だましだまし補足 縁の下の その2
2020年 05月11日 (月) 03:47
こんばんはー。明日少し早めに仕事なので、こちらも早めに。

好きなプロレスの必殺技はスウィート・チン・ミュージックな私です。ちなみにハートブレイク・キッドこと、ショーン・マイケルズの技です。

6日を境に人の流れが変わった感じ。また忙しくなる予感が。今年は先が読めないねぇ。

さて、今回の本文は翻訳家について。国内の作品を中心に読む方々には分かりにくいかも知れませんが、翻訳小説好きにとっては誰が訳しているかというのは大きな関心事なのです。

本文では触れなかったのが、出版社に勤めている編集者が自ら訳す、というパターン。
戦前、博文館社員時代の横溝正史さんや延原謙さん、戦後早川書房社員時代の田村隆一さんや福島正実さん。
特に初代ハヤカワSFマガジン編集長でもある福島正実さんは数々の名作を翻訳されました。

以前もどこかで書きましたが、私がSFを読むきっかけがハインライン。正確に言うと図書館で借りてきた早川のSF全集ハインラインの巻とアシモフの巻。
この2冊、ハインラインの巻には「人形つかい」と「夏への扉」が、アシモフの巻には「宇宙気流」と「鋼鉄都市」が収録されてましたから、「宇宙気流」以外の3作品が福島正実さんの翻訳。私がSFを読むきっかけは福島正実さんといっても良いくらいです。

本文で名前をあげたのは、小泉喜美子さん。
昔、学生時代に学校のホールで数人の同級生と話していた時、ハズレなし翻訳家として全員一致で名前をあげたのが小泉さんでした。

「日常生活と全く関係のない贅沢なお酒のような作品が書きたい。職場でのむ酒のような作品は書きたくないし、読みたくない」とおっしゃっていた彼女が翻訳した作品。ジョセフィン・テイ「時の娘」、クレイグ・ライス「大はずれ殺人事件」、ジェイムズ・クラムリー「さらば甘き口づけ」、P・D・ジェイムズ「女には向かない職業」等々、まさに贅沢なお酒のような作品です。私はお酒を飲まないんですが。

翻訳前に作品を読むか聞かれると「読むわけないじゃない、ぶっつけ本番よ。だって読んじゃったら面白くないじゃない」ともおっしゃっていたので、古典であるテイやライスの作品はともかく、クラムリーやジェイムズ・エルロイの作品は彼女がチョイスした訳ではなく、編集者のチョイスなんでしょうが、にしてもこのハズレなしは凄い。
新宿の酒場で酔っぱらって階段から転落、51歳の若さで亡くなられた彼女。
今では絶版や新訳版に変わったりして新刊書店で見かけることも無くなった彼女の翻訳ですが、昭和のミステリ好きが忘れることはないでしょう。

という所で時間が。本当に個性的な文体の優れた翻訳家がたくさんいらっしゃいますから、注目してみて下さいな。
では、またー。
おやすみなさい。
コメント全6件
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ピストン
2020年05月12日 03:19
神宅さん、こんばんは!

ジャイアントスイング、会場で一緒になって数えるの楽しいんですよね。ただ本人も目が回ってフィニッシュにはならないのも可愛い。

翻訳はその外国語もですが、なにより日本語の文章の才能もないといけないのが、大変ですよねえ。
ミステリでも探偵がお喋りで、ジョークや下ネタを連発するような作品は訳者さんのセンス次第で面白さが変わってきますし。

同じ作品を違う訳で読むの、面白いですよね。私も時々やります。しかし悪の華とはカッコいい。

では、コメントありがとうございました!
ピストン
2020年05月12日 03:04
つこさん。どうもー。

そうなのよ。小泉さんはカッコいいのよ。
昭和のある分野のミステリ好きのマドンナよ。
一般的には知られていないけど。

「弁護側の証人」で作家デビューが63年で、亡くなられたのが85年だから、さすがに今読むと古い所もあるけれど。何年かごとに再評価があって、実は今は彼女の小説、けっこう新刊本で手に入る。

翻訳作品は上で名前をあげた4作は名作。ただ「大はずれ殺人事件」は「大あたり殺人事件」と二冊ペアになる。

もったいない、残念な最期なんだけど、当時一緒に酒を付き合わされていた今大御所になったハードボイルド系の作家さんたちや、出版関係者の人たち、皆さんが“らしい最期”として語られるのが、愛されてた感じがあって、素敵なのよ。

一般的には本当に知名度のない人なんで、ミステリ好き以外に刺さるのかは不明なんだけれど、まあ、こんな人が居たということで。

では、またー。
ピストン
2020年05月12日 01:51
三千さん、こんばんはー。

ええっ? 4の字をかけて全身に電気?
それは三千さん、プロレスごっこ絶対したらダメよ。
まさに不思議よ。絶対にしたらダメ。

映画の字幕はどんどん流れていくから、実際の英語の三割ほどしか文字に出来ないみたい。なので直訳ではなく、ニュアンスを的確に日本語にしなくちゃならない。
戸田さんの師匠が清水俊二さんというミステリ小説の翻訳でもお馴染みの人なんですが、清水さんの言葉に「映画字幕は翻訳ではない」というのがあって、戸田さんはそれを忠実に継いでらっしゃる気がする。

まあ、戸田さんかなりのミーハーでメンクイだものねえ。でも歯ぎしりとか、そこまでトム・クルーズファンだったのね。というか三千さんもけっこうなメンクイよね。

では、コメントありがとうー。またー。
神宅 真言
2020年05月11日 15:09
好きなプロレス技はジャイアントスイングです!(馳浩好きだった影響です)

翻訳、自分はハヤカワFTをよく読んでたのですが、ファンタジー系だと現実の風刺や皮肉が込められていたり、現実世界と繋がっている系で言葉遊びが激しかったり、そういうものって訳すのが大変そうだなあ……とかいつも読みながら思ってました。
ああいうのは直訳は無理だからセンスとか知恵が必要だろうなあ、と。原文でのニュアンスを生かしつつ日本語でもそれを表現するのって、どれだけ大変なんだろうと、英語苦手な自分は想像もつかないです。

あと中二病っぽくてアレですが、いっときボオドレエルの悪の華が好きになり、訳者の違うものを幾つも読み比べたりしていました。言葉の選びや雰囲気が全然違うのでとても面白かった記憶が。
つこさん。
2020年05月11日 14:09
>「読むわけないじゃない、ぶっつけ本番よ。だって読んじゃったら面白くないじゃない」

かあっこいい

>新宿の酒場で酔っぱらって階段から転落、51歳の若さで亡くなられた彼女。

もったいない……

小泉喜美子さんさがしてみよー
三千
2020年05月11日 10:11
こんにちは。

好きなプロレス技は、王道の4の字固めとジャーマンスープレックスの三千です。
4の字固め、やってみたことがありますが、身体が硬い人には向いていませんね。全身に電気が走るという不思議。

翻訳といえば、私にとって洋画で有名な戸田奈津子さん。次々に消えていく字幕で、すっと読ませるテクニックをテレビでお話ししていて、神か、と思いました。直訳ではないんですねえ。ピストンさんのエッセイを読んで、強くそう思いました。

ただ、外国の映画俳優やセレブが来日した時も、通訳として活躍されておりましたが、羨ましくて羨ましくて。特にトムクルーズの時には、傍にいつも寄り添っていらっしゃったので、その様子をギリギリと歯ぎしりしながら見ていましたよ。では、おやすみなさい。