2021年 10月01日 (金) 04:35
こんばんは。
今月、やっとワクチン1回目の順番がまわってくるピストンです。
「独り身だし、親も両方いないし、後のほうでいいよ」と自分で言ったんですが、皆さんが次々と2回目終わっていくのを見て、正直羨ましく思っておりましたです。はい。
少し前に夕月さんの活動報告見て初めて気づいたんですが、なろうで運営さんが色々報告してくるブログページ、2006年まで遡れるんですね。全く盲点になってて気づかなかった。
あれ見ると、なろうってホントに個人の手作りサイトだったんだとわかります。大学の仲良し4人組、よく頑張りました(上から目線)。
しかし今書いててふと思いつきましたが、なろうの前に覇権を握っていたのがアルカディア、今なろうに次ぐ2番手がハーメルン、と個人サイトなの面白いですね。商売っけの無さってのが、案外重要な要素だったのかも。書き手にも読み手にも直接金銭が絡むことへのアレルギーがあるのか?
では、雑談。
だが毎月言ってますがネタがない。
前回少し触れた長文タイトルに関して書くかとも思ったんですが、2ヶ月続けてなろう関係の話もちょっとつまらない。
ということで、私の活動報告の基本に戻ってベストテンとかやります。
今回、実写の日本映画。
オールタイム、オールジャンルで、私の好きな日本映画を素直に10本。
1監督1作品で。
そして先ほど選んでみて自分でもびっくり。
パッと浮かんだものの中から素直に好きなものを10本選ぶと、全てが10代の頃に観た作品に。やっぱりモラトリアムの時期に観た作品というのは、自分の一部となって残っているんでしょうねえ。
しかも初公開時にリアルタイムで観た80年代以降の作品は1本もなく、最も新しい作品が1973年の作品。カラーの作品2つだけ。私、ホントにアラフィフかしら。
それでは、スタート。
10位 『お嬢さん乾杯!』
1949年の松竹作品。日本映画を代表する監督としてよく「黒澤、小津、溝口」なんて言い回しが使われます。そしておっさん映画好きが飲んだりすると、4人目選ぶなら誰か? なんて話題になったりします。私の場合、収まりの良いのはこの作品の木下惠介監督だろうと思っております。
こちらは没落華族令嬢と小金持ち自動車修理工の恋物語。主演は原節子さんと佐野周二さん(関口宏さんのお父さん)という私のお気に入り二人。佐野さんの弟分を演じる佐田啓二さん(中井貴一さんのお父さん)もカッコいいのです。
終戦直後の作品ですが、ラブコメというのは既に完成していたんだなあ、とよくわかる1本。
9位 『仁義なき戦い 広島死闘篇』
今回のベストテンで最も新しい1973年の東映作品。深作欣二監督の大ヒットシリーズ二作目。
私はシリーズ自体のファンではなく、正直『代理戦争』以降の作品はあまり面白く観てないんです。ただこの二作目には参った。
シリーズの中でも番外編的な作品で、シリーズ主人公の菅原文太さんもあまり出てきません。これだけ単独で観ても大丈夫。
この作品の主人公、ヒットマンを演じるのが北大路欣也さん。私が観た中では、ぶっちぎりで彼の最高作だと思います。もう一人の中心人物、狂犬のような男を演じる千葉真一さんにとっても、代表的な演技。あと成田三樹夫さんが良い。
戦争映画ならぬ“(生き残ってしまった男の)戦後映画”という印象。
8位 『めし』
1951年の東宝作品。前述した「4人目の日本人監督」、私は木下惠介押しですが、よくあげられるのは成瀬巳喜男監督でしょう。
『めし』は倦怠期の夫婦の姿を描いた作品。私はこの作品、同じ成瀬監督の代表作『浮雲』との2本立てを観に行きまして。当時『めし』のほうはよく知らずに行ったんですが、面白くてびっくり。
妻のほうの原節子さんはもともと大好き。良くてびっくりしたのが夫を演じた上原謙さん。それまでの私には加山雄三さんのお父さんというだけのイメージでしたから、この作品でのダメ夫役の好演はこの日いちばんのインパクトでした。
7位 『雨月物語』
1953年の大映作品。溝口健二監督。
出演は森雅之さん、田中絹代さん、そして圧倒的存在感の京マチ子さんなど。
この作品に関してはそりゃもう映像の美しさです。カメラマンは宮川一夫さん、美術は伊藤熹朔さん。化物のような監督の元に化物のようなスタッフが集まって作られた化物のような作品。白黒映像の歴史における最高到達点の一つではないかしら。
6位 『ニッポン無責任時代』
1962年の東宝作品。これと仁義なき戦いの2本がカラー作品ですね。この作品に関しては以前だましだましでも取り上げました。60年代東宝を代表するクレイジーキャッツ映画の第一作。監督は天才古澤憲吾さん。植木等さん演じる謎の男が口先一つで出世していく、高度成長期の日本を笑い飛ばした傑作。
5位 『独立愚連隊』
1959年の東宝作品。岡本喜八監督。
この作品でまず頭に浮かぶのが三船敏郎さん。出番はほんの一瞬の、いわゆるカメオ出演なんですが、異常なハイテンションで場をかっさらっていきます。このシーン大好き。
主演は佐藤充さん。笑うと顔がクシャっとなるのが可愛いのです。岡本、佐藤コンビなんてのは100%面白さ保証の安心感あります。あと脇役で中谷一郎さん。後年、水戸黄門における風車の弥七役でおなじみですが、この作品でもカッコいい。
大陸を舞台にした戦争ものですが、やってることは基本西部劇です。
