だましだまし補足 ランキングの話
2020年 01月30日 (木) 04:41
こんばんは。毎度お馴染み、だましだまし補足です。
今回の本文は、さっき書き終わったばかりの出来立てホヤホヤ。
ジャスト1000文字の1本です。
説明不足気味な1本ですので、真面目に補足を。

まず、ニューヨークタイムズのベストセラーリストについて。
アメリカでベストセラーランキングと言えば、このニューヨークタイムズのものか、USAトゥデイのものかって感じ。いやアメリカの人の事はわかりませんが、日本で紹介されるアメリカのランキングはたいていこの2つです。
主にフィクション、ノンフィクションに分かれて、またハードカバーとペーパーバックにも分かれています。他にもちょこちょこと分かれてますが。日本の感覚で言えばハードカバーが単行本、ペーパーバックが新書、文庫って感じかな。

で、ハードカバー・フィクション部門のリストです。
今週の1位はディーリア・オーエンズの「WHERE THE CRAWDADS SING」日本では3月に早川書房から「ザリガニの鳴くところ」のタイトルで翻訳出版されます。ザリガニは英語ではcrayfishとされるのが普通ですが、このcrawdadというのはこの作品の舞台となるノースカロライナを含むアパラチア西部地方での方言とのこと。メリアム・ウエブスター辞典の選ぶ昨年の流行語トップテンではこのcrawdadが3位に入っています。
18年に出版されると女優のリース・ウィザースプーンが絶賛したのも後押しとなってベストセラーリストに登場。19年1月には首位をとり、その後は上位に居続けている大ベストセラーですね。
ただ、アメリカの大ベストセラーが必ずしもヒットしないのが翻訳小説の世界。15年16年のランキングを席巻した大ベストセラー「ガール・オン・ザ・トレイン」を日本人の何人が知っているでしょうか。「ザリガニの鳴くところ」はあらすじを見るとロマンス要素の強いミステリでしょうか。日本では売れない予感。

そしてジェームズ・パターソンです。映画でモーガン・フリーマンが演じたアレックス・クロスを主人公にしたミステリシリーズを中心にロマンス、児童書まで幅広く活躍する人気作家です。近年ではビル・クリントン元大統領との共著「大統領失踪」も大きな話題になりました。
彼の人気を示すランキングをもう一つ。フォーブスが2012年に出した世界小説家長者番付。1位はパターソンで9400万ドル。2位スティーヴン・キングが3900万ドルですから、いかにパターソンが頭抜けているかわかります。
ただ、現在日本で絶版になっていない、普通の本屋で買える大人向けの作品は前述した「大統領失踪」のみ。完全に忘れ去られた作家なのです。

まあ、日本で言えば内田康夫さんや佐伯泰英さんのような存在なのでしょう。ライトユーザーというか一般には絶対的な人気がある。ただ、評論家やうるさ型の読者にはあまり読まれない。年末の各種ランキングにも入ってこない。そう考えると日本でパターソンが読まれないのは当然です。日本で翻訳小説なんて読むのはそもそもマニアな少数派の変人たちなんですから。

ニューヨークタイムズベストセラーリストの常連作家たち、多分スティーヴン・キングやマイクル・コナリー等が日本でいうところの東野圭吾さんのようなライト層にもマニア層にも読まれる作家。パターソンやジョン・サンドフォード等が内田康夫さんや西村京太郎さんのようなライト層に支持される存在。その中間にいるのがジョン・グリシャムやリー・チャイルド等。そんな感じでしょうか。うん、誰かついてきてるでしょうか、このマニアックな雑談。

