【データと図解で徹底解説】 投稿頻度に依存しない長期運営CHの仕組み
この無料noteを読むと下記が学べます。
理想論ではなく、実際の運営に基づいた私の経験論です。
上記3点について以下の目次で話を進めます。
0. はじめに
こんにちは。
X(旧ツイッター)でYouTubeアナリティクス中心の発信をしていたGOです。
今はnote購入者限定の「非公開アカウント」で発信しているのですが、色々事情があってメインアカウントでの発信も少し復活しています。
自己紹介や参入ジャンルに興味ある方は、有料noteの無料部分を見て下さい。
ここでも簡単に自己紹介をしておきます。
さて、本題です。
なぜ私がこの無料noteを執筆したのか。理由は2つ。
まずこのツイートを読んで下さい。
このツイート。
下記に該当する方は「グサッと来る内容」だと思います。
事実、上記3点で悩まれている方が沢山いらっしゃるのを把握してます。
実際に「最近YouTubeが上手くいっているか?」というアンケートを取ると、以下の結果になったことからも、需要があるテーマだと思いました。
加えて、下画像の通りご指名があったので執筆しようと思いました。これが1つ目の理由です。
「トレンドばかり追いかけないで、これからは長期運営することが大切」など、表面的なツイートはよく目にすると思います。
しかし、皆さんが知りたいのは「どのように長期運営するか?」の中身ですよね。
この「中身」についての発信を見かけないので、初めての方は未知の領域だと思います。
経験上、年単位の長期運営をする場合は「トレンドの波に乗る運営とは別の舵取り」が存在するので、その中身について「一つの実例」を紹介したいと思いました。
合わせて、長期運営は投稿頻度の話もセットなので、発信する良い機会だと思ったのが2つ目の理由です。
ちなみに…
「長期」という言葉について、想定している期間に個人差があると思いアンケートを取りました。
70%以上の方が年単位の運営を「長期」としており、YouTubeがある限りずっと…という声も30%以上あります。
最近は下記のような声も聞くので、回答結果は「願望に近いアンケート結果」だと推測します。
このような界隈の空気感からも、投稿頻度に依存しない長期運営CHというのは需要があるテーマだと思っています。
特に「トレンドに乗れなくなった人」や「毎日投稿で疲れ切った人」にとっては、助けになる部分が「このnote」にあるかもしれません。
そのような方々へのメッセージも含め「何を考え、どのようにインプコントロールしながら運営していくのか?」について実例で解説します…
が…
見方によっては「こんな運営してる。すごいでしょ。」という自慢に見えると思います。
違う見方をすれば「自分のジャンルでこのnoteのような動きを積上げるには何ができるか?」という、考えるきっかけになると思います。
どちらにせよ、3日間だけ無料公開するので自由にこの情報を活用して下さい。
それでは、最後までよろしくお願いします。
1. 投稿頻度に依存しないCH とは
1項では投稿頻度に依存しない長期運営CHが「どんな動きをするか?」について、皆さんが見慣れているアナリティクス画面で紹介します。
難しいことは考えずに
という実例を見て頂くだけで構いません。
インプレッションがどうのこうの….など難しい話は後半にじっくり記載しているので、1項では長期運営の雰囲気を感じてもらえればOKです。
雰囲気を感じるって結構重要です。目指すべきルートがなんとなく見えてきますから。
1-1. 再生数の推移
さっそく、投稿頻度に依存しない長期運営CHがどのような動きをするのか見てみましょう(紹介するCHはショートなしです)。
下の画像は、2022年 1年間の再生数の推移です(運営4年目のCH)。
1年間の投稿本数が9本で4,400万再生。リアタイ20万再生をずっとキープしている状態です。
これを見た人の中には、こんな計算をした人がいるはずです。
計算は合っています。しかし、実際の動きはその計算に当てはまりません。
実際は、投稿した9本は488万再生/本まで到達しておらず、そのかわり
「高ランク動画が再生され続けている」
という状態が未投稿期間の再生数を支えています。
その証拠として、同じ2022年の過去動画含めた再生数を示します(同一CH)。この数字は2022年だけの動画単体の再生数です。
1年間で投稿したのは9本だけですが、投稿動画以外にも「数十万〜数百万再生レベルで再生され続けている動画が複数ある」ということが分かります。
上で紹介したのは2022年のデータなので、2023年 1月〜9月の途中経過も見てみましょう。2022年より更に投稿数が少ない部分にも注目してください。
低ランク動画を毎日投稿して「目標再生数 = 収益」をキープする。私はこの運営を「力技運営」と呼んでいます。
「力技運営」で走り続けて「許容範囲の新規:リピーター = 3:7ぐらい」で安定流入させ続けられる力量・体力があれば全然OKですが、今回紹介する長期運営はそのパターンではありません。
紹介するのは、未投稿期間の再生数を「一次関数的に再生され続ける動画」で構成し、投稿頻度に頼らなくても高水準で再生数をキープ。その間に「高ランク動画をじっくり制作して積み上げる」という好循環な運営です。
この運営スタイルは知ったところで「私もすぐやってみよう」と思う人は少ないと思います。
理由は簡単でこの2つ
いくら時間をかけて1本を制作しても、②を把握していないとインプがすぐ収束して積み上がりません。
投稿頻度に依存しない長期運営を目指すのであれば、②を把握⇨具体化できて当然の話です。まだ把握している段階ならば、このnoteを読む前にやる事が沢山あります。
少し厳しい言葉も混じりましたが「再生数の推移」と「どのような積み上げ方をするのか」について雰囲気は分かって頂けたと思います。
次項は、インプレッションの話も織り交ぜながら「積み上げ」について、具体的に解説していきます。
1-2. 初動多再生型と長期比例型
前項で「高ランク動画を積上げる」と記載しましたが、具体的に「どのような動画を積上げるのか?」について解説します。
まず結論。
下記2パターンのどちらかをメインにして積上げます。
と言っても…想像がつかないと思いますので、上の文章を頭に入れながら実際のグラフを見て下さい。
少しづつ話の難易度を上げていきます。
未投稿期間でも、チャンネル全体の再生数の減少幅 を少なくして長期運営したい場合、下記①, ②のどちらを「メイン」で積み上げるのかCH設計の段階で決めておくことを推奨します。
