地球とキヴォトス〜混ざり合う2つの世界〜 (世界の警察)
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序章 〜日本国とキヴォトス学園〜
始まりの日
今回は「地球とキヴォトスがワームホールで通じるようになったら?」という話です。
なので、地球国家同士の戦争やキヴォトスの学園と地球国家の戦争とかもあります。
キヴォトス人はほぼ死にませんし、名前のあるキャラは死にませんが、戦争という性質上少なからず死亡者は出るので残酷な描写タグを入れさせて頂きました。
この世界のシャーレの先生は女性です。
また、キヴォトスとの接触を円滑にする為に少し世界情勢を弄ったので、下記を参考にしながらご覧下さい。
(世界情勢とか知らない!という人は見なくても平気かも)
ーーーーーーーーーーーーー
・ロシアによるウクライナ侵攻は、開戦前の西側諸国による積極的内政干渉により発生せず、「2022年のロシア・ウクライナ危機」という形で収まっている。ただし、緊張状態は継続中。
・欧米諸国は急激に成長するアジア国家を鑑みて、対アジア人の政策を促進している。
・日中韓は欧米の対アジア人政策に対抗する為に、相互で宥和政策を画作中。
ーーーーーーーーーーーーー
※筆者自身も政治関係には疎いので、明らかにおかしだろ!という点があっても見逃してくれると嬉しいです…
2023年7月21日。
日本国の首都である東京に、謎のワームホールのような物が出現した。
ワームホールは東京ドーム内に突如として出現し、世界中を騒然とさせた。
発見した日本人は無断でドーム内に侵入し、ワームホールに触れない程度まで近づいて写真を撮る。撮った写真をSNSへ投稿し、瞬く間にワームホールの情報は世界中へ発信された。
日本政府が対応をする前に、沢山の人間が東京ドームに集まった。
無論、警察は動いたがあまり効果は出ず、むしろワームホールを見ようと近寄る警察官も居た。
だが、ここで誰一人としてワームホールに近づき過ぎなかったのは流石日本人と言うべきところだった。
出現から6時間後、日本政府は措置を発表。
急遽、練馬駐屯地の第1普通科連隊を出動させ、東京ドーム周辺を封鎖し警備に当たらせた。
周辺を普通科中隊や施設隊が封鎖し、ドーム内に高機動車を装備した普通科中隊が配備されワームホールを監視した。
3日後にはワームホール内への調査を開始すると政府が発表。
無人機をワームホール内に侵入させ、映像を自衛隊が監視。
無人機での調査が不可能と判断された場合は、第1特殊武器防護隊の第1偵察小隊をNBC偵察車の随伴の元で調査させると発表した。
いきなりの調査行為に日本各地のみならず世界各地から批判の声が多く上がったが、日本政府は調査を強行した。
◆
7月25日午前10時32分。
調査隊が計3機の
調査開始から僅か10分後に調査隊本部に送られた内容は、"通信途絶"だった。
「どうやら、このワームホールは通信を切断させる効果があるらしい」
そう調査隊隊長は言った。
そこで調査隊は、NBC偵察車を装備した第1偵察小隊に記録カメラを持たせ、外の様子を撮影させた後に帰還させるというプランを建てた。
そのプランは第1普通科連隊本部及び政府に送信され、即日に許可された。
こうして、人類は初めて"異世界"へ足を踏み入れる。
=================
「小隊、前へ」
小隊長の合図でNBC偵察車2輌がエンジンを唸らせ前進する。
前方のワームホールに突入した偵察車はもう見えない。
突入してしまったら、もう自分達は戻れないのではないかという不安を、自衛官達は「任務」という正当性で振り払い89式小銃を握り締めながら足を進める。
自衛官達は、ワームホールに突入した瞬間、視界が真っ白に包まれたような感覚に陥った。
どういう訳か、自分達含めNBC偵察車は白い視界の中でくっきりと見える。
周囲の地面や天井だけが、白に包まれている。
──一度引き返した方がいいのでは?
小隊長がそう言い掛けた時、視界が徐々に回復する。
見えてきたのは……あり得ない高さの摩天楼に、銃武装した人間達??
てっきり雄大な大自然か、何かが広がると思っていた自衛官達は困惑する。
何故ワームホールの先も都市なのだ。
だが、何かがおかしい。
ワームホールを囲うように配置されている武装した人間達。
彼ら…いや、
しかも、全員が幼く、高校生くらいに見える。
何故明らかな未成年の女性が銃で武装しているのか。
理解ができなかった。
偵察小隊は混乱に陥ったが、武装された集団に包囲されている以上、迂闊に刺激はできない。
自衛官達はどうするかを考える。
しかし、混乱に陥っていたのは自衛官達だけではなかった。
◆
学園都市、キヴォトス。
そのキヴォトスの警察組織的な役割を担う学園であるヴァルキューレ警察学校は、日々様々な任務を行なっている。
キヴォトスでは銃撃戦など日常茶飯事であり、意味不明な事が起きることさえ結構あった。
そんな破天荒な環境に居た彼女達でさえ、困惑する現象が立て続けに起きていた。
まず、数日前に突如として連邦生徒会の中枢であるサンクトゥムタワー前の広場にワームホールの様な何かが出現。
この時の連邦生徒会及び"シャーレ"、ヴァルキューレ警察学校の動きは早く、ワームホール周辺を速やかに封鎖した。
その上で、ワームホール周辺を警察隊1個大隊で囲い監視を続けた。
キヴォトスは日本ほど世論に考慮する必要がない為、調査自体は何回も行われた。
全て無人機だったが。
ヴァルキューレ警察学校はミレニアムサイエンススクールへ協力を要請。
ワームホール内調査を行う為の無人機の貸し出しを頼み込んだ。
自分達もワームホールの秘密を知りたいという理系欲(?)が湧いてきていた為にミレニアムはこれを快諾し、数輌の無人機を送り込んだ。
結果は、全て通信途絶。
つまり日本と全く同じだった。
この結果を見たミレニアムの技術者達はプライドを傷付けられたと感じたと共に、何故かワームホールに対してブチギレて新型の高性能の無人機の開発を急ピッチで進めた。
──取り敢えず調査は見送るか。
そうワルキューレが判断しようとしていた時だった。
ワームホールが、強烈な白い光を放った。
その場にいたヴァルキューレの生徒は皆、目を手で塞ぎ呻いた。
強烈な光を直視してしまった生徒達は暫く視覚を失ったが、すぐに回復した。
そして、回復した視界で彼女達が見たのは
ガスマスクを装着し、銃で武装した兵士と2輌の装甲車だった。
◆
回復した視界で見つめ合う2つの勢力。
奇妙な沈黙が流れた。
その沈黙を先に破ったのは、ヴァルキューレ側だった。
「だ、誰だお前らは!?」
1人のヴァルキューレ生徒が自衛官へ銃口を向けた。
自衛官達が銃口を向けられた時の対応は、一つだった。
「ッ…!?」
彼らも、ヴァルキューレ生徒へ89式小銃を向けた。
同時にNBC偵察車の12.7ミリ機関銃も彼女達へ向けられる。
呼応するように、数十人のヴァルキューレ生徒が自衛官へ銃口を向ける。
緊迫した状況ながら、焦りに焦りまくっている自衛官達と違いヴァルキューレ側は呑気だった。
何故なら、撃たれても死ぬことがないから。
だからこそ、冷静な推察をする事ができた。
(あの人達は誰なんだ…?ヘイローも付いていない…まさか、"先生"と同じ外部の大人?)
