2020.08.14
# 食品

日本人が意外に知らない…世界一売れている「日本のおかき」の正体

モンスター企業はこうして生まれた
岡本 ジュン プロフィール

雪深い農村で創業をスタート

岩塚製菓が生まれたのは、雪深い新潟県三島郡岩塚村(現在の長岡市)。当時は小規模農家が多く、冬に出稼ぎをしなければ生活ができないという地域であった。

1947 (昭和22)年、岩塚製菓の創業者である平石金次郎氏、槇計作氏は、地元の農産物から水飴、澱粉、カラメル等の製造を行う岩塚農産加工場を創立した。そこには、地元の人々が冬場に出稼ぎに行かなくても生活ができるようにしたいという強い思いがあった。

その後、事業に衰えが見え始めると、未来を託して取り組んだのが米菓であった。

「農産物の加工は原料より良いものはできない。良い原料を選び、確かな技術でよりよいものを作る」という創業者のこだわりは、ここで威力を発揮することになる。全く未知の新しい事業を成功させるため、米を研究することから始めたという。

オリジナリティのある商品を目指して創意工夫を重ねるうちに、岩塚製菓のヒット第一弾となる『お子様せんべい』が生まれる。

50年以上のロングセラーとなった『お子様せんべい』
 

“せんべいはパリッとしたもの”という常識を捨て、目からうろこの発想で赤ちゃんでも食べられるおせんべいを作り上げたのだ。化学調味料や香料は不使用、口の中で溶ける食感の今も愛される名品として、50年以上のロングセラーとなっている。

1978年には看板商品の『味しらべ』が生まれた。他にはないおせんべいを作ろうという思いから出発し、甘じょっぱい独特の味わいが完成したという。これがクリーンヒットとなり、岩塚製菓は大手メーカーの仲間入りを果たす。

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