①, ②どちらにも理解しておきたい「注意点・ポイント」がありますので、それぞれ解説します。
「週1~2本 + 初動多再生型」を軸に積み上げる場合、年単位の長期運営においては難易度が少し高くなります。
理由は、初動多再生型と長期比例型を比較した場合、初動多再生型の方が「新規視聴者の流入割合」が高くなる傾向だからです。
なぜ新規視聴者の割合が増えると難易度が高くなるのか。少し深掘りします。
短期間(1週間~1ヶ月など)で多再生される動画というのは、インプレッションの範囲が広い傾向にあり、その広がりをクリック率(CTR)を下げながら刈り取っていく動きになります。
広がったインプレッションは、下画像の④近辺まで届く傾向なので、必然的に新規視聴者の割合が増えます。この画像は私がよく言う「インプレッション範囲」という言葉の基本です。
新規視聴者とは、良く言えば「潜在的なリピーター候補」であり、悪く言えば「ターゲット外・一過性のユーザーも含むユーザー」と言えます。
インプ範囲④まで広がる動画を先行させ過ぎると、「ターゲット外・一過性のユーザー」がリピーターを上回り、長期的には非アクティブなユーザーとなって長期運営の難易度を上げる要素となります。
さらに…
現在のYouTubeアルゴリズムは、直近で接触したユーザーの視聴履歴とインプレッション先に相関があり、短期でターゲット外ユーザーが積み上がると、そのユーザーの視聴履歴にインプレッション先が引っ張られる傾向です。
このイメージを示したのが下図です。例として関連インプの場合を表現しました。
上図のようなアルゴリズムなので、インプレッションの基点となるユーザーがズレると、ズレたユーザー基点のインプレッションもズレていく傾向です。
その結果、狙う層にインプレッションされたら良評価を得られるはずの動画が、ズレたインプレッション先では良評価を得るのが難しくなります。このような難易度が上がる要素もあります。
「数ヶ月に1本ペース + 長期比例型」で積み上げる場合、収益面での即効性はありませんが(コツコツ長期で刈り取る為)、年単位の長期運営には最適と考えています。
理由は一つ。
長期比例型はインプ範囲①〜③でコツコツ積み上がる為、瞬間的な新規視聴者の流入が少ないのと引き換えに、リピーター基点のインプレッションが続きます。
「リピーター基点のインプレッション」が超ポイントです。
この話は「YouTubeおすすめ機能のアルゴリズム」を理解すると納得頂けると思うので解説します。
おすすめ機能の傾向は、以下のような傾向という認識です。
リピーターとは「自CHの動画を複数回見ているユーザー」であり、簡単に言い換えると「自CHに興味があるユーザー」です。
ということは、自CHと類似した傾向のトピックを扱っているCH・動画にも興味を示し、既にそのCH・動画を視聴している可能性が非常に高いです。
この内容を上の図解に当てはめると「動画B =自CHと類似した傾向の動画」となります。つまり、自CHにまだ接触していない動画Bのユーザーは、リピーターと類似した趣味嗜好(YouTube上の話)の視聴履歴を持っている可能性が高いと言えます。
YouTubeアルゴリズムは、この「未接触であり、リピーターと同じ趣味嗜好のユーザー」におすすめする傾向なので、リピーター基点のインプレッションが許容内で安定した範囲を作ってくれるのです。
逆に、リピーターに対し趣味嗜好が異なるユーザー(ターゲット外など)が基点になると、動画Bが自CHの動画Aと趣味嗜好が異なる傾向の動画になります。
この時、動画Bを視聴して動画Aをまだ見ていないユーザーは、リピーターと視聴履歴が異なる傾向になっていることが多く、インプレッションされても興味を示さないという状況が発生します。
この状況が、よく聞く「バズ後に何を出しても反応が鈍くなる」という状態です。
こうなった場合の対処法の一つは、リピーター先行の動画でチャンネル全体の再生数を引っ張り、インプレッションの基点をリピーターに戻すという手法です(経験上 3ヶ月~6ヶ月は我慢)。
YouTubeのおすすめアルゴリズムと、長期比例型の動画の関係が理解できれば、上記のような判断・積み上げが根拠を持ってできるようになります。
年単位で運営する場合、伸び悩む苦しい時期が必ずあります。この時期に、今後どのように対応していくか?に対する根拠が明確だと、精神的にも安定して運営できます(理論=精神安定剤)。
次の項では、紹介した2つの型に当てはまる動画を自CHから見つける方法を紹介します。
1-3. 長期積上げ動画の分析法(中級編)
前項では「2つの型(以下1, 2)」の特徴と積み上げ方を紹介しました。
私が推奨するのは、自CHから上記2つの型に当てはまる動画を探して、再現する運営です。
再現とは、丸々同じ動画を制作するという意味でなく、紹介した型になった理由をトピックや台本などの点から突き止めて横展開していくイメージです。
「過去動画から2つの型を探して再現!」
「楽勝だ!」
このように思った方。半分正解ですが「かなり危険」です。
なぜならば、自CHから各型の動画を見つける際に「必ず分析すべきポイント」があるからです。これを見逃すと、長期運営の足を引っ張る要素を積み上げることになります。
今回は自CHの中から「最適な各型の動画を見つける時の分析ポイント」を紹介します。長期運営において、この内容は命綱になりますので絶対に忘れないで下さい。
それでは、各型毎に「見つける時の分析ポイント」を紹介していきます。
初動多再生型を見つけるポイントは2つあります。アナリティクスから紐解くのであれば、この2つを必ず確認して下さい。
<1. について>
1つ目のポイントは「インプとクリック率の傾きが逆になっているか?」を確かめることです。
前項でも記載した通り、初動多再生型はインプ範囲が広い傾向にあり、ターゲット外へのインプも増えます。
ターゲット外にインプされたとしてもクリックされなければ、そのユーザーの視聴履歴から今後のインプを導く可能性は低いです。これをチェックする為にインプとクリック率の傾きを確認します。
下画像のように、インプが増えた時にクリック率がしっかり下がっていれば(=余計な新規流入が少ない)、再現すべき動画の要素を持っていることになります。
繰り返しですが、インプ範囲が広い場合に「クリック率が下がる」ということは、ターゲット外をスクリーニングできている可能性が高いとも言えるので、長期で積み上げる動画としては良い傾向だと判断してます。