一人の…いや、その場に居たヴァルキューレ生徒の殆どはそう推察した。
まず、彼らにはキヴォトス人特有のヘイローが無かった。
しかも、自分達と比べて全身を覆ったNBC装備越しでも分かるほど全体的に身体ががっしりとしていて、大きかった。
この情報から考えられるのは、彼らはシャーレの"先生"と同じ外部の大人であるということ。
その結論に辿り着くと共に、ヴァルキューレ側も初めて焦り始める。
シャーレの先生…つまり、ヘイローの無い外部の人間はキヴォトス人のように体が頑丈ではなく、脆い。キヴォトス人ならなんて事ない銃弾1発でも、致命傷となり得る。
そんな人間と、キヴォトス人である自分達が銃口を向け合っているのだ。
銃撃戦になれば、彼らは
大量の死者が出る前に、とヴァルキューレは行動を開始する。
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反応
世論とかは全く考慮してないんですけど、許して下さい(懇願)
あと、本当に誤字脱字報告感謝です。
とても助かります!
ヘイロー持ちでない人間と銃口を向け合っているこの状態を打破する為に、ヴァルキューレ側は緊張状態を解き正体を探る事にした。
ワームホールを監視する大隊の大隊長らしきヴァルキューレ生徒が、銃を下ろしつつ一歩ずつ踏み出し自衛官へ近づき、声を掛けた。
「先程はいきなり銃口を向けてしまい、申し訳ない。あなた達はこのワームホールから出てきたようだが、何者だ?」
自衛官達は、目の前の女性が
同時に、発せられた声は予想していたより幼く、やはり高校生くらいなのだと思った。
偵察小隊の小隊長がヴァルキューレの生徒の問いに答える。
「こちらも、動揺して向け返してしまった。謝罪する。…我々は、自衛隊という組織の者です」
そう簡単な説明をしつつ、万が一文明的な生命体と接触した時の為と用意していた用紙を取り出し、ヴァルキューレの生徒へ手渡す。
ーー実際は、文明的というより最早超文明なのだが。
自衛官達は空を見上げる。
自分達がワームホールから出た広場の前にある
文字通り天に届きそうな程の高さの建造物だった。
更に、空に浮かぶ光るリングのような何か。
しかも、街路の所々の標識や設備は、まるで自衛官達がネットのコンセプトアートでしか見た事もないような近未来的なデザインだった。
一部危なかった所があったものの、人類とキヴォトスの初接触は穏便に済んだのであった。
=================
2023年7月28日。
帰還した調査隊の情報は、直ぐに日本政府に通達された。
そして、官僚が見た調査報告書には、目を疑うようなものばかりだった。
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・ワームホールの先は、複数の学園(ほぼ国家)によって構成される巨大な都市、キヴォトス学園都市である。
・キヴォトスは凄まじい技術とテクノロジーで構成されている。
・キヴォトスには未成年が多く、未成年の男性がほぼ存在しない。
・キヴォトスを総括するのは「連邦生徒会」という組織である。
・キヴォトス人は驚くべき事に、銃撃されても死なない。
・生徒達は、皆が銃を当たり前のように携行している。
・その為か、毎日のように銃撃戦が発生するものの死者はほぼ出ない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
調査隊の先遣隊が口頭で伝えられた情報だけでもこれだ。
報告書に目を通した官僚達が思った事は、皆同じだった。
(関わってはいけないところに、関わってしまった気がする…)
◆
同日、キヴォトスにも接触した日本国含む地球の情報が伝えられた。
ヴァルキューレより伝えられた情報を見た連邦生徒会は、各学園の首脳陣を緊急招集し、対策会議を開いた。
ヴァルキューレより
トリニティのティーパーティ、ゲヘナの万魔殿など、出席していた学園首脳陣は全員が顔を青ざめ、信じられないと言った表情をしていた。
特に、「ジエイタイ」なる組織の者から手渡された資料の12ページ目、人類の歴史について。
最初の方のページは、驚愕や感嘆はあったものの、技術力やテクノロジーでは全体的にキヴォトスが優っており、そこまで危惧する必要はないと思われていた。
しかし、人類の歴史。
なんなのだ、これは。
この場で資料に目を通した全員がそう思った。
特に、比較的最近の戦争ほどえげつない。
"世界"大戦だと?死者が8,500万人?
皆が
「総力戦、だと……こんなの、どちらかが滅ぶまで終わらないじゃないか…」
普段はふざけた雰囲気を出しているゲヘナの万魔殿の議長こと羽沼マコトでさえ、ドン引きしていた。
他にも、三十年戦争や"欧米"なる者達の植民地政策、第一次世界大戦や冷戦。
全てが全て、信じられないものばかりだった。
それは、普段から"死"を身近に感じていないキヴォトス人ならではだった。
更に、恐ろしいものもある。
あの「ジエイタイ」なる者達の国家である日本。
そこのヒロシマとナガサキに投下されたと表記されている「核兵器」。
街一個を軽々と消し飛ばす程の威力を持つそれをマトモに喰らえば、キヴォトス人であれど耐えられないだろう。
しかも、アメリカやロシアという国はこれを何千発と保有しているらしい。
……彼等は地球を滅ぼしたいのか?
