[アクティブなサイト]をクリックします。
[+作成]をクリックし、サイトを作成していきましょう。
次にサイトの種類を選びます。
余談ですが、ここで「その他のオプション」を選択すると他の種類のサイトテンプレートを選択することが可能です。
サイトの種類を選択すると、以下のような設定項目が表示されますので、埋めていきましょう。
チームサイトではグループメールアドレスというものを設定できます。
ここで設定した値+ドメイン名がメールアドレスとなり、チームメンバーの Outlook にて受信メールの確認ができます。
また、チームサイトではプライバシーの設定で、チームサイトの公開範囲を指定できます。
初期値は「プライベート」でメンバーのみがサイトを利用することが可能です。
ここを「パブリック」に変更すると参加自由なチームサイトとなります。
チームサイトではこの次の画面でメンバー追加が行えます。
設定が完了すると、SharePoint 管理センターの[サイト]-[アクティブなサイト]に追加されます。
URL列をクリックすると作成されたサイトが開きます。
チームサイトとコミュニケーションサイトの比較
ここからはチームサイトとコミュニケーションサイトの比較となります。
主な特徴
まずはマイクロソフト公式ページの説明を引用し、概要的なところから見ていきます。
まずはチームサイトです。
SharePoint チーム サイト は、自分とチームを共有コンテンツとリソースに接続します。 チーム サイトを使用して、ファイルの保存と共同作業 を行ったり、 情報のリストを作成および管理 したりします。
- プロジェクトの状態を追跡して更新し続ける
- 共有コンテンツを整理して共同編集する
- Microsoft 365 グループにConnectしてチーム リソースにアクセスする
チームサイトはその名の通りチーム内での情報共有やファイルの共同編集といった作業に向いているということですね。
Microsofot 365 グループに接続できるというのが最大の特徴で、Teams や Outlook などといったツールとの連携が可能となっています。
続いてコミュニケーションサイトです。
コミュニケーション SharePointは、情報を他のユーザーにブロードキャストする場合に最適な場所です。 視覚的に魅力的な形式でニュース、レポート、状態の更新などを共有します。 コミュニケーション サイトを使用して、幅広い対象ユーザーに情報を提供します。
- ポータル、部署、またはプロジェクト固有のサイトを作成する
- 会社のニュース、お知らせ、イベントを共有する
- 何十人もの視聴者を引き付け合う
相変わらず日本語がおかしなMSサイトですが…汗
コミュニケーションサイトはニュースやイベントなどのWEBパーツを利用し、多くの人に広く情報を伝達するのに向いており、主な用途としては社内のポータルサイトとなります。
チームサイトと比較し大規模向けというイメージです。
このようにマイクロソフトの公式からは案内されていますが、特徴として挙がっている「共同編集」「ニュース」「イベント」などはどちらの種類のサイトでも利用することができます。
サイトを作ってみてわかるこの事実が迷いに繋がります。
- ポータルサイトを作りたいがレイアウトはチームサイトの方が好み。
- 共同編集をしたいがどちらの種類を使えばいいのかわからない。
この迷いを払拭するためにその他の特徴を見ていきましょう。
メニューの違い
チームサイトのメニューは左サイドバーにあります。
使用しているツールなどにより内容が可変するところが特徴です。
コミュニケーションサイトのメニューは上部サイトナビゲーションです。
こちらは可変せず、管理者は[編集]でユーザーに表示するメニューを固定することが可能です。
さらにコミュニケーションサイトのサイトナビゲーションはメニューの表示方法を「カスケード」と「メガメニュー」から選択できます。
チームサイトの左サイドメニューはサイトのツールバーとして動作するためカスタマイズには向いていません。
一方、コミュニケーションサイトのサイトナビゲーションは管理者にて表示内容を制御できるため、情報への意図した導線を引くことが可能です。
よって、コンピューターに詳しい人からそうでない人まで多くの人が利用するポータルサイトなどの用途においては、コミュニケーションサイトのメニューが使いやすいと考えます。
デザインの違い
続いてデザインの違いです。
