どうやら2023年は、Googleが自分たちの思うとおりにユーザーにYouTubeを使わせようと決めた年だったようです。

その第一弾として同社は、広告ブロッカーを使いながらYouTubeを訪れる視聴者への攻撃を開始しました。

最初に、広告ブロッカーの使用を中止するように警告するポップアップが表示されますが、それを閉じれば先へ進めます。ところが、すぐにポップアップが閉じなくなります。少なくとも、広告ブロッカーの無効化が検知されるまで、消えることはありません。

いまのところ、すべての広告ブロッカーユーザーがこの攻撃の対象になっているわけではありませんが、だからといって、Googleが手をこまねいているわけでもありません。

どうも同社は、今度はFirefoxやEdgeといったChrome以外のブラウザで、YouTubeのスピードを落としているようなのです。

YouTubeでスローダウンが起こる仕組み

この「人為的なスローダウン」に最初に気づいたのは、Firefoxを提供するMozillaです。Mozillaは、(Googleが提供する)ChromeではYouTube動画がすぐに読み込まれるのに、Firefoxでは、YouTube動画を1本読み込むのに丸5秒かかると報告しています。

その実際の様子は、こちらのReddit投稿で確認できます。あるFirefoxユーザーが、「Linus Tech Tips」チャンネルのある動画をクリックすると、何もない画面が5秒間表示されてから、ようやくその動画ページが表示され始めます。

こちらのプレビュー動画を見ても、これがよくあるネットワーク接続の遅延による問題でないことは明らかです。こうした状況からわかるのは、すぐにYouTubeの読み込みをはじめないようにしている何ものかが存在している、ということです。ようやく読み込みがはじまると、もたつきは起こらなくなります。

Edgeでも同じ現象が起きている、というレポートもあります。ただし私の場合、どちらのブラウザでも、広告ブロッカー「uBlock Origin」を使っていますが、いまのところ、この問題は起きていないようです。

Googleは、一部ブラウザーのスローダウンについて否定していない

この状況についての説明をメディアから求められたGoogleは、このスローダウンを意図的に引き起こしていることは認めませんでしたが、否定もしませんでした。実際、Googleは、YouTube視聴に広告ブロッカーを使っているユーザーが、何らかの問題にぶつかる可能性があることについては認めています。

われわれは、全世界のクリエイターからなる多様なエコシステムを支え、数十億人に上るユーザーたちがお気に入りのYouTubeコンテンツにがアクセスできるようにすることを目指しています。

そのため、広告ブロッカーを使ってYouTubeを視聴する皆様に、広告表示の許可を、あるいは、YouTubeを広告なしでご利用いただけるYouTube Premiumへのご加入をお願いする取り組みをはじめました。

広告ブロッカーをインストールしている場合、利用するブラウザーの種類に関係なく、視聴体験が最適なものではなくなる恐れがあります。

上で引用したGoogleの声明では、すでに発表されている、アンチ広告ブロッカーへの取り組みが強調されています。

しかしGoogleは、今回のスローダウン問題についての質問に答えて、広告ブロッカーがユーザーに「最適ではない」視聴体験を提供するかもしれないと言っています。

この回答は、Googleが「最適ではない視聴体験の提供」を意図的に行なっていることを示唆しているのかもしれません。

この声明では、どのブラウザーで広告ブロッカーを利用しても問題が発生する恐れがある、とはっきりと述べられています。ところが、その影響を実際に受けているユーザーによれば、Chromeを使うとスローダウンは発生しないようなのです。

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FirefoxでYouTubeの遅延を防ぐ方法

では、どうすればFirefoxでこの問題を回避できるのでしょうか? 方法のひとつは、最初の段階でYouTubeに対して、あなたがChromeを使っていると思い込ませることです。「ユーザーエージェントの切り替え」という手順を踏むと、必要なときにFirefoxをChromeへと実質的に変えてしまうことができます。

そのための一般的な方法のひとつは、拡張機能の「User-Agent Switcher and Manager」を使う方法です。

インストールが完了したら、User-Agent Switcher and Managerを開きます。

そして、リストアップされているChromeのバージョンからひとつを選び、Refreshを押します。そうすれば、ユーザーエージェントが自動的にChromeに切り替わるので、YouTubeなどのサイトを、まるでChromeを使っているかのように閲覧できます。

プライバシーを高めるなら手動で行う

ただしこの拡張機能は、それを使って閲覧するサイトごとに、すべてのデータへのアクセスを求めてきます。なので、プライバシーの観点から見ると、決して理想的ではありません。

もっと安全にユーザーエージェントを切り替えるには、これを手動で行います

  1. 最初に新しいタブを開き、URLバーにabout:configを入力して、Enterを押す。
  2. 警告のポップアップが表示されるので、それを承認する。
  3. general.useragent.overrideを入力し、Stringを押して、さらに(+)を押す。
  4. 次に、パソコンでChromeを開き、「my user agent」を検索して、その結果をテキストフィールドにコピペする。
  5. Enterをもう一度押すと、ワールドワイドウェブの目には、FirefoxがChromeのように映る。

ちなみに、ここで作成したユーザーエージェント設定を削除すれば、いつでもFirefoxに戻ることができます。このことは、ぜひ覚えておいてください。カスタム・ユーザーエージェントの使用中は、Firefoxの諸機能(アドオンサイトなど)は使えなくなりますので。

uBlock Originでも、問題は回避できる

ユーザーエージェントの切り替えなんて面倒なことはしたくない、という人は、uBlock Originのこちらの回避策を試してみましょう。インストールしたuBlock Originを開いたら、ダッシュボードを開いて、マイフィルターへと進みます。下の文字列を、フィールドにペーストします。

||googlevideo.com/videoplayback$xhr,3p,method=get,domain=www.youtube.com

次に、変更を適用を押し、新しいウィンドウでYouTubeを開いて、遅延がまだ発生しているかを確認します。

もちろん、広告ブロッカーをオフにしてYouTubeを視聴するようにすれば、あるいは、YouTube Premiumに加入すれば、問題は一発で解決します。ですが、この記事をあなたが読んでいるということは、きっとそのどちらの道も選びたくないということですよね?

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Source: Firefox, Android Authority, Reddit, 404 media

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