「……正気じゃない」
これが、彼女達が出した結論であった。
つまるところ、人の「死」をほぼ経験していない未成年の彼女らにとって、地球の歴史と戦争は衝撃が大き過ぎたのだ。
=================
接触から3日後、キヴォトスに関する情報をまとめた日本政府は、一部最重要機密情報を除いて、全てを国連を通じて発表した。
日本政府から伝えられた、ワームホールの先の常軌を逸した事実に、世界は震撼する。
震撼するの同時に、世界はキヴォトスへ多大なる興味を持った。
キヴォトス人のヘイロー、キヴォトスのテクノロジーなど、全てが各国にとって宝の山に思えた。
既に地球国家の情報を把握したキヴォトス側からすれば「こっちくんな」状態であるのだが、各国にとってはそんな事は知らねーよという感じだ。
まず最初に動いたのは、アメリカだった。
アメリカは"親密な同盟国"というのを理由にキヴォトスの共同調査案を提案した。
日本としてもキヴォトスへの調査は踏み切る予定であったので、共同調査案を受け入れる方針でいた。
そんな時に首を突っ込んできたのが、中露であった。
特に中露はアメリカが更に力を付ける事を恐れており、キヴォトスの"利益"をアメリカが掻っ攫っていく事は避けたかった。
更に、中国は近年日本との宥和政策を進めており、いずれは日本と手を組みつつアメリカと対抗するというプランがあった。
最近は日本も中国へ宥和的な姿勢を示しており、ここで日本がまた親米・反中的な政策をとる事を恐れた。
中国はアメリカとはまた別に、そしてアメリカの提案した案よりも更に日中へ利益の大きい案を提案した。(キヴォトス側に配慮しているとは言っていない)
一方ロシアは、日本単独もしくは中国との共同調査時に無条件でロシアに協力させるという要求を行なった。
軍事的な圧力と共に。
ロシア軍はロシア海軍の極東太平洋艦隊を稼働させ、日本の排他的経済水域に高頻度で侵入させたり、樺太の第39独立自動車化狙撃旅団の活動を活発化させたりと圧力を掛け日本に要求を呑ませようとした。
アメリカは反発したが、なんと中国も秘密裏に強く反発する。
中国が反発するという予想外の事態に、ロシア政府は焦った。
現在は西側に護られているが、いずれは攻撃するウクライナとの戦争に備えて味方につけた中国に反発しては元も子もない、としてロシア政府は調査の断念を決定した。
ロシアの軍事的圧力に日本政府は焦ったが、一点大人しく下がったロシアを見て日本は強気に出た。あれ?これ、ワンチャン強く断れば単独調査イケるんじゃね?と。
勘違いも甚だしいが、取り敢えず日本政府はそう思った。
ロシアの軍事的圧力中止から6日後、日本政府は米中両政府へ共同調査の拒否を通達した。
その代わり、一部の情報や技術を共有すると約束した。
中国はアメリカが利権を掻っ攫わなければいいので、「まぁ両方への拒否は妥当だよね」くらいに受け止めて、むしろ情報・技術共有にありがたみを感じていた。
顔を真っ赤にしたのは、アメリカだった。
今まで従順だった癖に、なんだ。
欲望に目が眩んで同盟を無碍にしやがって、ふざけるな!
大統領や政府高官は憤慨し、一部の過激派は武力を以てワームホールを確保すべしと主張し始めた。
大統領は「それは流石に不味い」と宥めつつ、どうするかを考えた。
なんとしてでも、キヴォトスの情報や技術を握りたい。
アメリカは絶対に調査をしたい、ロシアも調査をしたい、中国も日本の回答に納得しつつも機会は伺っていた。
こうして、キヴォトスを巡った熾烈な情報・策略戦が繰り広げられる事となる。
次回は日本の調査隊と言う名の外交官達がキヴォトスを訪れます。
なので、結構セリフとかがあると思います。
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人類、キヴォトスの地面を踏む
日本政府が単独調査を発表した日から5日後。
第二次調査隊と言う名の外交官含む交渉団が編成された。
調査隊が向かう事は既に連邦生徒会に通達済みであり、ヴァルキューレ警察学校の護衛の元で会談を行う予定となった。
また、連邦生徒会曰く「銃撃戦や事件に巻き込まれる可能性があるので、キヴォトス人ではない貴方達には護衛は必須」らしく、ヴァルキューレの護衛+で陸上自衛隊の第1普通科連隊第2普通科中隊が護衛として組み込まれた。
=================
高機動車や73式小型トラック、MINIMIを装備した軽装甲機動車が次々に発進し、ワームホールへと吸い込まれていく。
初接触を果たした自衛官が見たものと同じように、辺りが白い光に包まれる。
自衛隊の車輌だけがくっきりと見え、他は全てが白く光っていた。
常識離れした光景に外交官や自衛官は感嘆しつつ、進み続けた。
やがて白い光が薄れ始め、キヴォトスが見えてくる。
天を突き抜けるように聳え立つ
どれもが、その場にいた全員が初めて見るような光景だった。
やがて、頭に輪っか…ヘイローとやらを浮かべた女子生徒が車列に近づいてくる。
外交官と護衛の自衛官が車輌から降り、生徒と向かい合う。
(高校生くらいの女子生徒が銃を当たり前みたいに持ってるってのは、本当だったんだな…)
(美人多くね?)
自衛官達はヒソヒソとそう言い合う。
「こんにちは、私は日本国外務省の浅田 誠という者です。ここから会談場までの護衛、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!護衛はヴァルキューレ警察学校にお任せ下さい」
白髪のヴァルキューレ生徒が、自己紹介をした浅田と握手を交わす。
代表のヴァルキューレ生徒以外は、後ろから浅田や自衛官達を物珍しいそうに伺っている。
(あれが大人の男の人…めっちゃ大きいなぁ…)
(皆さん、男らしいですね…)
(ヘイローが付いてないのに銃を持ってるって、危ないんじゃない?)
彼女らも彼女らで、自衛官達についてヒソヒソと言い合っていた。
「これから連邦生徒会管轄のヴァルキューレ内の会談場へ向かいますので、我々の車列について来て下さい。ないとは思いますが、銃撃戦などが発生した場合は予定が乱れる可能性がありますが、ご了承ください…」
ヴァルキューレ警察学校の紋章が描かれた装甲車に乗り込みつつ、ヴァルキューレ生徒がそう言う。
「銃撃戦が起きる可能性がある」という事実に若干ビビりながらも、ヴァルキューレの装甲車に率いられた自衛隊の車列はキヴォトス市街を進んでいく。
◆
「キヴォトスって、凄いですね……」
「これで、国家ではなく"学園"なんですから驚きですよ…」
外務省職員を載せた高機動車の運転手と浅田がそう言葉を交わす。
車列が出発してから10分、車窓から見えるキヴォトスの景色に一行は驚かされつつ、順調に会場へ向かっていた。
ーーこのまま何もなければいいが。
浅田はそう思いつつ、遠くに見えるサンクトゥムタワーを見る。
だが、現実とは非常なものだった。
ドォン…と、大太鼓を思い切り叩いたような音が響く。
最前列のヴァルキューレの装甲車が突如として爆発し吹っ飛んだのである。
「何事だ!?」
「ゔ、ヴァルキューレの装甲車が…!」
高機動車の運転手が呻く。
続いて他のヴァルキューレの装甲車も、爆発したり、破裂音と共に黒煙を吹き出し始めた。
「クソッ!敵襲か!?」
浅田の載った高機動車を軽装甲機動車が守るように立ち塞がる。
ーー彼女達は大丈夫なのか
浅田や自衛官は皆そう思ったが、今はとにかく調査隊に死者を出さないようにするのが最優先だ。
非装甲車を優先的に後退させ、MINIMIを装備した軽装甲機動車が停車し炎上しているヴァルキューレ装甲車の様子を伺う。
その時、1発の銃弾が軽装甲機動車の防弾ガラスに命中し、嫌な音を立てた。
銃撃を受けた軽装甲機動車の自衛官がその方向を見るとーー
「ヒャッハッー!お前ら、今すぐ大人しく車輌から降りろ!さもないと殺すぞォ!?」
ヘルメットを被って、銃を乱射する集団が居た。
「な、なんだアイツら!?」
「畜生、こっちには非戦闘員が居るんだぞ!?」
分が悪いが、外務省職員を守るためだ。
そう言い聞かせ、自衛官がMINIMIの照準をその集団へ向ける。
その時、その集団の1人が銃撃に倒れる。
「ぐあっ!?」
「おい!?命令も無しに発砲するな!」
「じ、自分じゃないです!」
自衛官は誰も発砲していない。
じゃあ誰が?
