ニコライ2世処刑、レーニン命令の証拠なし ロ当局
【モスクワ=共同】帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世とその家族がロシア革命翌年の1918年に革命政権の手で処刑された事件を調べていたロシア連邦捜査委員会の当局者は17日、革命の指導者だったレーニンが処刑を直接命令した証拠はないとの捜査結果を明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
同当局者は、ウラル地方エカテリンブルクで見つかった皇帝一家のものとされる遺骨が本物であることは「百パーセント間違いない」と結論付け、今月14日に事件の捜査を打ち切ったと述べた。
ニコライ2世と家族は革命の発生後にエカテリンブルクに送られ、反革命軍による奪還を恐れた革命政権により18年7月、幽閉されていた民家の地下室で銃殺された。レーニンが一家の処刑を強く主張したとされていた。
皇帝とアレクサンドラ皇后、オリガ、タチアナ、アナスタシアの3皇女の遺骨はソ連崩壊直前の91年に、アレクセイ皇太子ら残りの2人の子の遺骨は2007年に発見され、DNA鑑定などで本物と認められていた。
しかし皇帝の親類が「結論を急ぐべきではない」と主張、いったん終結していた捜査が昨年11月に再開されていた。