もう一つ、アメリカでは大人気、日本ではあんまりなのがロマンス小説というジャンルです。ハーレクインロマンスをイメージすればわかりやすいでしょう。基本ペーパーバックで読まれることが多いですが、このハードカバーのランキングでも大御所たちが大人気です。
今週の6位にはダニエル・スティールの新作がいます。もう1人の大御所ノーラ・ロバーツも新作を出せば必ずランク上位に来ます。ペーパーバックから成り上がりハードカバーまで来たこの2人の大御所もまた、英語圏では誰でも知っている、日本ではあまり知られていない作家さんです。ダニエル・スティールにおいては総発行部数、現在生存している作家では1位という話もあるくらいの人気作家なのに。でも実際問題、海外ロマンス小説より日本の少女漫画の方が面白いし深いもんなあ。

で、まあ毎週ニューヨークタイムズのハードカバーフィクション部門を見てる私からすると、正直似たような顔ぶれによる代わり映えしないランキングですよ、やっぱり。
でも総合ランキングってそんなもんです。トーハンのベストセラーにしろ、オリコンのヒットチャートにしろ。分母が増えればランキングは尖った部分をなくした最大公約数的なものに落ち着いていく。
逆に本来マイナーな存在であるだろう小説投稿サイトなんてもんで(だって文芸部が部活の花形なんて学校あります?)、こんなランキングがつくれるのは、この数年間のなろうだけじゃないかな。これだけ多くのライトな、もっと言えばミーハーな読者が居るというのは他のサイトにない、なろうだけの特殊性、もっと言えば異常性だと思う。
いずれ祭りが終わり、ミーハーな読者が消えてしまえば、ある意味でクオリティの高いランキングになりますよ。私にはそんな日はあまり来て欲しくないけれど。

おお、過去最大レベルの長文、そしてマニアックさ。ホント誰かこれを最後まで読む人はいるのだろうか。
では、また来週月曜日にー。
コメント全11件
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ピストン
2020年02月01日 20:53
あわ様、さすが!凄い!
面白いですねー。

もう、ダニエル・スティールのは表紙を並べて見るだけで、お腹一杯な感じ。多分中身も想像通りだろうし。
これを何冊も何冊も読めるのは欧米人だからよねえ。
あわ
2020年02月01日 20:38
気になって調べちゃいました。
ダニエル婆ちゃんのはhttp://daniellesteel.com/library/ で見ると、同タイトルで二種類表紙があって、下の国旗が発売国を表してるようなので……アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、と英語圏のみっぽいですねぇ。
試しにアラビック、スパニッシュ、デニッシュ、スウェディッシュ、ジャーマンで翻訳本の有無を検索したら、スパニッシュバージョンの本だけ出てきました。
まぁ、ドイツ人とか北欧人って英語の読み書き上手い人多いって言いますから、わざわざ翻訳する必要ないのかも……。

パターソンのはいろんな言語になってそうです。こんなページ見つけました。
https://www.jamespatterson.com/landing-page/james-patterson-books-international-editions/

作家さんそれぞれ戦略が違うようですねー。面白い。

お邪魔しましたー。
ピストン
2020年02月01日 00:32
あわ様!ようこそです!
つこさん。のところでは、お見かけしておりましたが、おかえりなさい!

ダニエル婆ちゃん、ホント化け物ですよ。バリバリの現役です。今回の新作は先週3位で初登場。
去年は私がざっと見ただけで7作がランキングに入ってます。一冊は一昨年発表作なんで、6作新作発表ってことですね。
フォーブスの作家長者番付でも常にトップテン内にいますよ。

ダニエル・スティールが日本で翻訳出版されたのは、2001年に例のアカデミー出版から超訳で出たのが最後ですから、約20年翻訳が出ていない。あわ様みたいに過去の人と思うのが普通ですよね。
パターソンやサンドフォードもミステリ界でそんな感じで、翻訳止まっている作家です。
アメリカでベストセラーなんで、日本でも出したくなる。でも高い翻訳権料に比べて売れないから撤退、のパターンですね。パターソンなんて早川、創元、角川、新潮、文春、講談社、ヴィレッジブックスとチャレンジしては撤退してます。今日本で売ってるのはクリントンとの共著とポプラ社からの児童書だけです。
これ、スペイン語圏やドイツ語圏、他のアジアなんかではどうなのか凄く気になるんですが、残念ながらそれに言及したものは見つけられずにいます。

おっとあわ様がダニエル・スティールに反応して下さったので、つい余計な話を。
こんな感じの連載&活動報告ですが、またよかったら見てやって下さいませー。では、またー。
あわ
2020年01月31日 07:54
相変わらず、ピストンさんの考察はおもしろいですねー。and 驚きの事実に触れましたわ!