その答えは、直ぐそこにあった。
「カタカタヘルメット団の連中め!今は絶対襲撃したらダメな時だろうがッ!?」
「やりやがったなヘルメット団!」
ヴァルキューレ警察学校の生徒達だった。
あれだけの爆発を喰らってなんで生きてんだよ。と自衛官達は思ったが、生きていることに安堵する。
目の前では既にカタカタヘルメット団とヴァルキューレが銃撃戦を始めていた。
ヘルメット団とヴァルキューレ、双方の生徒共に銃撃を喰らおうが倒れずに戦闘を続ける。
倒れて動かなくなる生徒もいるが、単純に気絶しているだけらしい。
だが、多勢に無勢。
押し寄せるヘルメット団の波状攻撃の前に、ヴァルキューレ側は劣勢に立たされつつあった。
「黙って見てはられん、ヴァルキューレの嬢ちゃん達を援護するぞ!」
それを見た中隊長の合図で、自衛隊の交戦許可が降りる。
ここに、キヴォトスと人類が初めて矛を交えた戦いが始まった。
次回はカタカタヘルメット団対自衛隊と、日キ会談です。
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日キ会談
「交戦権が認められた!各員、ヴァルキューレを援護せよ!」
ヴァルキューレを援護し、武装集団を攻撃する許可が出た以上自衛官達は動かざるを得ない。
軽装甲機動車の射手がカタカタヘルメット団の団員に照準を合わせ、トリガーを引くと同時に備え付けられたMINIMI軽機関銃が火を噴く。
「ぐぎゃ!?」
「な、なんだこのーーぐはッ!?」
「いでっ!?…畜生、全員物陰に隠れろ!」
毎分725発で発射される銃弾がヘルメット団員へ降り注ぎ、退避が遅れた団員を容赦なく薙ぎ払っていく。
同時に、他の自衛官も軽装甲機動車を盾にしながら89式小銃を発砲する。
既に銃弾や少しの爆発では致命傷にならない事は証明済みだ。
ならば躊躇する必要は、ない。
「ATGM手、
その無線と共に、高機動車の陰からカールグスタフを構えたATGM手が身を乗り出す。
装填手が榴弾の"HE 441B"を装填し、射手が後方を確認。
安全な事を確認した上で、トリガーを引く。
発射された榴弾は正確にヘルメット団が最も多く隠れた障害物に直撃し、爆炎が上がる。
「ぐわぁぁぁぁ!?」
MINIMIの制圧射撃に89式小銃の援護射撃、カールグスタフの榴弾でヘルメット団員は次々に戦闘不能となる。
そこへヴァルキューレ警察学校の援護が加わった事が、決定打となる。
「く、クソッ!撤退だ、撤退するぞ!!」
「こんなの聞いてねぇよ!」
まさに、「尻尾を巻いて逃げていく」という形容が相応しい様相でヘルメット団員は散り散りになって敗走する。
戦闘が終わったと実感した自衛官達は、一気に気が抜けてため息を吐いた。
何気に、初めての実戦だったのだから。
そこへ、ヴァルキューレの生徒が駆け寄る。
「げ、撃退して頂きありがとうございます…!申し訳ありません、我々の力が及ばなかったばかりに……」
「いえいえ、そんな…我々は"自衛権"を行使したまでですよ。それに、誰かを守って感謝されるならそれは自衛隊の本望ですから」
「は、はい…!///」
ヴァルキューレの生徒に感謝と謝罪を受けた第2普通科中隊の中隊長が、気にして無いよという感じで笑顔で答える。
笑顔とは裏腹に現場の独断で大量の弾薬を消費して市街地で戦闘行為を行なった事への説明をどうするかと、苦悩していたが。
ヴァルキューレの生徒の顔が赤らんでいる事には、気付かなかった。
「それじゃあ、我々は会場に向かうとしますか」
後始末をヴァルキューレに任せ、外交官一行は会場へ再び向かう。
◆
「初めまして、連邦生徒会の主席行政官、七神リンです」
「ゲヘナ学園万魔殿議長、羽沼マコトだ」
「同じくゲヘナ学園万魔殿、棗イロハです」
「トリニティ総合学園ティーパーティの、桐藤ナギサです」
「トリニティ総合学園ティーパーティの聖園ミカです、よろしく☆」
「ミカさん、重大な会議なんですからもう少しお淑やかに……」
「…ヴァルキューレ警察学校公安局の、尾形カンナです」
「ミレニアムサイエンススクールのセミナー生徒会長、調月リオです」
「同じくミレニアムサイエンススクールのセミナー会計担当、早瀬ユウカです」
「連邦捜査部"シャーレ"の先生です…」
キヴォトス側がそれぞれ自己紹介を行い、所属と名前を名乗る。
キヴォトス側には連邦生徒会・ゲヘナ学園・トリニティ総合学園・ワルキューレ警察学校・ミレニアムサイエンススクール・連邦捜査部"シャーレ"の代表者計9人が出席している。
続いて、日本側も自己紹介を行う。
「日本国外務省、浅田 誠と申します」
「同じく日本国外務省、鈴木 淳です」
「日本国自衛隊第32普通科連隊第2中隊隊長、白井 佑磨一等陸尉です」
日本側からは外務省から2人、自衛隊から1人の計3人が参加した。
会場には彼ら以外に警護のヴァルキューレ生徒や自衛官が数名滞在している。
「では、これから日本・キヴォトス会談……日キ会談を始めます」
連邦生徒会主席行政官、七神リンの言葉と共に、日キ会談が始まった。
==============
日キ会談では、日本国とキヴォトス学園のこれからの関わり方や日本国以外の地球国家との関係性が話し合われた。
まず、連邦生徒会から。
連邦生徒会と日本国は、相互で協力関係を築き、片方が危機に陥った場合は可能な限り救援するという相互援助協定のようなものが結ばれた。
キヴォトスを総括している組織と言っても過言ではない連邦生徒会と協力関係を結べた事は日本にとっては喜ばしい事であり、連邦生徒会としても地球の中では影響力を持つ日本国と穏便で友好的な関係を築ける事は、地球国家との戦争を避ける事にも繋がるので、嬉々として協定を締結した。
この関係性は、後に日キ相互援助協定として知れ渡ることとなる。
次にトリニティ総合学園。
(ゲヘナは後ほど)
トリニティ総合学園と日本国は、穏便な関係を築きつつ互いに不干渉の立場をとる事で合意した。
ワームホールの位置的にも、無理に何か関係を築く事もないので、トリニティと日本国は日ト不可侵=不干渉協定を締結することとなった。
次はミレニアムサイエンススクール。
ミレニアムサイエンススクールのテクノロジーに日本は大きな興味を示した。
だが、ミレニアム側が日本との関係構築に乗り気でない事や後述のゲヘナとヴァルキューレの関係から親密な関係構築は時期尚早と判断し、トリニティ同じく不干渉協定である日ミ不可侵=不干渉協定を締結した。
そして、ヴァルキューレとゲヘナ。
まずはヴァルキューレから。
ヴァルキューレ警察学校と日本国は、特別な関係を築く事で合意した。
近年キヴォトスでは治安の悪化が懸念されており、そこへヘイローを持たぬ人類が行くとなると、下手したらメキシコの紛争地帯に生身で行くよりも危険なことになるかもしれない。
日本国としては、将来的な観点からいずれはキヴォトスへ企業を進出させたい。その為には治安の改善が必須。
ヴァルキューレ警察学校としても治安の改善は望ましい。
こうして、お互いの利害が一致した事で日ヴ相互治安維持援助協定を締結した。
この協定では、日本国はヴァルキューレ警察学校の治安維持の援助を行い、自衛隊をキヴォトスへ派遣。
様々な方法で治安改善に努めるというものだった。
そして、この話に興味を示したのがゲヘナ学園だ。
ゲヘナ学園は自由と混沌がシンボルではあるものの、万魔殿としては看過できないほどにまで治安が悪化。
それの鎮圧を行う風紀委員会の影響拡大も相まって大変重大な問題となっている。
そこで万魔殿は、日本国とヴァルキューレと協力しつつ、相互治安維持援助協定を締結する事で問題の解決を図った。
対価としてゲヘナは日本国への積極的な技術交換や企業進出を認める形となった。
こうして、初の地球国家とキヴォトスの各学園の会談は穏便に終わったのであった。
おもしろければ、高評価とお気に入り登録よろしくお願いします。
==============
日キ会談での一場面
ミカ「ニホンと協力してゲヘナを潰しちゃえばいいのに」
マコト「は?」
ナギサ「ミカさん、口を慎まないと御口にロールケーキをぶち込みますわよ!!」
ミカ「あは☆」
日本(キヴォトス怖い)
==============
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掲示板回:キヴォトス凄すぎwww
1:名無しの先生 ID:cEmvolbNM
日本政府が出したキヴォトスの写真まとめ
[画像]
2:名無しの先生 ID:emTyKlSZH
作り物だろ
3:名無しの先生 ID:O1URTs0WJ
マジで言ってる?
