| ドラゴンマーク | |
| ドラゴンマークは血筋と密接に結びつき、ときに謎めいたふるまいを見せる。たとえば、嵐のマークを持って生まれるのはハーフエルフだけである。また、人間やハーフオークには発見のマークを持つ者が出ても、なぜか純血のオークには出ない。ただ、確かなことが1つだけある。それは、もし君がドラゴンマークを持つならば、君はそのマークを最初に発現した血族と血のつながりがあるに違いないということだ。 ただし、ドラゴンマーク血族の血を受け継いでいるからといって、無条件で氏族のメンバーになれるわけではないし、必ずドラゴンマークを発現するとも限らない。コースの勅令によって、ドラゴンマーク氏族のメンバーがガリファーの貴族と結婚する際には、出身氏族と縁を切らなければならなくなった。また、なんらかの罪を犯したり、家名を汚したりすれば、ハウスランク(氏族内での地位)を剥奪されたうえ、氏族そのものから絶縁されることもなくはないのである。このようにして家から追放された者を“皮剥がれ”と呼ぶ。昔は実際に氏族の長の手で皮膚ごとドラゴンマークを剥がされたものだが、そのまま死んでしまう者も少なくなかったため、現在では形式的に皮を剥ぐジェスチャーをするだけにとどめられている。とは言っても、“皮剥がれ”はハウスランクを保持することも氏族名を名乗ることも許されず、他のメンバーはその者を助けることはおろか、その者と交流することさえ禁じられる。 “皮剥ぎ”の習慣が存在するせいで、家系のどこかにドラゴンマーク氏族の血が混じっていながら、そのことをまったく知らずにいて、あるとき自分の体にドラゴンマークが発現してはじめてそれを知るということもありうる。そのように氏族から隔絶された後裔は、“孤児”と呼ばれる。たいていの場合、ドラゴンマーク氏族は“孤児”を喜んで仲間に迎え入れる。「親の罪は子に報いず」と考えられているせいもあるが、同じマークを持つ者が可能な限り結束するのが氏族の利益にもかなうからだ。だから、君がもし強力なマークを持つ“孤児”ならば、氏族に加わるよう圧力を受けるかもしれない。反対に、氏族の名声や商売にとって脅威とみなされれば、命を狙われることさえありうる。 ・・・本編へ続く |
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