だましだまし補足 アニマルパニック
2020年 02月06日 (木) 04:53
どうも、そろそろお馴染みになってきたか?
だましだまし補足です。

今回の本文は、動物パニック映画について。ただ「ジョーズ」が製作された背景には、そもそも70年代パニック映画ブームというものがあります。ブームのきっかけは70年「大空港」のヒットでしょうが、ブームの中心になったのはこの男です。
それでは今回は補足というより、もう1本だましだまし余話です。


だましだまし余話
「世界崩壊の序曲」の序曲


やはり、テレビ東京はやってくれます。
年末、平日の午後にテレビをつけるとやってました。
「タワーリング・インフェルノ」
超高層ビルでの火災、内部に取り残された人々のドラマと消防隊の決死の消火活動を描き、70年代パニック映画ブームの頂点とされる1974年の大ヒット作です。
ポール・ニューマンとスティーヴ・マックイーンという二人のスーパースターが共演したこの作品は、日本でも大ヒットしました。

この作品のプロデューサーはアーウィン・アレンという人です。
テレビの世界で大成功をおさめた彼は、映画の世界に進出。1972年に製作したのが名作「ポセイドン・アドベンチャー」でした。
転覆した豪華客船からの脱出を描いたこの作品は大ヒット、これにより本格的にパニック映画のブームが到来します。
そして74年の「タワーリング・インフェルノ」の記録的なヒット。パニック映画ブームの立役者として業界のトップにたった彼はキャリアの絶頂期をむかえます。
この時、彼は夢にも思っていなかったでしょう。
これが彼にとって最後の成功になるなんて。

「タワーリング・インフェルノ」の後、単発のテレビドラマを製作した彼が、満を持して取りかかった作品が本文でも名前をだした1978年の「スウォーム」でした。殺人蜂の大群の脅威を描く動物パニック大作です。
そしてここで彼はやってしまいました。製作だけでなく、監督を。
実は「タワーリング・インフェルノ」でも彼はアクション部分の監督としてクレジットされています。おそらく彼の中ではあの映画の監督は彼自身だったのでしょう。
そして「スウォーム」は内容的にも興行的にも失敗するのです。

翌79年には「ポセイドン・アドベンチャー2」をやはり製作・監督。ダメなパート2ものの代名詞となるほどの作品。
そして遂に1980年、彼のキャリアに止めをさす伝説的な作品「世界崩壊の序曲」の登場です。

さすがに彼も懲りたのか、この作品では監督を「ジェットローラーコースター」を小ヒットさせたジェームズ・ゴールドストーンに任せ、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン等「タワーリング・インフェルノ」「ポセイドン・アドベンチャー」出演組も再登板。南の島で火山が噴火、リゾートホテルに取り残された人々の脱出行というポセイドンとタワーリングを足して2で割ったようなストーリーで勝負をかけましたが、2000万ドルの製作費に対して興行収入170万ドルという歴史的惨敗。実際内容的にも駄作中の駄作、アレンはこの作品を最後に映画界から撤退していくのです。

思えば74年「タワーリング・インフェルノ」と78年「スウォーム」の間には、75年「ジョーズ」77年「スターウォーズ」が存在します。オールスターキャストに拘ったアレン作品に対して、それらでは、当時無名の俳優たちが生き生きと躍動していたのです。アレンには時代が次のページに移ったことが、見えていたでしょうか。

「タワーリング・インフェルノ」の監督はジョン・ギラーミンという人です。他の代表作は「キングコング」「ナイル殺人事件」
うん、特に凄い才能は感じません。ただうるさいプロデューサーと大物スターを相手に場を調整するのが上手な人という印象を受けます。「タワーリング・インフェルノ」が危ういバランスの上でかろうじて作品としてまとまっていたのは彼の調整力が大きかったのかもしれません。

ポール・ニューマンとスティーヴ・マックイーン。二人が並べばそれだけでワクワクします。ただその一方で世界崩壊の序曲の序曲は「タワーリング・インフェルノ」の時点でたしかに鳴っていたのです。

おわり。


やっぱり1000文字縛りがないと、だらだら長くなっちゃうなあ。
まあ、途中保存のできない活動報告で一気に書くとこんな感じか。
では、また来週ー。
コメント全4件
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ピストン
2020年02月09日 00:05
Kobitoさん、ようこそー。

そうですよね。確かに74年ではあれだけの超高層ビルって珍しいだろうし先見性ありますね。うん確かに。

それだけ成功した2作品が凄いっていう。その前のテレビ時代も素晴らしいキャリアですし。

Gショック、そんな事いってると、被害者役で特別出演してもらいますよー。
でも、本当にKobitoさんが企画して低予算映画が製作されたら、優しくて愛らしい小品が生まれそうで観てみたいですけれど。

では、またー。
Kobito
2020年02月08日 23:37
タワーリング・インフェルノは、超高層ビルで災害が起きた際の恐ろしさを指摘したという点で、先見の明もありましたね。

それにしても、失敗作を立て続けに出しても、まだ大作製作のチャンスが与えられるって、うらやましい。
私にも低予算で良いので一本作らせてもらいたいです。
Gのパニック映画、その名も「Gショック。」
カメラマンはピストンさんにお願いして。^^
ピストン
2020年02月06日 20:25
ねぎさん、ようこそー。

いやいや、そんな大層なものでは。
年末に久々「タワーリング・インフェルノ」を観たんで書きたくなった話です。
失敗の中に成功のヒントが隠れているように、成功の裏には失敗への落とし穴が隠れていたりするんですよね。

まあアレンはその後テレビの世界に戻って、大きな成功もありませんが、仕事はしていた様です。
気の毒なのが「世界崩壊の序曲」のジェームズ・ゴールドストーン監督。このあと全く名前を聞かない。大物プロデューサーを押さえられず、何もさせてもらえなかった姿が目に浮かぶ。やはりギラーミンの対人スキル、調整能力の高さが凄い。

感想は時間があったらでいいですよー。ねぎさんはきっちり更新してて凄いです。
では、コメントありがとうですー。
退会済
2020年02月06日 09:48
こんにちは♪
活動報告のこの一ページだけで、良質の70年代映画史を読ませていただいたような気持ちになりました。
全く知らない方でしたが、アーウィン・アレンさんの人生を思うとなんだか悲しいです。
一発屋でこそないですが、最初に続けて成功しすぎて身動きが取れなくなったケースなんですね。

また後で本編にも感想を書かせていただきます!
蜘蛛の映画はタイトルだけで悪寒がはしりました。