4:名無しの先生 ID:VZOq4o7Ln
ケモミミ!
5:名無しの先生 ID:DL7GyVsRZ
ケモミミだ!
6:名無しの先生 ID:mUKlWlFEH
ケモミミだとッ!?(ガタッ
7:名無しの先生 ID:w2Jp6iLJw
おちつけ
8:名無しの先生 ID:acsC5m7gF
なんで皆んな銃持ってんの()
9:名無しの先生 ID:4CopR5lfA
この前の発表はガチだったのか…(困惑)
10:名無しの先生 ID:KQB+eqi9T
俺らが行ったら2秒で死にそう
11:名無しの先生 ID:/kT01VFQT
美人多すぎやろ
12:名無しの先生 ID:RZLhCpipm
皆んな美形やな
13:名無しの先生 ID:QITpArXwj
行ってみたい
14:名無しの先生 ID:EnYK5cISd
・日本政府のキヴォトスの治安についての発表
・ほぼ毎日銃撃戦が勃発
・死者はゼロ
・誰かが暴れる度に鎮圧に向かった治安部隊とまた戦闘
・ほぼ確実に建物1棟は吹き飛ぶ
・稀に迫撃砲や高射砲が使われる
15:名無しの先生 ID:Y8Xm96Fto
>>14
イカれてて好き
16:名無しの先生 ID:xIt2RPx60
>>14
地獄絵図で草
17:名無しの先生 ID:mWJNxi03q
>>14
草
18:名無しの先生 ID:pzp77o6yv
>>14
アメリカも真っ青やな
19:名無しの先生 ID:BO8Una+5I
>>14
高射砲ってなんやねん
水平射撃でもしてんのか?
20:名無しの先生 ID:neCbdMsUG
>>14
これ行った自衛官と外務省の人大丈夫だったの?
21:名無しの先生 ID:qlzo0uVsP
>>19
水平射撃するらしい
もちろん対人で
22:名無しの先生 ID:9HNfbFEb8
>>21
これで死人出ないのバグだろ
23:名無しの先生 ID:dAcrCpVlx
>>20
ゴリゴリに襲撃されたらしいで
自衛隊の応戦で事なきを得たらしい
24:名無しの先生 ID:PyRHTZX0k
>>23
草
25:名無しの先生 ID:v9H/k5QGZ
>>23
草
26:名無しの先生 ID:SM8IZmWXm
こんな美少女達が毎日殺り合ってんのか……
27:名無しの先生 ID:E0eLY9O7M
最高じゃん
28:名無しの先生 ID:hFBZFwCKp
なんか見つけた
[自衛隊車列襲撃時の映像]
29:名無しの先生 ID:mKjYxw3Ju
>>28
流出してて草
30:名無しの先生 ID:Q1T/vxVXS
>>28
ハリウッドの映画かなんかか?
31:名無しの先生 ID:DTIksNzQt
>>28
ワイ●ドスピードじゃんw
32:名無しの先生 ID:6yaxwoZNc
>>28
爆風で装甲車吹っ飛んでくの初めて見たわ
33:名無しの先生 ID:S0QS9R35C
>>28
白髪の女の子かわいい
34:名無しの先生 ID:Fa7WHiB98
ところでこの女の子の頭の天使の輪っかみたいの何?
35:名無しの先生 ID:Ir4s1Datw
>>34
ヘイローっていうやつらしいぞ
まだ調査してないから何も分からないけど、彼女達はこれがあるから銃撃戦しててもピンピンしてるらしい
36:名無しの先生 ID:lST1M9QQy
ヘイロー欲しいわ
37:名無しの先生 ID:nWNg/0oPP
同人誌ならヘイローは性感帯
38:名無しの先生 ID:gIxQ8aDsv
>>37
変な扉を開くな()
39:名無しの先生 ID:RY7mmeJBW
【速報】
自衛隊、キヴォトスへ治安維持の為に部隊派遣を決定
総理曰く「我が国の経済的利権の為である」
40:名無しの先生 ID:C9luAa+Yc
>>39
死人出るぞ
41:名無しの先生 ID:tUafvP6V8
>>39
馬鹿か
42:名無しの先生 ID:F/jK1KWRm
総理頭沸いてんの?
43:名無しの先生 ID:r1B5yy4qc
>>39
これ真面目にヤバくないか?
特にアメリカの反応が怖い。
前回の調査であんなんだったから
44:名無しの先生 ID:Ozh0rwP3o
ロシアもやばそうだよな
45:名無しの先生 ID:39Ybi7iMm
>>44
あそこは中国の顔色伺うだけだからな。
中国次第
46:名無しの先生 ID:+O5nifKik
>>39
俺は死んでもいいから行ってみたい
47:名無しの先生 ID:Mva8fqcbr
>>39
うーんこの
48:名無しの先生 ID:xrCttCwTk
>>46
でもこれで治安改善されたら、旅行とか行けるようになるかもな
49:名無しの先生 ID:p7J9ys8MN
>>48
!!!
