資源開発部 資源開発課/村田雅美

ジャングル?砂漠?それとも海抜−170m?

「地質調査」と聞くと、みなさんはどんな場所を想像しますか。厚い木々が生い茂ったジャングル?それとも、見渡すかがりの大砂漠?答えはどちらも正解です。私たち日鉄鉱業は、地質調査に力を入れている日本でも有数の鉱山会社。地球上のあらゆる国や地域へと調査に出向いています。具体的には、採掘可能な鉱物資源が鉱山にどのくらい残っているか、また資源がどのくらいの品位なのかを調べることが目的です。私はその調査員として、現地に足を運び、道具や化学薬品を用いて実質調査を行なっています。

私が携わったプロジェクトの中で特に思い出深いのが、青森県にある八戸鉱山の地質調査です。八戸鉱山は海面下にある全国唯一の鉱山で、最深部はなんと海抜-170m。そのため地下水が湧き出てくる、なんてことがよくあります。ちょっと話が逸れますが、私は幼い頃から「川」が大好きで・・・(笑)、水の流れを見たり音を聞いたりするのが趣味なんです。だから八戸鉱山の調査中、湧き出た地下水が川を形成して、またそれが地中に戻っていく、そんな光景を目にした時、とてもテンションが上がりました。地質調査の面白いところって、そうした思いがけない自然の産物に出会えることじゃないでしょうか。半透明でキラキラした結晶は見ているだけで癒されますし、石灰石は様々な製品に姿を変えるんですから本当に凄いですよね。

八戸鉱山もまた石灰石の鉱山なのですが、2015年に日鉄鉱業のグループに組み込まれたばかり。そのため、関係グループで統一している基準に、数値を蓄積し直すため、地質調査を一から全部やり直したんです。3ヶ月に1度のペースで現地に足を運び、入手したデータを東京本社に持って帰って化学分析にかける。研究開発センターから上がってきた結果をもとに、何年掘れるかといった鉱量を計算したり、資源がどれくらいの品位で鉱山のどのあたりにあるのかといったデータを地図に起こしたりしました。いわば地質調査は、採掘作業を始めるための下準備。何十年もつづく、鉱山プロジェクトの土台を担っていると言えます。今はまだ先輩についていくことが多いですが、早く調査団のリーダーとして資源の安定供給に貢献していきたいですね。