「クリック率が下がるとYouTubeからの評価が下がるのでは?」と思う方がいると思いますが、そんなことはありません。
YouTube側は、インプ範囲が広い時にクリック率が下がる傾向を把握しており、その証拠として下画像のコメントを出します。サムネ・タイトル起因の低クリック率とは意味が全く違います。
「もっと解像度高く紐解きたい」という人は、トラフィックソース単位まで分解して傾きの比較をして下さい。
具体的にいうと、下画像の通り「先行するトラフィックソース」で傾きの確認をします。先行するトラフィックソースとは、チャンネルの流入割合が多いトラフィックソースのことです。
以上が、1つ目のポイントでした。
長期運営では「クリック率の値」でなく、そのクリック率で囲った範囲に着目するのが大切です。
「ひたすら高クリック率を狙う運営」をやっていた人が長期運営に移行する場合、上記のような視点を追加で意識してみて下さい。
<2.について>
2つ目のポイントは「関連流入元にターゲット外からの良スコアがないか?」を確認することです。
関連流入元に関するアルゴリズムは「良スコアを得ている流入元にインプを追加付与する」という傾向があります。
したがって、ターゲット外の流入元で良スコアを得た場合、その方向にインプが広がっていくことになるので確認します(下画像のイメージ)。
関連流入元でチェックする数値は、以下の優先度で確認します。
下の画像の通り、詳細モードで「ターゲット外」からの各数値を確認して下さい。
ここでいう「ターゲット外の動画」というのは、自CHに対し扱っているトピックの傾向&ユーザー層が異なるような流入元動画です。
「なぜ優先度1位がクリック率じゃないのか?」と思う人もいるかと思いますが、クリック率というのはあくまでも「入口の数字」でしかありません。
YouTubeヘルプにも記載がありますが、最終的には「どれだけ継続して見られていて、どれだけの視聴時間を確保できたか」が重要な指標となっています。
つまり、ターゲット外からのクリック率が良くても「見られていなければ」そのユーザー基点のインプレッションは発生しにくいです。逆を言うと、ターゲット外からのクリック率が悪くても「見られていれば」そのユーザー基点のインプレッションが発生する可能性はあります。
この考えがあるので、まずはターゲット外からの再生率を確認し、全体の平均値より良ければ「初動多再生型を再現する不安要素」とします。
次は「総再生時間の増加率」を確認します。
ここでいう増加率とは「横軸に再生数・縦軸に総再生時間」とした場合の「グラフの傾き」を指します(数学的には違うかもしれませんが)。
上グラフの通り、流入元A・Bがあったと仮定します。
この2つの流入元は、再生数の増加量に対し再生時間の増え方が異なるので、貯まる総再生時間に開きが生じていきます(流入元Aの方が再生時間が溜まりやすい)。
このような場合、流入元BよりAの方が再生数が少なくても、総再生時間はAの方が多くなるというパターンがあります。
仮に「流入元A = ターゲット外」だった場合、流入元Bより再生数が少なくても再生時間の増加率に優位性があります。結果、流入元Aのユーザー基点でターゲット外にインプが広がる可能性があります。
この状況は初動多再生型だけでなく、長期比例型においても不安要素となるので、ターゲット外から長く見られている要素を把握⇨再現しないようにします。
上記を確認する為にグラフを作る必要はなく、関連流入元で下記の見方をすればOKです。
まずは、流入元上位20位ぐらいまでにターゲット外流入元があるか確認し、上記の見方をしてみて下さい。この確認作業で、ターゲット外に長く見られている動画を抽出し、そうなった要素をしっかり「不安要素」として把握します。
1. 2. に共通して言えることですが、ターゲット外を呼び込んだ場合は「なぜそうなったのか」を必ず要素分解して、悪い要素を再現しないようにします。下図の各項目をチェックすればどこかに当てはまるはずです。
結果が良かった場合も同様に「何がそうさせたのか?」を考えましょう。これは動画の振り返り作業ですので、習慣化させておく事を推奨します。
次に最適な長期比例型を自CHから見つけるポイントを説明します。ポイントは3つです。
<1.について>
1つ目は「クリック率の推移が横ばいか?」を確認することです。
インプレッションが右肩上がりになる長期比例型は、クリック率が横ばいになり「インプレッション範囲が一定になる」という傾向があります。
この実例は下画像の通りです。
1ヶ月単位などで確認して、右肩下がり・極端な右肩上がりになっていなければOKです。
クリック率が横ばいでインプ範囲が一定の場合、派手な拡散はありませんが、ターゲット外の割合が少ない濃いユーザーを集めることができます。
この内容が分からなければ、インプ範囲の画像を復習してみて下さい。
クリック率が一定ということは、上の画像で言うとインプ範囲②〜③以下におさまり続けている傾向です。その結果、②〜③のユーザーが新陳代謝しながら接触し続けることになります。
このユーザーはリピーターに近い属性なので、連れてくる新規も必然的にリピーターに近い属性となります。この循環が長期運営でも新規動画の反応を鈍らせず、安定したインプ範囲をキープする秘訣です。
投稿後すぐのクリック率だけでなく「長期的にどのように推移して、どのようなユーザーを集めているか?」までを紐解いていく事が重要だと考えます。
<2.について>
2つ目は「新規視聴者 < リピーター になっているか?」を確認することです。
ここまで理解できた方は、リピーターを先行させる理由に察しがついたと思います。
答えを言うと、リピーターを基点としたインプレッションがチャンネル全体のインプ範囲を安定させるからです。長期比例型ではこれが命です。
実例で見ると、下画像のようなイメージです(動画単体のアナリティクスです)。
新規視聴者とリピーターのグラフが同じ形で推移する長期比例型の動画を見つけてみましょう。
このような推移の動画を積み上げると、新規視聴者が先行する動画を出した場合でも、積み上げた動画のリピーターが「一時的に先行した新規視聴者」を薄めてくれます。
つまり、動画単体で見ると「新規視聴者が先行する動画」でも、チャンネル全体で見た時は「リピーター」が先行するので、インプレッションの方向ズレを抑制できます。
こまけーよ!