50:名無しの先生 ID:sEu4Eg4DU
>>48
天才か
51:名無しの先生 ID:fAKzU7+qd
>>48
よし、自衛官派遣を支持するぞ
52:名無しの先生 ID:7o0+W1U/M
>>51
安易で草
53:名無しの先生 ID:6nzGJofFq
でも旅行できたとして、相手が女の子だし強姦事件とか起きそうじゃない?
54:名無しの先生 ID:wMVAJLnbT
>>53
キヴォトス人は人類の倍以上力強いぞ
55:名無しの先生 ID:kK/ffuzE2
>>54
草
56:名無しの先生 ID:AJ0Ni3gMv
>>54
逆に俺らが喰われそう
57:名無しの先生 ID:NBU/MwAvr
自衛隊に入ろう(名案)
58:名無しの先生 ID:48Luq2bd3
まぁ取り敢えず、自衛隊派遣はネットが荒れそうやなぁ
次回はキヴォトス側の掲示板です。
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掲示板回:地球とかいうヤバすぎる場所
次回から数話は自衛隊のキヴォトスでの治安維持記録みたいなのをやる予定です。
1:名無しのキヴォトス人 ID:GkYsYT4UC
【連邦生徒会が発表した"地球"に関する情報】
[リンク]
2:名無しのキヴォトス人 ID:6+Q6pb7LS
なにこれ
3:名無しのキヴォトス人 ID:uf2JD9Eu5
80億人は笑うわ
4:名無しのキヴォトス人 ID:NFv3Mnk1H
ヤバすぎじゃない?
5:名無しのキヴォトス人 ID:yJYh6zkvU
とんでもねー場所と繋がったね
6:名無しのキヴォトス人 ID:W0lDM+yGt
大人かぁ……
7:ヴァルキューレ公安局☆ ID:U3YWYswUM
現在、情報が交錯しています。
デマに流されないようにしましょう。
8:名無しのキヴォトス人 ID:N9eY4ekDb
>>7
本物だw
9:名無しのキヴォトス人 ID:CJnlnzUz2
デマ出んのか、怖いな
10:名無しのキヴォトス人 ID:sIYX9Kye7
私達が繋がった「日本国」って国だけで人口は1億人超、戦闘を専門にする「自衛隊」だけでも20万人以上の人員を抱えてるっぽいね
11:名無しのキヴォトス人 ID:7/kRDW+8/
>>10
20万人の武装集団が攻めてくるとこ想像したら絶望的過ぎて笑えない…
12:名無しのキヴォトス人 ID:YwinoBEa1
>>11
一応、全員がシャーレの先生みたいにヘイロー持ってない人間らしいよ
銃弾一発で死ぬ
13:名無しのキヴォトス人 ID:PsV/dkZZP
>>12
それでよくここまで発展できたよね…
14:名無しのキヴォトス人 ID:75XXwZcY6
>>13
歴史上だと、8,500万人以上が死んだ戦争があったらしい
15:名無しのキヴォトス人 ID:4nnjvO4uy
>>14
8,500万人!?
ヤバすぎるやろ
16:名無しのキヴォトス人 ID:BOeuEnK6K
>>14
人全滅させる勢いで殺し合ってて草
17:名無しのキヴォトス人 ID:CtwaV9QBz
普段から死を身近に感じてない私達からしたら、信じられんね
18:名無しのキヴォトス人 ID:L1mVtCIpO
[日本国外務省が提供した地球の写真集]
19:名無しのキヴォトス人 ID:4gxHNRKx5
>>18
綺麗
20:名無しのキヴォトス人 ID:qlQeQaxTw
>>18
落ち着いた感じで良いね
都心部の方も賑やかで好き
21:名無しのキヴォトス人 ID:IsXVX5RkH
>>18
行ってみたくなった
22:名無しのキヴォトス人 ID:Zr3H5+fC0
【速報】
日本国、ヴァルキューレ警察学校・ゲヘナ学園との合意の元で自衛隊をキヴォトスへ派遣
「治安維持の為」
23:名無しのキヴォトス人 ID:itfbUwc9p
>>22
こっちくんな()
24:名無しのキヴォトス人 ID:HnHBPM0MO
>>22
やめろくんな
25:名無しのキヴォトス人 ID:hym3sCtf7
>>22
治安維持か、助かる
26:名無しのキヴォトス人 ID:BFXNt/XMk
>>23
>>24
ブラックマーケットの方ですか?
27:名無しのキヴォトス人 ID:0Rc9vh2sC
>>22
これ私達一般生徒からしたら有難いけど、ヘルメット団とかチンピラからしたら恐怖だよな
28:名無しのキヴォトス人 ID:GZygqoT/7
治安維持部隊と言っても、どのくらいの規模なのかな?
29:名無しのキヴォトス人 ID:QWLaKw7pD
ゲヘナ学園だから風紀委員会と協力しそう
30:名無しのキヴォトス人 ID:0VutkdbKk
げっ…風紀委員会かよ…
31:名無しのキヴォトス人 ID:AfLCarlmK
>>30
正義実現委員会よりはマシでしょう
彼女達との戦闘で何人の生徒がPTSDになったと…()
32:名無しのキヴォトス人 ID:SSIjReCU1
取り敢えずブラックマーケットをどうにかしてくれ
33:名無しのキヴォトス人 ID:/VBRsFVLZ
それな
34:名無しのキヴォトス人 ID:U0ai784k8
おいおい、ブラックマーケット死んだわ
35:名無しのキヴォトス人 ID:jbKMXjk6X
便利屋とか美研も終わりだね
36:名無しのキヴォトス人 ID:CcnhyShjN
>>35
美研はなんか粘りそう
37:名無しのキヴォトス人 ID:pJlHyQjz/
まぁ、カタカタヘルメット団は既に1個大隊で自衛隊の中隊規模の部隊に喧嘩売って壊滅したしな
38:名無しのキヴォトス人 ID:dDRrk3ejZ
>>37
マジで?知らんかった
39:名無しのキヴォトス人 ID:gf49zNkmt
外交官襲撃とか命知らずだよな
40:名無しのキヴォトス人 ID:ZsIMnNDqc
>>38
うん
自衛隊 ヘルメット団 で調べてみ
41:名無しのキヴォトス人 ID:tTIZ+w7BN
自衛隊の装甲車カッコいいね
[軽装甲機動車の画像]
42:名無しのキヴォトス人 ID:5stnkrBz+
>>41
イケてる
43:ゲヘナ風紀委員会☆ ID:dBjPRqY3w
>>41
それ、うちにも採用したいわね
44:名無しのキヴォトス人 ID:tcDU2PQW1
>>43
委員長、アカウント間違えてます!
