電気/佐矢野健

電気は()()の血液だ。

プラントにある設備のほとんどは、電気が止まると動かなくなる。ひいては生産ラインがストップし、社会に資源を供給できなくなる。そんな状況に陥らないよう、電気係はプラント内に電気を安定供給しています。主な仕事は電気設備の保守と完備。スイッチ、センサー、ケーブル、モーター等々、電気に関わる全ての機器が対象。メンテナンスだけでなく、古くなったり壊れたりしたら、新しいものに取り替える工事も請け負います。鳥形山鉱山の海岸プラントに配属されて2年。最近では、大きなプロジェクトに参加させてもらえるようになりました。

先日、山と海の間にある電気室で、電動機のケーブルをすべて取り替えるという工事を行いました。着工から完成まではおよそ1か月。これほど大きな規模の工事を、1から10まで携わったのはこれがはじめてでした。ヒアリングや見積り、スケジュールなどの基礎を一通り学ぶことができたのが大きな収穫です。そして、これまで気づかなかった自分の視野の狭さにも気づくことができました。

電気係の仕事は、他の部署と連携して行うことが多くあります。たとえば機械係から、ベルトコンベアの修復作業をしたいと頼まれたら、稼働中のベルトコンベアを止めるために電気を遮断しにいきます。万が一動きだして、ケガや事故につながったら危険ですから。逆に電気設備の工事をしていて、電気係では対応できない工事が出てくれば他部署にパスします。全体を把握しながら働かないと、想定外の工事が発生したり、プラントを止めてしまうことになりかねない。僕は高専卒で、学生時代はずっとPCやロボットをいじっていました。一人で黙々と作業するのが好きでしたが、一人では気づけなかった横との連携の大切さを、この仕事が教えてくれました。互いに信頼しあって、いい工事がしたいですね。