と思うかもしれませんが、この舵取りが2年・3年するとアベレージ再生数に大きく影響します。
<3. について>
3つ目は「関連分散しているか?」を確認することです。関連動画が先行しているチャンネルは必須で確認して下さい。
そもそも、関連分散とは何か?
関連分散とは「関連流入元が複数存在し、流入元TOPでも10%以下」という状態です。イメージを図で表すと以下のよう感じです。
上図の通り、関連分散すると「複数の流入元」が詳細モードにびっしり並びます。対して通常の関連流入は「数本の流入元」に依存している状態です。
両者が同じデイリー再生数でも、長期比例型になりやすいのは圧倒的に「関連分散型」です。
例えると、収入において「複数の収入源」がある状態が関連分散型。複数の収入源があれば、一つコケても極端に収入が減ることはないです。
収入源分散=関連分散型は、一つ一つの量は大きくないです。しかし、それが集まることで大きな量になります。
さらに、関連分散は「複数の流入元が入れ替わる」という特徴があります。流入元の再生数が止まっても、数%のブラウジングから新しい流入元を紐付けるアルゴリズムになっており、この動きが関連先行チャンネルの長期比例型を支える肝となります。
逆に、流入元が数本に依存しているパターンは「その数本の再生数が止まると自分の動画も止まる」ことを意味します。長期比例型にはなりにくいので、再現すべき動画からは外します。
実際の関連分散は、下に示すアナリティクスの通り「流入元が詳細モードのエクスポート機能500件に収まらない」という状態になります。
少し難しく感じたかもしれませんが、以下の手順で関連分散しているか確認すればOKです。
上図のように関連分散を確認して「長期比例型のグラフ + 流入元TOPでも10%以下ぐらい」であれば、再現すべき動画の要素を持ち合わせていることになります。
1-4. 長期積上げ動画の分析法(初級編)
1-3項の内容が難しく感じた方も多いはずなので、初心者でも長期積上げ動画を簡単に見つける方法を紹介します。
最初からそれを教えろよ!
と思われた方がいるかもしれませんが、長期積上げ動画を判別する精度の高さは1-3項で紹介した見つけ方です。
以下で紹介する見つけ方は少し精度が落ちますが、アナリティクスから紐解いた事がない方はこのやり方で見つけてみましょう。
まずはPC版のアナリティクスでチャンネル全体の再生数を「投稿に空きがある期間」で表示させて下さい。投稿の空きについては、チャンネルによって様々ですので1週間でも1ヶ月でも構いません。
期間をカスタムしたら、投稿が開いている前後の動画の「投稿日」をメモして下さい。上画像の場合は、赤線が出てる2つの動画です。動画マークにカーソルを合わせると投稿日が表示されます。
次にチャンネル全体の詳細モードを開きます。期間を「メモした2つの動画の投稿日」にカスタムして、再生回数順に並び替えます。
この中から、3ヶ月以上前に投稿した動画をピックアップします。
次に、ピックアップした動画の詳細モードを開いて、トラフィックソースの推移を確認します。期間は「メモした2つの動画の投稿日」でカスタムして下さい。
カスタムした期間で常にレコメンド機能(ブラウジング or 関連動画)が反応していれば、長期で積上げるの動画として問題なしと判断します。
レコメンド機能が反応し続けているということは、YouTube側がおすすめし続けたいということを意味するので重要な確認ポイントです。質の悪い動画は初動で収束するのでこのような動きにはなりません。
まとめると、未投稿期間の再生数上位の中で「3ヶ月以上前にアップした動画」をピックアップし、その中から「常にレコメンド機能が反応している動画」を探して再現候補にするということです。
誰でもできると思いますので、50〜100本以上動画を投稿しているチャンネルで確認してみて下さい。
2. 長期運営CHのアナリティクス解説
低頻度投稿で長期運営しているCHの内部データを公開します。
内部の動きを知ることで、投稿頻度に依存しない長期運営をした際に「正しい方向に向かっているか?」を判断する指標になると思います。
私がよく扱う関連先行だけでなく「ブラウジング先行」のパターンも取り上げます。
2-1. リアタイの構成
投稿頻度に依存しない長期運営チャンネルを「リアタイ」という視点で見てみます。
下画像が実際のリアタイです。赤枠で囲った「公開日」と「各動画の過去48時間」に注目して下さい(画像クリックで高解像度になります)。
まずは「公開日」に注目してみます。
リアタイ42万再生に貢献している「上位動画全てが1年以上前に投稿した動画」という構成になっています。
このチャンネルは「長期比例型」で積上げているので、過去動画が1-2ヶ月で収束することがありません。投稿頻度も数ヶ月に1本なので、リアタイ構成の上位が過去動画となります。
見慣れないリアタイ構成だと思いますが、長期比例型で積み上げた場合はこれがオーソドックスな構成です(良い健康状態)。
次に動画毎の「過去48時間」という部分を見てみます。
過去48時間という部分は、動画毎のリアタイが表示されています。つまり、上位の過去動画はリアタイ2万再生以上で回り続けているということです。
もう少し分解して見てみましょう。
上位動画が「本当に長期比例型で積み上がっているのか?」を分かりやすくしたのが下画像です。
画像の通り「長期比例型」で積み上げると、リアタイが右肩上がりの動画で構成されます(理想論でなく実際にこうなります)。
ここでお伝えしたいのが、このような構成になるには「時間が必要」ということです。1本や2本だけではこのような動きにはなりません。
年単位でコツコツ積み上げ、その積み上げがリアタイの底上げに繋がっていきます。すぐ結果を求める人・短期で収益を最大化したい人にとっては相性の悪い運営です。
もし長期比例型で積み上げる際は、このような構成を道標にすると「間違った方向にはいってないな」という精神安定剤になると思います。
2-2. 高ランク動画乱立時のAI挙動
リアタイ構成が長期比例型の場合、チャンネル内が「高ランク動画の乱立状態」になることがあります。長期比例型になる動画は「おすすめされ続ける = 高品質な動画」なので、このような状態になることは必然です。
この状態で「高ランクの新規動画」をアップすると、初動が鈍くなるという事象が発生します。
初動が鈍くても後から長期比例型になる動画があり、そのような動画には「共通点」があります。これを知っていると、初動だけで判断せずに長期で1本の動画を判断できるようになります。
その共通点が下記2点。
この2つを満足していると、初動が悪くても時間差で長期比例型になるパターンがあります。それぞれ説明します。
チャンネル内に高ランク動画が乱立すると、新規で高ランク動画を出してもチャンネル内の相対評価でおすすめの順番待ちのような状態が発生します。このイメージが下図です。
この図の「補欠合格 = 98点の動画」を投稿した時、合格枠の動画が高ランクすぎてインプレッションがそこに食われてしまうパターンがあります。経験上、長期再生動画が乱立すると頻繁に発生します。
このような状況でも心配不要です。
高ランク動画による有効な視聴時間(再生時間)が溜ると枠が広がり、補欠合格の動画が時間差で合格枠に入る時があります(下画像が実例)。
