面白かった。マジで面白かった。凄く面白かった。 今後も確実に面白くなる。 あらすじ通り、古臭いくらいの王道なろう異世界転生もの。 でもクラシックの演奏みたいなこと。同じ題材、同じシチュエーション、同じキャラ設定でも、結局は書き手の腕一つで全てが変わる。 タイトルの「帰宅部」は正直あまり効いていない。ただ登場人物たちの行動原理の多くが「家」「家族」であることを考えると、この物語自体、登場人物が帰るべき場所を見つけ帰る、長い「帰宅」の物語なのかもしれない。 キーワードにある「オリジナル戦記」要素は今のところ薄いが、第二章学園編が終わってようやく舞台が整ってきた。まだ存在だけが提示されているようなキャラクターが、今後どう主人公に絡んでくるのか楽しみだ。 年明けに再開されるという続きが待ち遠しい。本当に面白い作品に出会えて幸せだ。

と、言いたくなるほどにエモい。 余命宣告でも受けたのか？ と、言いたくなるほどにエモいのだ。 最近のこの人の短編は。 「月が綺麗ですね」と上手いこと言っていた人が、 「私は貴方を愛しています」と真っ直ぐに言い始めてしまったようだ。 思えば初期の頃は、直球主体の配球だった。 単調な球は打ち返されてしまっていただろうか。 変化球主体になって、勝ち星をあげるようになった。 なろう屈指のくせ者変化球投手だ。 その人が変化球のキレはそのままに、再び直球をバシバシと投げ始めた。 最強のピッチャーの誕生である。 もう、今までのリーグに居てもらうわけにもいくまい。 なろうの片隅で、知る人ぞ知るではいられまい。 まずは、なろうマイナージャンルのスターになってもらわなくては。 もっと広く読まれなきゃイカンだろ、この人は。

小説投稿サイト最大の功績は横書き日本語で書かれた物語の発展、普及だと思うんです。 縦書きから横書き。けっこう大きな変革だと思います。 ただ読みやすく以上の部分で横書きであることを意識して書かれている作者さんは非常に少ない。 横書きでなければ、という作品はまだまだ少なく思います。 しかし天才ってのはいるもんで、無意識に横書きならではの作品を書いてくる作者さんもいます。 その代表格がつこさん。です。 彼女の作品はいずれも横書き日本語の魅力に満ちていますが、特にそれが顕著なのが、彼女が酔っ払った状態で書いた幾つかの作品です。 そしてその酔いどれ文体が完成をみるのがこのエッセイだと思います。 もはや句点すらない文章は、酔拳の達人の技を無防備に受け続ける様な快感を与えてくれます。こちらは酒でも飲んで、だから天才って奴はと愚痴りたくもなるのです。

眠れない夜に「人生の意味」だの「幸福とは何か」だのと考えたりする。もちろん答えなんて出ない。 だけど本当になんてことのない瞬間に突然、人生や幸福を感じる事もある。 普段離れている家族や友人と会ったときかもしれない。あるいはただ空が青かったときかもしれない。 ご飯が美味しかったときかもしれない。 さて、このエッセイはいわゆるレシピ紹介とは少し違う。お茶漬け海苔がちょっと美味しくなるとか、まあ普通というか、スケールは小さい。 だがこういう事にこそ食の喜びとか、大袈裟に言えば日々の営みの意味みたいなものがあるように思える。 よく小説作法などで「細部にこそ命が宿る」等と言われるが、人生でも同じではないかなぁ、と思ったりさせてくれるエッセイだったりする。

作者のかなん様はつい先日「呪われた聖女の娘」という作品を完結させたばかり。すでにファンも多い方の様ですが失礼ながら私はその作品で初めて知りました。 で、読んでみた「聖女の娘」。うん、面白い。傑作。 慌てて他の作品も読んでみる。どれも面白い。 で先程読み終わったのがこの作品。まいった。完全にノックアウトであります。そのままこのレビュー書いちゃうぐらいに。私、この作者様好きです。もう「ありがとう」と言いたい。なんか奢ってあげたい。 ストーリーも良い。キャラもイキイキ。文章も読みやすい。シリアスもコミカルもバッチリ。つまり最強。最高。最良。ああ、読み専の私ではボキャブラリーが無さすぎる。作者様スマン。 とにかく面白い。皆も読んでみて！ いや、皆はともかく私は読む。幸い今日明日仕事は休み。次はクマ執事のを読もう。そうしよう。

いやあ、馬鹿馬鹿しい。それも程よい馬鹿馬鹿しさ。 寝転びながら軽く読んでニマニマする、そんな作品です。 基本的にはテンプレなチート転生もの、スキル調味料作成を応用して魔物退治を、料理を作ってハーレムを、というストーリー。 ただ、２章３章と進んでいくごとにどんどん酷くなっていく登場人物たち。 女の子にモテたい、が唯一の行動原理な主人公に食べる事に必死すぎる女性陣。 彼女達の面白すぎる食レポが読みどころの一つになっています。 それでもきちんとストーリーもありそうで、適度に戦闘もあります。文章も読みやすく、このすべてが程よいバランス感覚がこの作品の魅力かなと思います。