今回の新型REC-ONでは、キャストデバイスやスマートTVへの対応が大きな目玉となっている。対応するのは「Android TV(Google TV)」と「Fire TV(Fire OS)」で、Google PlayやAmazonアプリストアから専用アプリをダウンロードできる。
どちらもOSのベースが同じということもあり、アプリの操作方法に大きな違いはない。スマホ/タブレット向けアプリとの違いは以下の通りだ。
先に紹介した視聴方法では4~7秒の遅延が生じていたのに対して、キャストデバイス/スマートTV向けアプリの遅延は2~4秒程度に抑えられている。リアルタイムに限りなく近い視聴体験を得られる。
UI(ユーザーインタフェース)もリモコンに最適化されており、テンキー付きのリモコンなら、テンキーを使ったチャンネル切り替えにも対応する。テンキーを押してからおおむね2~3秒ほどでチャンネルが変わる。ネットワーク越しであることを踏まえると、レスポンスは悪くない。
データ放送の視聴にも対応したら、チューナーレスTVを“ほぼTV”として運用できるのだが、残念ながらそこまでは対応していない。データ放送を楽しみたい場合は、HDMI入力端子に本機をつないで使おう。
なお、本機の先代に相当する「REC-ON HVTR-BCTX3」でも、このアプリをダウンロードすればキャストデバイス/スマートTVでの視聴に対応できる。しかし、本機と比べると操作レスポンスが遅くなる。
新型REC-ONの実売価格は3万8300円前後と、単なる「TVチューナー」として捉えると高価な部類に入る。PCやスマホ/タブレット/PCで単にTVを視聴するだけなら、より手頃なUSB接続のTVチューナーという選択肢もある。
ただ、新型REC-ONは“単体の”ネットワークTVチューナーとして機能することが強みだ。HDMI入力可能なディスプレイと接続すれば普通のTVとして運用できる上、自宅内のネットワークを介してチューナーレスTVやスマホ、タブレット、PCを最大2台つないでTVを視聴できる。
自宅にあるデバイスの台数にもよるが、本機1台で3台のTVを導入するのと同じ効果を得られる。外部のインターネット通信が使えない際の情報入手手段として役立つのはもちろんだが、子ども部屋や寝室など、複数の部屋にTVを導入する代わりに、スマホ/タブレット/PCでTVを見てもらうという使い方も可能だ。
今回は「TVなしでTV番組を視聴する」という目的に特化して使い勝手をチェックしてきたが、本機からの直接出力+自宅ネットワーク経由での視聴+外部ネットワーク(モバイル通信)経由と、3つの方法で同時視聴しても動作が不安定にならないことはビックリした。品質は間違いなく高い。
今後、USBストレージをつないで、TVの録画マシンとしても運用していこうと思う。
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