合格枠に入る前の動画 = 補欠合格動画は、合格枠に入るまでの期間で「レコメンド機能が反応し続ける」という特徴があります。この時、普段と異なるトラフィックソース割合になる事も多々あります。
実例を見ていきます。
例えば、私のチャンネルは「関連動画」が先行するチャンネルですが、新規動画をアップしたところ下画像のような動きをする事があります。
関連動画先行のチャンネルなのに、初動で「ブラウジング機能・YouTube検索」が大半を占めています。更に、平均再生数が20万再生のチャンネルなのに初動24時間の再生数がたった2,291再生。
この状況になる時は「傾向として」下記のどれかである可能性が高いです。
上記の確認内容が理解できる方は、過去動画を振り返って確かめてみて下さい。難しいと感じた方は、無理して理解しようとしなくてOKです。
話を戻して、実例紹介した「初動悪い動画」がどうなったかのか見てみましょう。
初動24時間でたった2,000再生程度だった動画が、600万再生以上まで「長期比例型」で伸び続けています。先行するトラフィックソースも通常通り「関連動画」が先行しています。
この動画は初動1週間の段階で「パターン4. のインプが押さえつけられている状態」と判断したので、サムネ・タイトル変更などせずに、ひたすら優先権を得るまで待ちました。
アナリティクスが見れるようになると初動で慌てる事がなくなります。この実例も根拠ある放置ができたからこそ600万再生まで伸び続けています。不安な思いをしながら待つのと比べて、アナリティクスから根拠を持つことはメンタル面でも支えになります。
せっかくなので他の事例も見てみましょう。
こちらの動画は、映像に他ジャンルのアイディアを掛け合わせて変数を持たせた動画の初動です。
予想通り初動で全く伸びず(映像に大きな変数を持たせたので)、チャンネルで先行するトラフィックソースが関連動画なのに「YouTube検索」が先行しています。上記でいうとパターン2. です。
この状況でも焦る必要はなく、YouTube検索のクリック率がチャンネル平均(YouTube検索の)と同等な上に、再生率がレコメンド機能より大幅に良い数値なので後伸びする可能性が高いと予測しました(他にも関連動画を流入元単位までバラした分析作業もしています)。
この後どうなったのか見てみましょう。
YouTube検索が先行していた初動に対し、チャンネルで先行するトラフィックソースである「関連動画」に切替わりました。
関連動画に切替わってからは、10%前後のブラウジングで基点で新規流入元を拾ってきて関連分散するお決まりの流れです。結果、こちらの動画も100万再生を大きく超えるような長期比例型の動画になっています。
これらの実例からも、初動の伸びに関係なく「長期比例型」に移行する動画があるというのを分かってもらえればOKです。
「関連動画とブラウジング機能の関係」をもっと詳しく知りたい方は、下の有料noteに記載していますので読んでみて下さい。詳細モードの開き方から分析の仕方まで網羅しております。
初動が悪くても長期比例型になる動画の共通点2つ目は、各数値に良質な異常値があるということです。
良質な異常値は私が勝手に作った言葉で「チャンネル平均値に対して圧倒的に良い数値」を意味します。
良質な異常値を見つける際のポイントになるのが「バズを含まない直近28日間の平均値」と比較することです。バズを含ませない理由は、バズ期間で得られるスコアは極端な値になっている事があり、含めてしまうと平均値がバズに引っ張られるからです。
具体的には、詳細モードで下画像の通り比較して良質な異常値の有無を確認します。
初動が悪い時というのは、純粋にユーザーからの反応が悪かったパターンが大半ですが、そうでない場合はインプレッションの範囲を狭めて絞られるパターンもあります。
「インプが絞られている = インプ範囲狭い」時に良質な異常値があるということは、純度が比較的高いユーザー群からいつも以上に評価頂いているということなので大切なポイントです。
このような視点で良質な異常値を初動の段階で探してみて下さい(図にはない指標を比較してもOK)。
2-3. 長期再生動画×関連分散の関係
長期再生動画のトラフィックソースには特徴がありますので、細かく見ていこうと思います。
最初に結論を言うと「ブラウジング先行・関連動画先行」どちらが先行するチャンネルでも「関連分散」という共通した特徴があります。
と思った方もいると思いますが、ブラウジングでも長期で伸びる動画は関連分散が支えるアルゴリズムになっています。
本項では、長期再生動画のトラフィックソースをアルゴリズムの観点で考察していこうと思います。正直、YouTubeやる上で知らなくても全然OKな内容ですので、読み流すだけでも大丈夫です。
2-3-1. ブラウジング先行型
ブラウジング機能が先行するパターンでも、長期比例型になるパターンがあります。まずは実例を見てみましょう。
下画像は、ご依頼によりアナリティクス分析させて頂いた方のチャンネルです(運営者様の許可頂いております)。
トラフィックソースの割合は以下の通りです。
このトラフィックソースの割合で注目すべきは「関連動画10.9%」です。この関連動画でのユーザー接触が持続的なブラウジング拡散の要となります。
更に深掘りする為に関連流入元をエクスポートしてみると、500件を超える関連分散になっていることも分かりました。
なぜこのような状態になるとブラウジング先行でも伸び続けるのかというと、下図のようなアルゴリズムだからです。
ブラウジング先行で長期伸びする場合、関連動画でブラウジング先候補にインプレッションします。この接触で得たユーザー情報を元に、ブラウジングでもインプレッションしていく流れです。
この流れに関連分散という状況を当てはめると、ブラウジング先候補を決める関連接触が複数ある状態となります。そして、この関連流入元が長期で入れ替わるのでブラウジングも安定するのです。
数値の動きとしてはクリック率に特徴があり、下記のようになります。
ブラウジング先候補を探す役割を持つ関連動画は、少し広めのインプ範囲になる為、ノイズとなるユーザーも一定数います。ノイズとなるユーザーはクリック率が低い傾向にあり、ここでスクリーニングされるとブラウジングの層が整います。結果、クリック率を比較すると下図のような傾向となるのです。
クリック率を数値でしか判断できない人は、この状況で
「関連動画のクリック率を改善しなきゃ!」
となるのですが、これは長期運営において注意した方がよいです。なぜなら、実例のようなブラウジング先行の関連分散で「関連のクリック率」を上げると、その数値で囲ったユーザーにノイズも含まれる為、ブラウジング先もノイズ方向にズレる可能性があるからです。
長期で安定したチャンネル運営をするコツの一つとして「トラフィックソース毎」にクリック率を分解し、そのクリック率でどんな範囲を囲っているのかを把握することが大切です。
ここまで理解できた方は、その動画を基点とする「高ランク回遊先動画の制作」を推奨するのですが、この話は3-2.で詳しく解説します。
2-3-2. 関連先行型
次は「関連先行」で長期比例型になるパターンを解説しますが、解説する内容はありません。なぜならば、既に解説したからです。
は?