4位 『陽のあたる坂道』
1958年の日活作品。田坂具隆監督。
田坂監督というのは凡人型の頂点といいますか、実に丁寧な作風で私の憧れの監督さんでありました。
主演は石原裕次郎さんなんですが、私にはこの映画の主演は北原三枝さんのほう。北原三枝さんというのは早くに裕次郎さんと結婚して引退、今では石原軍団のまき子夫人というイメージが強いのですが、この人の女優としてのポテンシャルは恐ろしいほど。
もちろん裕次郎さんも良い。私にとって裕次郎さんの最大の魅力はそのナイーブさなので、最も素直に発揮されているのがこの作品。
あと我が愛しの芦川いづみさん。今、乃木坂に居ても全く違和感ないような、圧倒的美少女ぶり。
映画は対照的な兄弟の間で揺れる女子大生を描いた青春もの。
3位 『飢餓海峡』
1965年の東映作品。内田吐夢監督。
日本のサスペンス映画の頂点に立つような名作。殺人犯を三國連太郎さん、追う老刑事を伴淳三郎さん。若い刑事を高倉健さん、ヒロインを左幸子さんという素晴らしい面々。以前だましだましでヒロインランキング実写版をやった時にこの作品の左幸子さん選んでますね。
私、映画少年だった頃に書いた脚本で、何度か女性に男性の足の爪を切らせてるんですが、この映画の影響です。
2位 『麦秋』
1951年の松竹作品。小津安二郎監督。
小学生の頃に『東京物語』を観た私は「これ何が名作なのかわからん」と以降、小津作品から離れていたんですが、高3の進路も決まった頃にこの作品を観てドはまり。『東京物語』も見直したら最高。卒業までひたすら小津作品観てました。この作品の脚本をノートに書き写したりしたものです。小津さんのローアングル、フレーム固定でカットバック。チョー真似しました。
この映画で最高なのが原節子さん演じる主人公が結婚を決断するシーン。原さんと杉村春子さんの二人が会話するだけのシーンなんですが、杉村春子さんってやっぱり日本一上手い女優さんだと思います。
1位 『椿三十郎』
1962年の東宝作品。黒澤明監督。
これは前にも書きましたかね、世代的な思い入れが強い。
黒澤プロと東宝が権利関係で揉めてたせいで、50代には初めて観た娯楽系統の黒澤作品が『椿三十郎』だった人が多いのです。私が中学の時のゴールデン洋画劇場だったんですけど。後に上京してから出会った同世代の映画好きにも、同じ時の放送を観て衝撃を受けていた人の多いこと多いこと。私はこの作品を観るまでは完全に洋画派だったんですが、世界が広がった一本です。
主演は三船敏郎さん。あと仲代達矢さんや加山雄三さん。黒澤監督はデビュー作から面白くて、ずっと全盛期みたいな人ですが、特に60年代『用心棒』からの『椿三十郎』『天国と地獄』『赤ひげ』の4本は絶頂期とも言える完成度があります。70年代、さらにそこから一歩踏み出したのも凄いんですが。
話はまあ、超人が普通の人間助ける話です。リメイクだと三十郎が人間なんですよねえ。斬り合いして疲労したりして。それでは別物。疲労することも出来ない超人の悲哀、それがないと。
以上、好きな日本映画ベストテンでした。
作品内容じゃなく好きな役者さんの羅列になってますけど。
ちなみに20代以降に観た映画だと、平山秀幸監督の『学校の怪談2』がパッと頭に浮かびます。当時心底、感心したんですよねえ。学校の怪談という流行りものの企画を、王道のジュブナイル作品に仕上げていて。
でも20代以降観た映画は感動よりも感心が先にたっちゃうんですよね。感動した場合も素直に映画そのものというより、作り手さんに感情移入してたりして。小説や漫画など他のジャンルでは起こらない、実写映画だけで起こる感覚なんですが。そんなこともあっての今回のベストテンの古さでした。
また長い活動報告になりましたが、なんとか書くの間に合った!
では皆さん、また来月に。お身体気をつけて!
コピーサイトにそんな説が!
それだとなおのこと、なろうもやられそうですねえ。
金銭アレルギー、実は私もちょっとあるのです。払うぶんにはいいんですけど、貰うのは勘弁っすねえ。
なろうの場合、2014年のインタビューで「出版部門は立ち上げないの?」と聞かれた梅崎さんが、「読者だったとき金銭が絡んでるのが好きじゃなかった」と場の提供にとどめる発言してたの思いだしました。
『椿三十郎』のリメイクって、ちょっと特殊で、森田芳光監督がオリジナルと全く同じ脚本を使って撮影しまして。だからそういう細かい演出で独自性を出したんですよね。途中の見せ場で三十郎が数十人の相手を皆殺しにする長尺の殺陣シーンがあるんですが、三船さんは息ひとつきらさない。織田さんは肩で息をする。
ただそうなると三十郎は超人でなく「凄く強い人間」になっちゃうんですよね。三十郎って30代だから三十郎、つまりは名前の無いキャラクターなんですけど、人間であれば名前があってしかるべきで。
また、最後三十郎はひとり去っていくんですが、これまた人間であれば彼もコミュニティに属せる訳でして流浪の旅を続ける必要はないのでして。
ということで本文のに足すと、椿三十郎は超人が普通の人間を助ける、でも本当に強いのは普通の人々、という『七人の侍』の本当の勝者は農民、の延長線上にある作品だと思うのですよ。
つい語ってしまいましたが、60年代黒澤作品は面白いのでぜひ観てくだされ。
では、またー。