北米

2023.11.11

ハーバード大学学長が親パレスチナのスローガンを非難、反ユダヤ主義反対を表明

ハーバード大学学長、クローディン・ゲイ(Getty Images)

「ハーバードはこれまでも今も、礼儀正しい行動と礼儀正しい言動の場です」とゲイが声明で述べた。「私たちは、反ユダヤ主義、イスラム嫌悪、嫌がらせや威嚇あるいは暴力の脅威を容認せず、無視することもありません」

ハーバード大学が初めて見出しに登場したのは、先月30以上の学生グループが、ハマスのイスラエルに対する軍事攻撃は「理由もなく起きたのではない」と主張しガザ地区を「天井のない牢獄」になぞらえた声明に署名したときだったとハーバードの学生新聞、ハーバード・クリムゾン紙は報じている。

億万長者のヘッジファンド投資家で、大学の対応に最も批判的な発言をする人物であるハーバード大学卒業生のビル・アックマンはX(旧ツイッター)への投稿で、声明に署名した学生の名前を公表せよ、そうすれば自分の会社で雇わずにすむと大学に要求した。後にアックマンは大学に対し、10月18日の事件に関わった学生を停学処分にするよう求めた。

イスラエル・ハマス衝突への対応で批判にさらされている有名大学はハーバードだけではない。コロンビア大学では、億万長者のレオン・クーパーマンが、大学側の対応に変化が見られなければ寄付を中止すると語った。コーネル大学では、オンラインフォーラムでユダヤ人学生を脅迫する投稿をした学生1人が逮捕され、禁錮5年、罰金最大25万ドル(約3800万円)の罪に問われている。バイデン政権は先週、大学キャンパス内の反ユダヤ行動を監視し、増加を抑制する取り組みを開始した。

11月7日、ラシダ・タリーブ下院議員(民主党・ミシガン州選出)が下院で問責され「川から海まで」のフレーズを使った動画をシェアしたことが理由の一部だった。連邦議会で唯一のパレスチナ系米国人であるタリーブの問責決議で、20人以上の民主党員が党の方針に反して投票した。問責決議以前のツイートでタリーブは、あのフレーズは「自由、人権および平和共存を熱望するための呼びかけであり、死、破壊、あるいはヘイトのためではない」と語っている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

RECOMMENDED

人気記事

北米

2023.10.13

ペンシルベニア大、反ユダヤ主義を否定 富豪卒業生の批判に反論

米ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学(Shutterstock.com)

米富豪のマーク・ローワンが、自身の出身校であるペンシルベニア大学が反ユダヤ主義的な意見を容認していると批判し、学長と理事長の辞任を要求した。同大は学長と理事長を擁護するとともに、これまでに学内で反ユダヤ主義撲滅に向け積極的な取り組みを行ってきたと反論している。米国の大学ではこのところ、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの間で起きた大規模な紛争をめぐる論争が相次いでいる。

米プライベートエクイティ(PE)投資会社アポロ・グローバル・マネジメントの最高経営責任者(CEO)であるローワンは、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール諮問委員会の委員長を務めている。

ローワンは11日、新興メディアの「ザ・フリー・プレス」に寄稿した論説で、同大を反ユダヤ主義的と非難し、卒業生や寄付者は「リズ・マギル学長とスコット・ボック理事長が辞任するまで小切手帳を閉めておく」べきだとして、寄付の見合わせを呼びかけた。

ローワンは特に、9月に同大で開催されたパレスチナ文学祭を問題視し、このイベントでは講演者が「ユダヤ人の民族浄化を提唱し、ユダヤ人を『欧州の入植者』と呼び、さまざまな血の中傷(ユダヤ人が異教徒の子供を殺しその血を飲んでいたという偏見に基づく中傷)を繰り返した」と批判した。

これに対し、同大のジュリー・プラット副理事長は電子メールによる声明で、マギルとボックへの支持を表明し、理事会は「大学がとった行動を全会一致で支持する」と説明。一方で「ハマスによるイスラエルへの恐ろしい攻撃」の被害者への連帯を表明し、「憎悪に満ちたテロ行為」を非難した。

米国では他の大学でも、イスラエル・パレスチナ紛争をめぐる論争が起きている。バンダービルト大学のダニエル・ディアマイヤー学長は今週初め、この紛争には「深く折り重なり、微妙な意味合いを含んだ複雑性」があるとする声明を発表し、X(旧ツイッター)上で反発を呼んだ。

ハーバード大学では、学生団体の「ハーバード学部生パレスチナ連帯委員会」が、一連の暴力はイスラエル側に「全面的に責任がある」とする声明を発表。同大の学長も務めた経済学者ローレンス・サマーズはその2日後、Xへの投稿で、大学側がすみやかに対応をとらず沈黙したのは「ユダヤ人国家イスラエルに対するテロ行為に対して、よく言って中立」の立場であるという印象を与えたと批判した。

著名投資家のビル・アックマンもXへの投稿で、「複数のCEO」から、声明に署名した各学生団体の名簿を大学側は公表しないのだろうかと尋ねられたことを明かし、この声明に賛同した学生は自らの企業で採用したくないとの意向を示した。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

RECOMMENDED

人気記事