実は、前項で解説した「ブラウジング先行型」と同じロジックです。違う部分は、長期拡散のきっかけとなるトラフィックソースだけです。
具体的にいうと、ブラウジング先行の場合は「関連動画でブラジング先候補を決める接触」がありましたが、関連先行の場合は「ブラウジングで関連表示先候補を決める接触」があります。
先行するトラフィックソースで拡散させる為のきっかけ作りが違うだけで、基本ロジックは同じということです。
これはデータの観点からも明確です。この辺りのアルゴリズムを実例で学びたい方は、もう一つのnoteの「5-1.インプ範囲の推測方法 ②流入元選定のアルゴリズム」という項目を読んで頂ければと思います。
実際に関連先行の長期比例型を見てみましょう。下の画像は、私のチャンネルの長期比例型動画の一つです。
トラフィックソースの割合は以下の通りです。
ブラジング先行同様に、重要なのは割合が一番多いトラフィックではなく「16.2%のブラウジング機能」です。
関連先行の場合、ブラウジング機能で接触したユーザー情報(移動履歴)を元に、関連表示先を決めていきます(相対的なスコア比較も重要な要素です)。
結局、どのトラフィックソースでユーザー情報を得るのか?がブラウジング先行と異なるだけで、拡散に至るロジックは同じという認識です。図で表現すると下図の通り、ブラウジング先行に対して「ブラウジング機能・関連動画」が逆になっただけになります。
もし、関連先行の長期比例型でブラウジング流入がほぼなくなり、関連動画だけのような状態に近づいた場合は、関連分散してる流入元の入替わり頻度が少なくなる傾向なので長期再生にブレーキが掛かるパターンがあります。
一方で、ブラウジング流入が数%含まれている状態だと、長期で関連分散して「安定したインプ範囲をキープ」しながら伸びていきます。このあたりの話は、私が過去にツイートした「関連分散型」の図解ツイートを読んでみて下さい。
関連先行の数値の特徴はブラウジング先行と同じです。クリック率とトラフィックソースの関係が以下のようになります。
ブラウジングで広めにインプを飛ばして、潜在的なユーザー候補への接触を促します。このインプで接触したユーザーの移動履歴(傾向)から、関連動画への表示先を決めていく流れです。クリック率の関係は下画像を参照頂き、関連動画 > ブラウジング になっているか確認して下さい。
関連先行で長期比例型になっている動画は、定期的にクリック率がブラウジングを上回ってないか?を確認するのがおすすめです。この数値バランスが狂い始めると、関連表示先も狂い始めるパターンがありますので、長期運営で長期比例型の動画を保有している人はアナリティクス確認項目に入れておきましょう。
もし、ブラウジングのクリック率が関連動画を上回り始めたら、上回っている期間でカスタムして関連流入元の属性確認を必須で行います。この微妙な軌道修正を年単位で続けられると、登録者が積み上がっても安定した高拡散率を連発できる長期運営ができるようになります。
3. 再生数を長期安定化させるロジック
3.項では、高再生数を年単位で叩き出しながら長期運営してきたノウハウをシェアします。
理想の長期運営(年単位・本数依存しない・収益を落とさない)を追い求めて、数えきれないぐらい失敗をしてきましたが、その中でも結果が出た内容になります。
意識的な部分からテクニック的な部分まで皆さんにお伝えいたします。
3-1. 新規基点のコントロール
「新規基点をコントロールする」という内容について解説します。この内容は超重要な部分なので、読んだ後に自チャンネルを振り返ってみて下さい。
前項で解説した通り「ターゲット外で良評価」を得ると、その方向にインプレッションが広がっていく傾向というのは理解できたと思います。
一方で、長期運営するには「新規の視聴者」を取り入れる必要があり、新規視聴者にはノイズとなる「ターゲット外ユーザー」も含まれます。少なからず相反する部分があります。
つまり、バランス良く新規視聴者を取り入れながらリピーターでインプ範囲を安定させことが肝となるのです。
深掘りします
インプレッションには必ず「基点」となるユーザー(集合)が存在し、基点から放射状に広がっていきます。
この広がりが許容内に収まれば長期的にも問題ないのですが、基点がズレるとそこから広がるインプ先もどんどんズレていき、最終的には許容外になります。このイメージが下画像です。
私の長期運営は、上図の青色の範囲かつ中心付近をインプ基点として狙います。経験上、許容円の中心付近に基点があれば「拡散」が起こった際もインプの端は許容円に残ります。
仮に上図の「基点1」が新規視聴者の基点となった場合、青色の範囲から遠くなる方向にインプがズレていきます(最終的には基点3が新規視聴者の基点となってしまう)。そうすると、青色の中心付近で反応が得られず「何を出しても反応が悪い状態」となります。
例えば私のCHの場合、許容外まで飛んだ時は「流入元TOP50以内に2つ隣ぐらいのジャンル」が紐付きます。更に、時間経過と共にその流入元が上位に寄ってきたときは、基点がズレた動画として「非公開」や「限定公開」にする対応を取ります。同時に、基点がズレた要素を考察して以降の動画に盛り込まないようにします。
ここで皆さんが知りたいのは下記ですよね。
私なりの調べ方を共有します。マニアックな方法は除いて、比較的簡単に調べる方法は2つあります。それが下の2つです。
それぞれ解説しますが、ここまでアナリティクスで紐解くかは趣味の領域かもしれないので、理解できなかったからといって運営に悪影響が出るわけではないので気にしないで下さい。
<① 関連流入元の属性確認>
トラフィックソースに関連動画からの流入がある動画には有効な手段です。ブラウジング先行・YouTube検索先行の動画でも、関連動画が10%ほどあれば有効です。
基本的にはここまで何度も記載してきた「詳細モードで関連流入元を確認する」といった内容です。今のYouTubeアルゴリズムは、接触したユーザーの視聴履歴より流入元を引っ張ってくる傾向にあるので、それを利用した紐解き方です。
