選鉱/橋爪良平

プラントに昇れば、悩みなんてふっ飛んでいく。

一言で言うと一目惚れでした。就活の時にWebサイトで見た、自然豊かな鳥形山の写真。見学の時にはじめて目にした、想像を超える巨大なプラント。現場で働きたいと考えていた私は、そんなスケールのでかい職場に恋に落ちたのです。機械の専門として入社し、現在は鳥形山鉱山生産係に所属し海岸プラントで選鉱を担当。23㎞のベルトコンベアにのって山から運ばれてくる石灰石を、成品として出荷できるまでに砕いて、分別し、貯鉱しています。生産係の仕事は、いわば山と海をとりもつポジションです。

仕事内容は、生産管理と品質管理。生産管理とは、出荷船積みにあわせて、成品をどれくらい生産するか考えます。石灰石といっても、成品になると7種類ほどに分別されます。毎日、それぞれの成品の量を確認して、「足りない」という状況を生み出さないよう、生産量をコントロールしています。また品質管理とは、出荷先に送る石灰石が、品位と粒度(サイズ)の2つの面で基準を満たしているかを調べます。鉱山としての評価に関わる、量と質について任されていますので、責任とやりがいは大きいですね。

もう一つ、生産係には重要な仕事があります。それは設備の保全作業。いわば、プラントのアップグレードです。実際に工事をするのは現場の職人で、彼らに指示を出すのが僕の役割。とはいっても、経験豊富な現場の職人さんに、入社3年目の未熟者がお願いするわけですから、はじめはとても苦労しました。一緒に現場に行って、意見を聞いたり逆に教えてもらったり。みんな器が大きい人ばかりで、多少の失敗は許してくれます。できるようになるまで実際に経験するのが一番。本当に危ない時は、先輩がカバーしてくれますから。ミスして落ち込んだら、息抜きすることも大事です。僕のおススメは、「スタッカ」と呼ばれる、貯鉱場に石灰石を流す機械にのぼること。壮大な太平洋とプラントが見渡せるここの景色を眺めていたら、悩みなんて吹き飛びます。