ダニエルスティールって、いまだベストテンに新作が入ってるんすか! 寿命長いですね。Wikiったら、子ども9人、結婚5回。それでこの執筆数と人気。恐ろしいばぁちゃんだ。
ピストン
2020年01月30日 23:00
三千さん。こちらにもようこそー。
知らない名前のオンパレード、頑張って読んでくれてありがとうー。

いやいや、別に深くないですよー。
三千さんは知らないだろうけど、エッセイカテゴリで凄いポイントとった作品があってね、1月のなろうエッセイカテゴリはランキングの話題で色んな作品がかかれたのよ。その流行にのっかった1本でした。
「ザリガニの鳴くところ」あらすじからすると、けっこう三千さん向けかも。

その映画は知らんかった!凄い顔合わせ。
演技派な人はともかく、アクションスターが歳とると、けっこう寂しく感じるよねー。
では、またー。
ピストン
2020年01月30日 22:35
砂礫さん、こんなの読んでもらえて感謝ですのー。
いや、感心する要素、一切なしですよ!

どの情報も他の人がネット上にあげてくれたものを並べただけですから。人のフンドシで相撲って奴です。
むしろちょっと申し訳ない。
ピストン
2020年01月30日 22:24
つこさん。どうもー。

いや、無理!これは昨日の夜にテンション上げて一気に書いたので、しらふだけどせんべろみたいなもんなのよ。正直ちょっと恥ずかしい。
あと今は時間も体力もないし。

ニューヨークタイムズのは私がいつも見に行く翻訳ミステリのサイトで連載されているのよ。だから私が小粋なわけでは無いの。私は小粋から一番遠い人間よー。
ピストン
2020年01月30日 20:18
あー。皆様にコメント返信する前に、ちょっと独り言を。独り言ですよ。けっして誘導する訳じゃないですよ。特に三千さん。あなたは気にしないでね。心の綺麗なままでいて。ドロシア様をご存知な方などはちょっと楽しんでもらえるかしら。
でも繰り返し言いますけど独り言ですの。

エン転職ってご存知?バカリズムさんと下の名前忘れたけど女優の松岡さんがCMやってる転職サイトですの。そこに私の知り合いのヒナ様が2018年に求人だしてらっしゃいますの。
でね、そのエン転職さんがやってるサイトに「カイシャの評判」って口コミサイトがありますの。カイシャの評判でググれば一発ですの。
でトップページからヒナ様の名前で検索すれば2018年に寄せられた口コミが御覧になれますのよ。ヒナ様の事が気になる殿方には、そこそこ楽しめる情報だと思いますの。

はー、以前から話したくて、でも場所がなかった独り言、スッキリいたしましたわ。
では今から感想返信、コメント返しに行きますわね。
三千
2020年01月30日 09:38
すごい、と、なるほど、で乗り切りました。
ピストンさんって本当に深くまで掘り下げますね。探究心がすごい。研究者とか向いてそう。。。
最近、久しぶりに映画を見ようと思い「ザ・フォーリナー復讐者」ってのを借りたんですけど、ジャッキーチェンとピアースブロスナンが想像より歳を取っていて、うおと思いました。これはプロジェクトAのあの頃より、自分もかなり歳とってるなと、改めて思った次第です。
砂礫零
2020年01月30日 08:09
.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.読みましたー!
エッセイの方も!

ひたすら 「へぇー」 と感心するだけでコメントできぬのがアレですが……(^^;
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