まず、確認したい動画のYouTubeアナリティクスをPC画面で開いて下の画像の通り操作して下さい。
詳細モードをクリックすると下画像の画面になりますので、①〜②の手順でクリックして下さい。
関連動画をクリックすると、下画像の通り「どの動画の関連に表示されたのか?」が関連表示先毎(=関連流入元)に表示されます。デフォルトが直近28日間のデータなので、画像の通り「拡散を含む期間」にカスタムして下さい。
関連流入元が表示されたら「拡散を含まない直近90日間、チャンネル全体の関連流入元」等とも比較して、下記を確認して下さい。
まずはこの3つだけでも確認して「普段との違い」を発見してみましょう。これならば出来そうな気がしませんか?慣れないうちは、細かく数値確認までしないでOKです。
2つ目の「バズ動画からの流入がないか?」を確認する意味は、ユーザー層が広い動画からの流入には自CHにとってノイズとなるユーザーが多く含まれる事があるからです。このイメージが下画像です。
上図のような動画と紐づいて自CHの動画スコアが乱れた場合、流入元のバズ動画が収束するまで「非公開」にするという手段があります。収束した後に再公開します。
この対応を取ると一時的な再生数・収益は逃しますが、それと引き換えに「狙ったユーザー」だけを取込んで「未来の安定したインプ範囲」を得る事ができます。
結果的に、一時的に逃した再生数・収益を安定したインプ範囲によって時間差で取り返せる事もありますので、長期運営の場合はこのような舵取りも検討してみて下さい。
私の場合、初拡散以降の全期間で流入元(チャンネル単位)を流入量の割合で比較します。期間毎の割合はYouTubeアナリティクスでは表示されませんので、アナリティクスからアナリティクスを作るという作業をします。実際に作成したグラフが下画像です。
横軸が期間、縦軸が割合です。期間毎に、どのチャンネルからの流入が多いのか色で一目瞭然になります。他にも、流入元チャンネルとその割合の推移が明確になり、普段流入しているチャンネルかどうかも分かりやすくなります。
この作業は「どのチャンネルとユーザー共有しているか?」を調べる際の材料にもなります(流入元の整理は、ユーザー共有の観点でいくとINの整理になります)。
<② 空アカウントを利用したレコメンド確認>
いわゆる「小手先のテクニック」に入る内容かもしれません。類似した内容は既にX内で見かけたことありますし、さらっと説明します。
内容は下記です。
ユーザー層がズレたか確認したい動画だけの視聴履歴をつければ、その動画を見たユーザーの他に見ている動画がTOPおすすめに表示される傾向です。このアルゴリズムの傾向を利用するのが、②の方法です。
仮にユーザー層がずれている場合、STEP4のTOPおすすめにはズレた層が見た他の動画が表示されるので、自CHのジャンルや扱っているトピックと異なる傾向になる場合が多々あります。
この表示結果を直近90日間の流入元と比較してズレを推測します。①, ②どちらもセットで確認すると精度が上がります。
この手法のデメリットは、おすすめアルゴリズムが変われば活用できなくなる可能性があるという事です。あくまでも、今のアルゴリズムだからこそ成立する時があるという認識でお願いします。
3-2. 非公開による回遊先の最適化
回遊を意識する際に「非公開」を使いこなせるようになると、長期運営チャンネルを最大限活かせるようになります。
本項では「回遊」「非公開」の2つに注目して解説していきます。
本数依存しない長期チャンネルの場合、下記STEP1~7の流れが生まれるとスーパーマリオでいう「スター状態」に突入します。スター状態とは、数ヶ月投稿しなくてもチャンネルの月間再生数が落ちなくなる状態です。
STEP4以降は運営者側でコントロールするというより、優秀なAIに頼ります。つまり、運営者が力を入れるのはSTEP1~3です。
STEP7までを全て満足した状態が「2-1項 リアタイの構成」で添付した実例です。その実例に「実際の回遊・レコメンド機能の反応」を追記したのが下画像です。
未投稿期間でも再生数を維持する為には「チャンネル内回遊」が必須と考えています。私が特に注目しているのは「レコメンド回遊」です。
回遊には下記「2種類」あると考えており、有効なインプレッションとしてカウントされる②のレコメンド回遊が特に重要と考えています。
重要視している②を簡単に説明すると「自CHの動画を視聴後、AIがおすすめする自CHの動画を連続視聴。又は連続に近い視聴履歴となる」というイメージです。
上記が重要な理由は、視聴履歴が自CHの動画で隣接傾向にある場合、そのユーザーに対し自CH動画のおすすめ頻度が「直近」で増える傾向だからです。
最近のアルゴリズムは視聴履歴に対する反応が早くなっているので(蓄積された同傾向のユーザー情報より、最適な動画をおすすめするまでのスピードが早い)、そのような傾向なのだと推測します。
更に「有効なインプレッションによる接触がレコメンド機能を反応させる要素として影響度が大きい」というアナリティクスからの感覚があるので、②を重要視しています。
レコメンド回遊がチャンネル全体で広まり始めると「回遊基点のレコメンド機能」が反応し始めます。そのインプレッションで接触した新規が回遊し始めて、この回遊によりまた新しいレコメンド機能によるインプレッションが発生します。この無限ループのような状態を示したのが下図です(画像クリックで解像度上がります)。
私の長期運営はこの図が全てです。
沢山の検証を繰り返し、ようやく辿り着いた投稿頻度に依存しない長期運営の答えです(私なりの)。
アルゴリズムがどんなに変わっても影響を受けず、逆にその恩恵を受け続ける強度ある運営だと思っています(回遊したくなる・オススメしたくなる動画の集合体になっているから)。
私の回遊に対する視点は以上です。次に、回遊の肝となる「非公開」について解説していきます。
回遊を築く為に肝となるのが「非公開」です。