45:名無しのキヴォトス人 ID:ne/dfbKBX
>>43
>>44
この流れ草
46:名無しのキヴォトス人 ID:aI1r9dQWQ
草
47:名無しのキヴォトス人 ID:WEgUkuiHk
草
48:名無しのキヴォトス人 ID:za6V8G873
取り敢えず、治安には期待しておこう
49:名無しのキヴォトス人 ID:mCEAmVuqi
トリニティに来ないのは残念
50:名無しのキヴォトス人 ID:I6hh7GVSM
>>49
ゲヘナの治安がアレだから()
51:名無しのキヴォトス人 ID:CoKFBqHuL
地球のグルメ…興味が湧いてきましたわ、今度どうにかして食べてみたいですね
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第Ⅰ章〜キヴォトス治安維持派遣編〜
自衛隊、ゲヘナへ
ワームホールの前に、数百名の自衛官や車輌が並べられていた。
旧東京ドーム跡。
現在は、東京ドームは別の場所へ移転され、跡地は自衛隊第32普通科連隊の駐屯地となっている。
無論、今回治安維持の為にキヴォトスに派遣される部隊は第32普通科連隊だけでなく、装甲部隊や少数の航空部隊も派遣される。
派遣部隊の編成は以下の通りだ。
ーーーーーーーーーーキヴォトス治安維持派遣部隊ーーーーーーーーーー
○キヴォトス治安維持派遣部隊
・本部管理中隊「キ派-本」
・第1戦闘大隊
・第1戦闘大隊本部管理中隊「1偵戦-本」
・第1偵察中隊
・第1機動戦闘中隊
・第2普通科連隊
・第2普通科連隊本部管理中隊「2普-本」
・第1普通科中隊
・第2普通科中隊
・第2重迫撃砲中隊
・第10戦車大隊
・第10戦車大隊本部管理中隊「10戦-本」
・第1戦車中隊
・第2戦車中隊
・第35普通科連隊
・第35普通科連隊本部管理中隊「35普-本」
・第1普通科中隊
・第4普通科中隊
・その他支援部隊
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
装備には高機動車や軽装甲機動車の他に、第1戦闘大隊の
普通の治安劣悪地帯に派遣されるには過剰戦力に思えるが、銃撃が有効打になり得ないキヴォトスではこれくらいが丁度良いと言われている。
関東の第一師団長の演説が終わり、ワームホールへのゲートが開かれた。
ワームホールは常に分厚い鋼鉄の扉で閉められ、必要時以外は閉じられている。
ゆっくりと電動音を響かせながら扉が開き、数十秒掛けて全開となる。
「大隊、前進」
第1戦闘大隊の本部部隊からの通信が届くと同時に、車輌が一斉に発進する。
74式戦車が重鈍なエンジンを響かせながら走る。
やがて全隊がワームホールへ入り、報告通り視界が白い光に包まれーー
なかった。
「な、なんだこれは!?」
彼らが見たのは、赤に沈み堕ちたキヴォトス。
人智を超えた"何か"に呑まれ、滅んだキヴォトス。
自衛官達にはまだそれは何かは理解できなかったが、決して関わってはいけない存在であるということだけは分かった。
悍ましく、忌避すべきものだということ。
ーー報告と違うぞ
と、大隊長が叫ぼうとした時、視界がカチッとフィルムが切れたように切り替わる。
目の前に広がっているのは、写真で見た通りの、普通のキヴォトスだった。
何か信じられない物を見たとばかりに物凄い剣幕を浮かべていた自衛官達に対して、ワームホールを監視していたヴァルキューレの生徒が、心配そうに声を掛ける。
「だ、大丈夫ですか……?何かありましたか?」
「いや、大丈夫だ…なんでもない。ありがとう」
恐らく、自分達が見たのは幻覚か、或いは次元の狭間の別の何かだろう。
今起きた異常現象は、政府に報告だけして、口外厳禁とさせよう。
大隊長は、この体験は絶対に広めてはいけない事だと本能が告げていた。
◆
派遣された自衛隊は車列を作りつつ、ゲヘナ自治区へと向かっていた。
先頭を
そんな中、ある事に耐えかねた自衛官が呟く。
「隊長ォ…やっぱ、視線が痛いですね」
「そうだな……」
そう、キヴォトス生徒の視線だ。
先日からキヴォトスのマスメディアやSNSはとびきり地球と日本の話題で持ちきりであり、注目されるのも仕方なかった。
と、ここで先導していたヴァルキューレ車輌から通信が入る。
『ここから先は、ブラックマーケットと呼ばれる違法な取引がされている治安の極めて悪い地域の前を通るので、注意して下さい!』
違法な取引がされている場所…
つまり、闇市だ。
自衛官達は学校のすぐ近くに闇市なんていう発展途上国か戦後の日本でしか見ないような普通にある事に驚きつつ、万が一に備えて臨戦態勢を整える。
少しすると、ヴァルキューレ生徒の言っていた「ブラックマーケット」らしき場所が見えてくる。
周りは明るい商店や屋台に囲まれているが、その奥の路地は雰囲気がおかしかった。
言うなれば、イラク派遣の時に感じた治安の劣悪な地帯の雰囲気。
それを感じ取った自衛官達は「うわぁ〜」と思いつつも車列を崩さずゲヘナ学園へ向かう。
だが、当然ここはキヴォトス。
何事もなく、特に目立つ集団をブラックマーケットの連中が放っておく道理もなかった。
前方から炸裂音が響き、光の曳航が車列を襲う。
「うわッ!?」
「クソ!敵襲だ、応戦しろ!」
飛来した
自衛隊は、速やかに脅威を排除しようと動き出す。
かくして、ブラックマーケットの傭兵vs自衛隊の、キヴォトス初にしてゲリラ戦のような激戦が幕を開けたのであった。
どうでもいいですけど、戦車の偽装迷彩ってイケてますよね。
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強襲
追記:オートマタは、スケバンが指揮していたという設定です。
「三号車、砲身破損により戦闘不能!」
「一号車、乗員一名負傷。一時後退する!」
ブラックマーケットの傭兵団が自衛隊の車列を銃撃してから8分。
戦況は、拮抗していた。
傭兵団側からしたら、ヘイローを持たぬ貧弱な集団だと舐めて掛かった。
しかし、自衛隊は正規軍であり、規律の取れた
傭兵団側は、思わぬ苦戦を強いられる。
自衛隊側も自衛隊側で、苦戦していた。
未成年の武装集団…謂わば、民兵のような相手だと思って戦闘に臨んだ。
だが、その程度のものではなかった。
相手は、武装した戦闘ロボットだったのである。
だが、ロボットは小銃の銃撃を弾くレベルの装甲で覆われ、動きも素早く機動性が高い。
対ゲリラの教本通りに動こうとした自衛隊もまた、苦戦を強いられていた。
「ダメだ、戦車大隊で応戦する!消耗率の高い第1戦闘大隊と第2普通科連隊第1中隊は後退、第2中隊と第1偵察中隊は後退を援護しろ!」
第2普通科連隊本部の指示の元、16式機動戦車や負傷者多数の第1普通科中隊が追撃を追い払いながら後退し、路地から74式戦車が6輌、軽装甲機動車が多数街路に割り込む。
飛び出してきた74式戦車は撤退する普通科中隊へ白兵戦を挑まんとしていた戦闘ロボット部隊を轢き壊しつつ12.7ミリ重機関銃をばら撒く。
寸先の脅威を排除した戦車大隊と第2普通科中隊は瓦礫や軽装甲機動車を盾にしつつ、押し寄せる戦闘ロボット部隊へ応戦を開始する。
「撃ち方始めェ!」
74式戦車の105ミリライフル砲が火を噴く。
撃ち出された榴弾がロボット部隊へと飛来し、爆発を起こす。
周りの空気を押し出すような爆発が起こり、ロボットの鉄片が撒き散らされる。
その時、重鈍な炸裂音と共に1輌の軽装甲機動車が側面を巨人に殴られたかの様に吹き飛び、ゴロゴロと回転しながら即席防衛陣の後ろへ放り出される。
死者は出なかったようだが、重傷者が出た。
「ーーッ!敵
74式戦車の榴弾によって生み出された爆炎から、少しづつ鋼鉄の塊が姿を現す。
見た目は、BMP-3を近代化したような見た目だ。
「敵
敵IFVから発射されたATGMが、1輌の74式戦車へ向けて飛来する。
周囲の自衛官は退避するが、戦車は対応する間もなくATGMの直撃を受ける。
その戦車はATGMの直撃により爆散ーーしなかった。
戦車に着弾したATGMは小規模の爆発の後、青い膜のような物を発生させた。
青い膜のような何かはブワッ!と周囲に広がり、他の戦車や自衛官ごと吹き飛ばす。
衝撃波を発する多目的弾頭だったのである。
この爆発により、第1戦車大隊第2戦車中隊が戦闘不能、第2普通科中隊も深刻な被害を受ける。
IFVは即座に第1戦車中隊の74式戦車の反撃によって破壊されるが、この数のロボット部隊相手にこれ以上の戦闘を続けられない事は明らかだった。
と、その時、ロボット部隊が紫色の曳航により次々と薙ぎ払われていく。
何事だ、と自衛官達が曳航の飛来した場所へ視点を移すとーー
「何やら大きな騒ぎが起きてると思ったら…また
「ふ、風紀委員長ォ!?」
「
「クソッ!切り札のオートマタとIFVを投入したのによ…!」
スケバンとロボット部隊は、速やかに撤収する。
自衛官達は、呆気に取られていた。
「…大丈夫?それより、凄い。この数のオートマタ部隊にこれだけの被害を与えられるなんて」
すると、その白髪の少女はハッとしたように名を名乗る。
「言い忘れた、私は空崎ヒナ。ゲヘナ学園の風紀委員長、ジエイタイの人達の援護に来た」
「あ、あぁ…ありがとう、感謝するよ」
連隊長は小柄な少女が釣り合わない機関銃をばら撒いてロボット部隊を呆気なく撃退した事に唖然としつつ、礼を述べる。
(小さい…この子が、あんなデカい機関銃を?)
(銃弾が紫色の曳航を出していたけど、どいういう仕組みだ?)
(ロリだ…合法ロリ!)
自衛官達は各々の感想を呟き合う。
一部変態が居るが、そこはご愛嬌。
「もうすぐゲヘナに着くから、案内する。着いてきて」
そう言うとヒナは車に乗り込み、発進する。
自衛官達も慌てて高機動車や軽装甲機動車に乗り込み、追従する。
こうして、自衛隊はゲヘナ学園へ治安維持部隊とし正式に学園内へ入ることとなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆戦闘被害◆
負傷者:126名
→中軽傷:104名
→重傷:22人
車輌破損:16輌
→軽損害:11輌 - 高機動車、軽装甲機動車、16式機動戦車、74式戦車
→中破:3輌 - 軽装甲機動車、74式戦車
→大破:2輌 - 軽装甲機動車、74式戦車
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スケバンとオートマタには後々「しっかり」ツケを払わせようと思います()
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ブラックマーケット
リアルの用事が忙しくてですね…
まだひと段落付いた訳ではない中で執筆した話なので、非常に適当です。
取り敢えずこの話は次回の「ブラックマーケット制圧作戦-前編-」に繋げられればいいので、大幅な修正等は後ほど行います…
ゲヘナ学園。
その中の会議室に、2つの勢力の代表者達が集まっていた。
ゲヘナ風紀委員の首脳陣と日本国自衛隊キヴォトス派遣部隊の幹部陣である。
「これから、ゲヘナ風紀委員と日本国自衛隊キヴォトス治安維持派遣部隊による合同治安改善作戦の会議を始めます」
「…よろしく、有意義な会議にしましょう」
「よろしくお願いします。…えぇ、是非とも良い協力関係を」
司会役の火宮チナツの合図で、全員が着席する。
風紀委員長の空崎ヒナと、派遣部隊の連隊長が言葉を交わした。
「まず、ブラックマーケットについて……」
ヒナがブラックマーケットについて説明を始める。
曰く、ブラックマーケットとはキヴォトスの裏社会が運営する闇市ということらしく、マーケットガード(警備)にはオートマタと呼ばれる戦闘ロボットが居るらしい。
つまり、先程派遣隊が交戦した集団はマーケットガードだったのだ。
更に、マーケットガードにはオートマタ以外に戦車や対戦車ヘリが運用されているという。
風紀委員に提示された写真には近未来的な見た目をした自走砲らしき車輌や先程遭遇したBMP-2を近代改装したようなIFV、そのままAH-64のような見た目のヘリコプターが映っていた。
自衛官はこれらに驚愕し、キヴォトスの裏社会への意識を改める事となる。
次に、組織について。
ブラックマーケットには違法な商品を買い漁る犯罪者は勿論、組織的にマーケットを管理、または警備する集団が存在すると言う。
代表的なのは、ヘルメット団やスケバン、違法な傭兵集団など。
まずはヘルメット団。
ヘルメット団は、先日に日本の外務省の車列を襲った集団であり、ヘルメットを被った特徴的な見た目をしている。
基本的には重火器は保有せず、小火器程度の武装のみであるが、稀に高射砲や地対空ミサイルなどで武装している場合もあり、油断は出来ないという。
ヘルメット団は様々な派閥に分裂しており、カタカタヘルメット団やカクカクヘルメット団、ジャブジャブヘルメット団などの沢山の派閥が対立している。
次にスケバン。
スケバンといのはあくまでその見た目の生徒達の総称であって、正式な名称ではないという。
彼女らは学園の制服にバッテンマークの描かれた黒マスクを装着している。
火力は小火器程度な上に組織としての統率は取れておらず、そこまで大きな脅威にはなり得ないという話らしい。
とは言え、マーケットの構造を熟知した狙撃手や1人でミニガンを軽々と扱う支援火器手などは自衛隊からすれば脅威以外の何者でもないので、注意が必要だ。
という感じで、不良集団と言っても下手な地球の武装勢力よりは断然戦闘能力が高く、そんな彼女達が大量に居るブラックマーケット全体の戦力は少なくとも現状の戦力では心許ないレベルに大きい。
しかしながら、派遣されたばかりの自衛隊にとって直ぐにブラックマーケットを叩くには経験や技能、知識などすべてにおいて不足が発生している。
つまり、まだブラックマーケットは叩くべきではない。
この結論に達した派遣隊本部は、1つの電文と共に日本政府へ治安維持作戦の計画を送信した。
ーーーゲヘナ自治区全体での暫定的な武力行使による治安維持行動を行う
と。
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