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埼玉県川口市で88年間ソースを作り続けたブルドックソース(東京)の鳩ヶ谷工場が今年9月、老朽化などを理由に生産を終了した。同社は川口の人々に感謝の気持ちを伝えようと、全市立小中学校の児童生徒と教職員計4万5000人にウスターソース(500ミリ・リットル)と、とんかつソース(同)を1本ずつ贈ることを決めた。
鳩ヶ谷工場は1935年に開業。98年に群馬県館林市に館林工場ができるまで同社唯一の工場として、年間1800万リットルのソースを生産していた。
2000年代後半には、地元の商工会が開発したB級グルメ「鳩ヶ谷ソース焼きうどん」に使う専用ソースを共同開発。ほかにも社員が小中学校などで出前授業を行ったり、工場見学を受け入れたりと、地域との関わりが深かった。
鳩ヶ谷工場は12月末で閉鎖となる。27日に市役所で行われた寄贈式で、奥ノ木信夫市長は「地域活性化にご協力いただいた。閉鎖は残念だが、今後もお付き合いを続けたい」と話した。
初配属が同工場だったという同社執行役員の浅倉貴さん(63)は「ソースにはこれまでの感謝の気持ちを込めた。懐かしんで使っていただけたらうれしい」と語った。