「レコメンド回遊」を途切れさせないようにするには、相対評価が低い動画を非公開にして、高ランク動画だけに接触させ続けることが大切だと考えます。これについては様々な意見が飛んできそうですが、事実としてこの方針でジャンルTOPの平均再生数を維持し続けています。
高ランク動画だけに接触させるイメージは下画像です。
どんなに高ランク動画が乱立してるチャンネルでも、相対的にスコアが悪い動画は存在するはずです。そのような動画にユーザーが接触すると、せっかくの回遊チャンスを逃して他CHの動画に移動してしまいます。同時に、レコメンド回遊のきっかけ作りにブレーキを掛けることになります。
このような状態を防ぐ為に、相対的にスコアが悪い動画は非公開にします。数百万再生されていても心を鬼にして非公開です。下の画像は、同一チャンネル内で非公開にした動画達です。
非公開はボタン一つで設定できるのですが、私がこだわるのは「非公開にすべき動画の判断」です。
伸びていない = 相対的に評価されていない = 非公開にすべき動画…とは限りません。
非公開一つとっても、データとしっかり向き合って根拠ある非公開設定をします。その判断基準となる指標が下記です。
この2点について解説します。特に「相対的維持率の確認」は最重要項目ですので、これだけでも覚えて下さい。
<①:相対的維持率の確認>
相対的な維持率の確認は、PC版のYouTubeアナリティクスで見る事ができます。スマホでも確認できる「維持率のグラフ」とは別物です。
相対的な維持率のグラフとは、YouTube上の同等尺の動画(競合含む)と比較した視聴者維持率です。つまり、競合の動画に対してどれだけ「離脱ない・ある」が丸分かりになる指標です。YouTubeアナリティクスで数少ない「相対的なスコア」を確認できる指標です。
相対的維持率を確認したい場合、動画のアナリティクス画面を表示させて下画像の「エンゲージメント」をクリックします。
エンゲージメントをクリックすると視聴者維持率のグラフが表示されるので、その下に「青字で記載がある詳細」という部分をクリックします。
詳細をクリックすると下画像の画面に切替わるので、赤枠で囲ったタブから「他の動画との比較」をクリックします。
「他の動画との比較」をクリックして表示されたグラフが「相対的な維持率のグラフ」です。表示させたら、以下を確認して非公開の判断材料にします。
上記3つ全てに当てはまっている場合、この指標だけでも「低ランクでおすすめされ難い動画」として覚えておきます。
平均ラインというのは「偏差値50」だと思って下さい。そう考えると、平均ラインより少し上(偏差値55)だからといって、この指標だけで「高ランクな動画」と判断するのは難しいです。この考えをもとに、全体の4割以上が平均ラインより下ということは「維持率の観点で競合に埋もれた動画」と判断します。
また、冒頭で許容する視聴者だけにスクリーニングする手法(冒頭で離脱させる手法)を使ったとしても、下から2本目のラインを下回るということは「許容するユーザーも離脱しているかもしれない動画」という目線でみます。③も同様の内容です。
自CHで「伸びてない動画・伸びた動画」を相対的な維持率で比較し、伸びた動画に対し共通して劣っている部分を見つけるのもおすすめです(①〜③に拘らずに)。
<②:レコメンド機能の反応確認>
レコメンド機能が反応し続けているということは、YouTube側がおすすめしたい動画ということです。逆を言うと、初動以外でレコメンド機能があまり反応していない動画は、何かしらの理由で「積極的におすすめしない動画」という位置付けになっていると解釈しています。
上記の考えをもとに、非公開にする動画の判断材料の一つとして「レコメンド機能が反応し続けているか」を確認します。ここで言うレコメンド機能は「ブラウジング機能・関連動画」どちらも含みます。
具体的な確認方法は下記の通りです。
確認内容を全てまとめると、以下がほとんだ当てはまる動画は問答無用で非公開にします。
確認の過程で「レコメンド機能が続いていて再生率も良いのにインプが収束気味」の動画は、チャンネルの先行するトラフィックソースでクリック率を確認します。
確認の結果、クリック率がCH平均より低い場合は「ユーザーの入り口」が弱いだけで、サムネ変更で息を吹き返す時があります。
以上が非公開による回遊先の最適化でした。
4.あとがき
最後まで読んで頂き有難うございました。
アナリティクス基点の運営は一般的ではないかもしれません。しかし、最終的には感性でやっている方と同じ領域の「視聴者ファースト」にたどり着きます。
このような運営方法も「選択肢の一つ」として皆様に届けたかったので、読んで頂けて大変嬉しく思います。
SNS上では「アルゴリズム理解より〜」「アナリティクス見るより〜」など定期で見ますが、そもそも「〜より」なんて話は存在しません。なぜならば、人への接し方が無数にあるのと同じで、YouTubeへの取り組み方も無数にあるからです。
取り組み方は「個性」です。
SNS上での極端な訴求・ポジショントークに左右されず、自分の運営スタイルを突き詰めてみて下さい。小さな結果でも出ているならば尚更です。これがYouTubeの楽しい部分でもあります。
どんなアプローチでも「自分なりの運営論」の発信がこの界隈も増えればいいなと思っています。最近は皆同じ事を言っているので個人的にはつまらないです。
これを読んだ方は、自分なりの運営論をポストしてみてはいかがでしょうか?もしかしたら猛者の目にとまって新しい交流が始まるかもしれません。
私はよく「アルゴリズム」について触れますが、私が触れているのは局所的な動きがメインです。もっと本質的な部分を学びたいのであれば、生パスタさんのこちらの動画をおすすめします。
アナリティクス関係では、野良ネロさんの定期購読マガジンもおすすめです。
最後に、このnoteを読んだ感想・自CHに当てはめた時に気づいた事など「引用ポスト」で教えて下さい!
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