前号で見たとおり、これまでの市政においては、随意契約は特に厳しく業者数及び随意契約理由額等が審査されてきましたが、なぜ、石丸市政では、アキタカターンズとの契約について、地方自治法施行令の規定が全てないがしろにされてきたのでしょうか。



それは、何らかの要因で担当部課の遵法意識が希薄になるだけでなく、検討委員会が全く機能していないということが最大の問題です。

検討委員会の委員長である副市長が「アキタカターンズを特別に扱うことを認めている」ということです。

もしくは、「認めざるを得ない状況に置かれている」ということです。

すでに、「自治体が自治体として機能を喪失している」ということなのかもしれません。



4 予定価格


チェック表の設計金額と予定価格の欄を見てください。

参考見積書を取得した業務については、参考見積金額がそのまま設計金額と予定価格になっているのが分かります。



予定価格は、設計金額を参考に、設計金額と同額もしくはそれを下回り、業務の執行が担保される金額(最低制限価格)を上回る金額に設定します。

そして、この予定価格は、外部に漏洩しないように封印され、入札時まで開封されません。



入札においては、業者は予定価格もしくはそれに近い金額で落札しようとしますので、この予定価格が外部に漏れるようなことがあってはならないのです。

入札に関わる不正事件の多くが、この予定価格の漏洩によるものが多いことからも、秘匿性が確保されなければならないのです。



ところが、6業務については、アキタカターンズ1社が参考見積書を提出し、その参考見積金額が設計金額と予定価格になっているのです。

そして、予定価格と同額で落札しています。

こうしたことがこれだけ連続して、しかもアキタカターンズの随意契約について起きるということは、「アキタカターンズには予定価格が筒抜けだ」と言うことです。



また、参考見積書がない設計金額について、担当課が作成したことの不自然さを指摘しましたが、その設計金額がそのまま予定価格になり、同一の金額でアキタカターンズが落札していることを見れば、アキタカターンズは予定価格を知っていたことは確実です。



5.見積の提出


随意契約の見積は、例え50万円以下の予定価格でも、


財務規則

第100条 契約担当職員は、随意契約によろうとするときは、なるべく2人以上の者から見積書を徴さなければならない。



とされています。



この理由は、1業者だけの見積では、何ら競争が発生せず、落札金額が妥当な金額かどうか分かりません。

他の業者が参入していれば、もっと安い金額で落札できたかもしれません。

特に880万円等の高額な業務の入札では、その影響は大きなものになります。

したがって、随意契約であっても、入札参加業者を1社に絞ることなど極力避ける必要があるのです。(次号へ続く)