「窓にクレヨンでお絵描きをしたらだめ!」と、子どものころに怒られた人は多いはず。しかし、“窓ガラスに描くのが楽しいクレヨン”があるのをご存じでしょうか? その名は「キットパス」。窓ガラスに発色よく描けるというこの筆記具をいろんな用途で使ってみました!
こちらが「キットパス」
「キットパス」とは、正確には「クレヨン」ではなく、日本理化学工業というチョーク製造の会社が作っている、さまざまな素材に自由に発色よく描ける絵具です。
12色入り。混ぜて使うことで色のバリエーションも増やせます
「キットパス」は、お米から取れる「ライスワックス」という成分を使用しているため、窓ガラスなどのツルツルとしたところにも発色よく描けて、水溶性なので水拭きで消せます。2023年のテレビのチャリティー番組「24時間テレビ『愛は地球を救う』」内のドラマにも登場し、話題になりました。
お米のぬか層から抽出された「ライスワックス」を使用
そんな「キットパス」ですが、さまざまな使い方ができます。子どもを持つ人なら、単純に子どもがお絵描きを楽しむためのクレヨンとして使うのももちろんですが、水溶性ゆえに消せることで、描ける場所が広がります。
まずは紙。チョークではありますが、紙には通常のクレヨン感覚で文字や絵が描けます。
紙に使うと感触はほぼクレヨン
続いては窓ガラスです。ツルツルとした面に発色よく描ける「キットパス」は、窓ガラスに存分にお絵描きできるのが醍醐味です!
発色のよさに驚く!
普段は「窓ガラスにクレヨンで描いちゃだめ!」と言うと思いますが、広い場所に思いっきりお絵描きできるのは楽しいのではないでしょうか?
ただし、窓ガラス以外の壁や床などに描いてしまうと落ちないことがあるので、「ここからここまでなら描いていいよ!」としっかり伝えましょう。
子どもも広い窓ガラスに描けて楽しい!
ベランダがあるお宅なら、ベランダ側から描いた後に、このようにシャワーで一気に水をかけて消すのも楽しめます。これもまた楽しいイベントになるんですよね。
水を勢いよくかければ消える。これも楽しいイベント
お絵描きをする子どもでなくても、「キットパス」には大人ならではの楽しみ方があります。
窓ガラスにこのように装飾をすることで、お部屋が華やかに! 家族や友人の誕生日をもてなすとか、メッセージで愛を伝えるとか……もしかしたら、プロポーズにも使えるかもしれませんよ!
窓ガラスでお祝いすれば、喜んでもらえそう……!
絵のほかにも、窓ガラスに模様を描けば、ステンドグラス風に楽しめます。クレヨンのような質感なので半透明に透けるわけではありませんが、光が当たると、下の写真のようにきれい!
「キットパス」で塗った上から窓ガラスに貼るシートを重ねたら、カラフルな模様がキラキラと床などに反射しました!
ツルツルした面ということで……冷蔵庫の扉にも書いて消せます。たとえば、買い物メモとか。
絶対忘れたくないことだけ書くという手も
なかなか勇気がいる行為にも思えるでしょうが、描いてから数日以内であればキレイに消えます! 少し大胆な使い方かもしれませんが、「絶対に忘れてはいけないこと」を書いておけば、インパクトは結構あるはず。
ちゃんと消えました(冷蔵庫の材質にもよると思うので事前に目立たない場所で確認ください)
窓ガラスに描けるということは、透明なグラスにも発色よく描けます。たとえば、こういう透明で無機質なグラスに描いてみましょう。
無色透明のガラスのコップ
「キットパス」の先端は太いため、細かいイラストを描くのはなかなか難しいのですが、このように彩ることで……。
ペン先が太いので細かい装飾は結構難しい
オシャレなグラスに変身させることができました! 「キットパス」の主原料は口紅などにも使われているパラフィンなので、万が一、口に入ったとしても酷い悪影響はないとは思いますが、「キットパス」で装飾した容器は食事には不適切かもしれません。小物入れや花瓶など、食事用以外の容器で使うのをおすすめします。
器用な人ならもっと素敵なデザインを描けるはず
鏡にも、しっかりと文字や絵を描くことができます。帰宅した家族へのメッセージなどはいかがでしょうか。
鏡なので、文字は二重にブレて見えてしまうのが少し気になりますが……
鏡面に描いても、水拭きでキレイに消せました!
これも行けるかな……? と挑戦したのは透明のビニール傘。好きなデザインやイラスト、模様などを描くことで、華やかでかわいらしいオリジナルビニール傘が完成しました!
全部同じ模様でもいいし、変えてもかわいい!
傘の内側から描けば、雨の日に「水溶性だから全部描いたものが流れて消えてしまった!」ということもないはず。
……とは言え、傘はそもそも濡れるものですから、内側だって濡れる恐れがあるわけで、本来は使用事例としては適さない気もします。
あくまでアートとして楽しむ感じですね。
内側に描くのが長持ちポイント
ここまでさまざまな使い方をしてみて、気づいたことがあります。
今回は、窓ガラスや冷蔵庫などに描いたものを消す際、マイクロファイバークロスを水道水で濡らして拭き取りました。クロス自体に拭き取った「キットパス」がこんなにも付着し、「だいぶ派手に汚れちゃったな」と思っていたのですが……。
結構華やかに汚れる
さすが水溶性! その汚れたクロスも揉むように水洗いすることで、こんなにもキレイになりました。さすがに100%とはいかず、多少(0.1%くらい?)残るものの、一般的なクレヨンなどを拭き取った場合と比べると、かなり便利です。
99.9%落ちた!
お米から取れるワックスを使用し、やわらかい描き心地がウリの「キットパス」ですが、やわらかいためか一般的なクレヨンよりも減りが早いような気がしました。
描いているうちにどんどん削れて面が広くなっていくので、細かいところが描きにくいのもそのためです。さらに、力を入れて持つと折れやすいので、描くときの力加減にも注意が必要です。
広い面積に塗ろうとすると、結構早く短くなります
また、描く場所によって描きやすさが異なりました。窓ガラスよりもビニール傘や冷蔵庫のほうが描きやすかったのですが……このあたりはクレヨンとは逆かもしれませんね。
「窓ガラスに『キットパス』で絵を描いたら早めに水拭きしないと落ちなくなる」という口コミを聞いていたのですが、試しに3日ほど放置してみると、確かに描いた直後よりはかなり落ちにくくなっていました。溶けている感じはあるものの、拭き跡が多く残ってしまいました。
塗料が引き伸ばされてできた筋が残る度合いが、日が経つごとに増していきます
数か月単位で放置すると、さらに落ちにくくなりそうでした。跡が残ってしまっては困る場所の場合、できるだけ早めに落とすことをおすすめします。ちなみに、3日間放置して落ちにくくなった場合でもアルコールスプレーを吹きかけてから擦るとかなり落ちやすくなりました。
さまざまな用途で楽しめる「キットパス」は、特に子どもを持つ家庭におすすめです。大人でも絵を描くのが好きな人であれば、家中のいろいろな場所にイラストや模様を描いて楽しめると思います。また、お風呂に「キットパス」で描きたい人には専用の「キットパスフォーバス」も販売されていますよ。
自由な発想を刺激してくれる「キットパス」、ぜひみなさんも遊んでみてくださいね。
※2023年11月29日、内容を一部修正しました
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA