アルゼンチン経済の歴史から学ぶべきこと
アルゼンチン経済が日本経済に与える影響は決して大きなものではないが、アルゼンチン経済が歩んできた流れから、私たちが教訓として学ぶべきことは大きい。
消費性向の高い弱者を保護すれば、有効需要が簡単に生み出され、これによって経済は勝手に活性化するという考えは、日本国内でもかなり広く見られる。だが、アルゼンチンの例を見れば、この考えは危険である。需要はもちろん重要だが、供給能力が改善され、生産性が高まることもまた重要なのだ。
規制によって既存業界を保護するよりも、厳しい競争に晒して、企業に合理性を真剣に追求させる状態にしたほうが、経済成長につながりやすい。このことをアルゼンチンの例からも、我々は学ぶべきではないか。
厳しい競争に晒せば、失業も生まれやすくなるが、これを吸収できるだけの投資を政府自ら行っていけばよいのではないか。バラマキではない積極財政のあり方を、日本政府には考えてもらいたいものだ。