前述の通り、チームサイトは左サイドにメニューが表示され、コンテンツはその右側の領域に表示されます。
一方、コミュニケーションサイトはサイトナビゲーション下の全面がコンテンツ領域となります。
一見、コミュニケーションサイトの方が広くスペースを使えるように見えます。しかし、ページレイアウトとして採用できるカラム数は3カラム(垂直方向のセクションを入れると4カラム)までと両者変わりません。
コミュニケーションサイトでは「全幅のセクション」というレイアウトを設定できます。
「全編のセクション」には上の画面で表示されている「ヒーロー」WEBパーツの他、「写真」「タイマー」WEBパーツを挿入できるセクションです。
インパクトのある全幅レイアウトで情報表示できる特別なセクションとなり、社内ポータルサイトなどのトップページに搭載することで視覚的に目出させることが可能です。
これがコミュニケーションサイトの方が広くスペースを使えているように見える理由なんですね。
一方、チームサイトは「左サイドバー」「3段組」「垂直方向のセクション」を組み合わせると最大5カラムでの表示が可能となります。
画面の横幅を活かしたレイアウトが可能となりますので、実は1画面に情報を詰め込みたいという場合はチームサイトが有効なんです。
他アプリとの連携
最後に他のアプリとの連携についてです。
これはチームサイトのみに実装された機能です。
まずはTeamsとの連携です。
チームサイトを作成すると、左下に「リアルタイムチャットを追加する」というお知らせが表示されています。
ここで「Microsoft Teams を追加」をクリックすることで、チームサイトと Teams を連携させることが可能です。
これをするとどうなるかというと、まずはチームサイトの左サイドバーに Teams というメニューが追加されます。
また、Teams にチームサイトのチームが追加されます。
他、チームサイトのドキュメントライブラリに Teams チームのチャネル名フォルダが追加され、これは Teams チャネルの「ファイル」タブと連動します。
以上のように、Teams に接続することで完全に Teams のバックグラウンドで動く SharePoint チームサイトに変換される動作となります。
(それなら Teams でチームを作って Teams アプリから使えばいいじゃん!って話です。)
次に Outlook との連携です。
チームサイト作成時にグループメールアドレスというものを設定していたと思います。
これはどこに表示されるかというと、Outlook の「グループ」に表示されます。
チームサイトの左サイドバーから「スレッド」をクリックすると、Outlook が起動し、上記グループメールの画面が表示されます。
このようにチームサイトは Microsoft 365 の他のコミュニケーションツールと綿密に連動します。
逆にいうとコミュニケーションサイトはこのような連携はなく、SharePoint 単体で機能しているというところがメリットになるのかなと考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
チームサイトとコミュニケーションサイトはほぼ共通の機能を持っており、どちらを使うか迷うところです。
選択のポイントとしては「メニュー」「デザイン」「アプリ連動」の3つになるのかなということで纏めさせていただきました。
当初社内ポータルサイト構築の際、左サイドバーを使いたくどちらにしようか迷ったことがありましたが、結局はコミュニケーションサイトを使いました。
やはり全社大で利用するような社内ポータルサイトにおいては重要な情報への導線を作り閲覧回数を伸ばす必要があったため、サイトナビゲーションを作りこめるコミュニケーションサイトに分がありました。
サイトの種類に迷ったらテンプレートを見てみるのも手です。
どのような用途に活用できるのかというアイデアがあります。
余談ですが、私はポータルサイト以外の用途でもチームサイトは使っていません。
それは Teams を既に運用しており、チームサイトで使える機能は Teams で賄えるからです。
Teams を運用しているのであれば「Teams を使うか」「SharePoint のコミュニケーションサイトサイトを使うか」の二択で考えた方がシンプルになりますね。
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