<鑑定医の証言>
■ふだんの様子に精神障害なし
・問診は最短7分から最長85分、計21回の平均時間は49分
・社会性障害、発達障害などなし
・地元の高校の電気科をトップクラスの成績で卒業
・自動車関連など、複数の会社勤務
・2012年に実家に戻った後、就職活動はかどらず
・姉とトラブル、母親の入院後の事件時、父親と2人暮らし
■事件前後の心理状態
・殺意を一貫して否認
・Aさんの風貌に強い恐怖感、恫喝され、強く逃げたい思い
・最初にナイフで突き刺した後、大部分の記憶がない
・急性ストレス反応(弁護側も主張)の可能性
・ふだん使わない被告の言葉「イキッてんの?」からも伺える
■事件の計画性など
・計画性はないとみられる
・防犯カメラでAさんを見て「怖い人が来た」
・思わずナイフ所持
・善悪の判断能力は、急性ストレス反応で一定の障害あるが、著しく喪失はない
殺意の有無や刑事責任能力などが争点になっている、この事件の裁判…被告人質問を経て、11月22日、検察は「刺し傷は20か所にも及び、死亡する危険を認識していながら刺し続けた、残忍な犯行」と指摘し、川口被告に懲役25年を求刑しました。
これに対し、弁護人は「被害者の風貌などからくる恐怖感から、すべて自己防衛的だった」と正当防衛を主張。
川口被告も最終陳述で、取り調べで屈辱を味わい、精神が破たんしたとして「黙秘は権利、本当は重要なことも話したいが、誤解を生むので話さない」などと述べ、裁判は結審しました。