かわいいものを食べてかわいくなれないのはおかしい(ショートショート)
おえええええええええええええええええええ
おえええええええ
お おげえ
この赤いのは、サラダのミニトマトの皮。この緑色の斑点は、ポテチの青のり。黄色いドロドロは、プッチンプリン。これは多分コンビニで買ってきたドーナツかな。全体的に茶色いのは、多分チョコレートのせい。
夜食を食べ過ぎた。けどこれでチャラになった。
デブに人権が無いのはかつてデブだったから知っている。細ければ細いほど良いのはアイドルが作った常識だ。だから迎合していこう。私も細い女の子が好きだ。
体力がいるけれど、食べても食べても太らないならば、このシステムは最高だ。全部出してるわけじゃない。余分なものを出している。
細すぎだと心配されることが、私の自己肯定感を最も高める。
病気だったら何なのだ。現代(いま)はこれがかわいいのだ。倒れたら何なのだ。心配されて、最高にかわいいじゃないか。
あぁ、セックスは一生できないだろうな。と、ふと思った。したことあるかどうかなんて見た目じゃ分からないから、したことないまま死んでも別にいい。でも、好きだと言ってくれる人がいないならかわいくなる必要なんてあるのかな?1人にかわいいって言われるだけで、もうなんでもよくなっちゃうんだろうなあ。
いや、私がかわいくなりたいのは、会う人会う人にかわいいと思われて、かわいい子として私の地位を高めたいのであって。
そういえば、私は自分のことをドブスかかわいいかのどちらかだと思っていたけれど、実はどちらでもなく、ちょうど中の下くらいだということを、実はけっこう前から分かっている、のを、今思い出した。
が、それとは関係なく眠れないので、私はまたお菓子棚を開けて、探した。お菓子を。お菓子を。
許しを。許しを。
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