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日本人は「超円安」の恐怖がわかっていない! 忍び寄る「通貨危機」への準備はできているのか

東洋経済オンライン / 2023年11月28日 7時30分

●マレーシア……97年7月以降、通貨「リンギット」は1ドル=2.5リンギット程度から97年の末には3.89リンギット、98年には4.5リンギット近くまで下落。ドルに対して50%程度の減価となり、98年のインフレ率は8.5%に上昇。GDPはマイナス7.4%に下落する。

●インドネシア……通貨「ルピア」は、1ドル=2300ルピア台だったレートは98年1月は1ドル=9662.50ルピアまで下落。IMF(国際通貨基金)の金融支援を受け入れたものの1ドル=1万4000ルピア台まで大暴落。対ドルに対して5分の1となり、当時のスハルト大統領が辞職する政権交代が起きている。98年の実質経済成長率はマイナス13.1%、インフレ率も75.3%と凄まじい物価上昇に襲われる。

●韓国……アジア通貨危機の中で最も大きな影響を受けたのが韓国の「ウォン」だ。97年6月まで1ドル=850ウォン程度だったのが97年12月末は1ドル=1695ウォンまで下落。IMFによって経常収支の改善や財政収支の黒字化など様々な面で要求された。韓国ではIMF危機と呼ばれており、朝鮮戦争以来、最大の国難と評価されている。98年の実質経済成長率はマイナス6.7%、インフレ率も5.1%の上昇を記録している。

<ロシア・ルーブルショック>

アジア通貨危機はアジアにとどまらなかった。当時、原油安の影響などで財政危機に陥りロシア国債の債務不履行(デフォルト)を起こしている。この影響で、アジア通貨危機が起きた97年当時1ドル=5ルーブル台だったのが、1998年9月には1ドル=14ルーブル台に下落。1999年10月には1ドル=28ルーブル台にまで下落している。

ロシア国内ではハイパーインフレが起こり、99年には消費者物価指数が前年同月比で120%に達している。このルーブルの下落によって、アメリカのヘッジファンド「LTCM」が経営破綻。アメリカを金融不安に陥れ、FRBが救済することになった。

通貨危機が国民生活にもたらす影響とは?

この他、第2次世界大戦直後や70年代の中南米など、通貨危機に見舞われた国は意外と多い。日本もそのひとつだが、どんな影響を受けるのか。簡単に整理すると次のようになると考えていい。

① すさまじいインフレに見舞われる
② 政治が不安定となり政権交代がしばしば起こる
③ 国内企業が外国資本に買収され、既存の海外資本の企業が相次いで撤退する
④ 不動産などの国内資産が外国資本に買われる 
⑤ 政府機関等のコストカットが要求され、行政サービスが質量共に低下する
⑥ 国内の優秀な人材が流出し、海外からの出稼ぎ労働者等がいなくなる

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