READY TO POP 雑感
私にとってのINI 2ND ARENA TOURが宮城公演2日目に幕を開けたのでその話をします。
今年の頭に福フェスに行ったとき、終演後にSNSで流れてきた感想と自分の感想がまったく違ったことがあってその場にいないと分からないことが多すぎるのに一部の声の大きな誰かの発信がすべてになってしまうのがすごくすごく嫌で、自分の目で見たもの・感じたものしか本当の意味では信じられないんだなということを感じていた。だから今回のツアーも他人の感想に左右されないように、熱量を一切吸い込まない真っさらな心のままで挑みたいと思っていて(先入観はゼロに近いほど良い)有明公演を皮切りにツアーが始まってからの一週間は、友人と一緒にSNS断ちをしていました。自分にとっての大切な公演に対して取る態度は自分だけが理解出来ればそれでよかったんだけど、友人も同じスタンスでいてくれたので心強かった。公式のポストだけ見ようねって決めていたから公演後に上がった写真の情報量が通常の3倍くらいに感じられて、何度も何度も拡大してはあれやこれやと内容を想像をする時間も楽しかったな〜。京セラドームのサプライズ発表の瞬間がTikTokに上げられていたのを見た時、普段あんなに綺麗な匠海くんが涙を流す時はまるで子供みたいに顔をくしゃくしゃにしてそれを必死に見せないようにしているのを見て、あぁ私はなんて人に神さまを背負わせようとしているんだと何度目かわからないけど思ったりした。
【セットリスト】
SPECTRA
Rocketeer
Password
Moment
INItialize
VCRYOU IN
Do What You Like
We Are
MCRunaway
STRIDE
Mirror
VCRTAG
DROP
MCダンスメドレー
BOMBARDA
CALL 119
Dramatic
BAD BOYZ
VCRMy Story
HERO
Let's Escape
New Day
FANFARE
アンコール10THINGS
MCHANA_花
あのさ!!!!!!
やばすぎ(泣)(泣)(泣)(泣)
やばすぎる(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)(泣)
なんだこれ………。INIはかっこよかった。今が一番かっこよかった。終演後、席を立ってからシャトルバスに揺られてるあいだも駅の中を歩く時もターミナルで飛行機を待つあいだも、滝みたいに感想が溢れてきて友人と何度も何度も「くぅ〜〜〜〜!」と言い合った。初めてのツアーから一年の時が経ち、事前に公開されていた情報だけではどんな形になるのかまったく想像が出来なくて、多少なりとも誰もが期待と一緒に少しの不安みたいなもの(勘違いしないで欲しいのですが扉の向こうが読めないことに対する不安です)を抱えていたのではないかなと思うんだけど、そんなもの最初からなかったことみたいにすっぽり抜け落ちてしまうようなライブだった。
知ってたよ!!!こんな気持ちに絶対させてくれる人たちなの知ってたし、知ってたから怖くなかったけど、私は彼らのことを少しみくびっていたのかもしれない。西くんが最後の挨拶で、新曲の振り入れたちも間に合うかどうかわからないぐらいの追い込まれようだったことをなんでもないことみたいにサラッと吐露してくれていて、あぁいつも見せてもらえているのは過程でなく結果なんだよなあって、やっぱり絶対に想像することを諦めちゃだめなんだって、最近ずーっと考えていたことだけどまた思った。なのに彼らは言葉で引き止めるのでもなく、ステージひとつで文句を言わせなくしてくれるどこまでもかっこいい11人だったから、ここの境地に達するまでどれほどの影の努力があったのか、その誠意にはやっぱりありがとうでしかありませんでした。
◾️全体としての印象
コードを解読するためにINIが奔走する前回のBREAK THE CODEは戦闘VCRも真っ黒な衣装も覇気のあるパフォーマンスにぴったりすぎたから、POPというふわっとしたテーマであれを超えていくのってかなり難しいのではないかな〜と感じていたんだけど、あのー、今回のコンセプトちょっとドンピシャすぎました!!!!!!!もともと自分自身がカラフルでおもちゃっぽいものが好きな女児嗜好なのも相まって、モニター自体がSwitchを模したようにゲーム機の形になっていたり、脳内ポイズンベリーみたいに頭の中のINIが思考の妖精さんになってせめぎ合うVCRとか(♡おざまき♡)、ゲームの世界に迷い込んでINIとMINIでひとつひとつステージをクリアしていくような構成が大大大大好物だった!!!!Drop that、TAG MEを通して教えてくれた「今を楽しもう」っていう感覚とぴったりで、ずっとワクワク感を抱きしめながらステージを見てた。"パフォーマンスで"みんなを笑顔にしたいと伝え続けてくれる匠海くんのファンなのもあり、なにかひとつ感想を上げる時にまずファンサとかMCの記憶が真っ先に頭に浮かんできてしまうようなライブが個人的に苦手だから、今回あれだけ言われていたトロッコでの移動や客席に降りたりする演出のないシンプルな作りだったことと、それでもこんなに満足させてくれたことがさ、もう信頼………すぎたんだよな。きっとそれらがあっても楽しかったんだろうけど、好きな曲がトロッコ曲にされるくらいなら私はしっかりパフォーマンスしてもらいたいオタクだから最初から最後まで全力で届けることを選んでくれたのが嬉しかった。
◾️アレンジされた楽曲
求められていること、やりたいこと、その上で今できることと向き合ってくれたステージだったと思っていて、中でも私が頭を殴られたのは「音楽」という形でのこれまた変化を恐れない彼らのチャレンジだった。冒頭のSPECTRA、Rocketeer、Passwordあたりのギュインギュインのギターチューンから始まり、シティーポップなWe Are、ビートが入ったDWYL……。既存曲をこれでもかとアレンジして新しい曲のように扱うことは「こんな曲じゃないのに!」って、もともと曲が持ち合わせている雰囲気を壊してしまいかねない一か八かな行為でもあると思っていて、正直(もう言ってしまうが)私はこれに結構ひやひやしてしまうタイプなんだけど、今回その遊びのきかせかたが全部かっこよくておもしろくて、しかもそれをすでに最初から自分たちのものだったみたいに歌い上げてくれていたのがさ、まーーーーー最高だった。てかWe Are良すぎだろうが!!!!!!We Areであんなにおかしなテンションの上がり方したことないよ!!!!原曲より良い、と発言してしまうことの怖さを思いながらもそれでもこうやって声を大にしてしまいたくなるほど大好きなアレンジだった。DWYLなんて難しいテンポだったろうに………うー。
さらに新たに挑戦してくれていたのが匠海くんの前振りから始まった、中盤のダンスメドレーだった。これまで彼らのライブを作り上げるのに絶対欠かせない名刺のようなポジションであったBOMBARDA、CALL 119、Dramatic、BAD BOYZをまぜこぜにして、ひとつの作品としてしまう思い切りの良さに私は絶句してしまった。だってこれやっとけば絶対盛り上がるっていう定番ライブ曲を手札のひとつとして置いておくんじゃなく、全部まとめちゃうんだよ。そんなチャレンジかっこよすぎるじゃん、自信じゃん!!これがなくても盛り上げてやるっていう覚悟じゃん〜〜〜〜〜〜!!!!POPっていうテーマにどうやってゴリゴリの曲たちを取り入れていくんだろうね…って友人とも話していたんだけどこんな風に見せてくれるとは思わなくて「燃やし尽くす」みたいにみんなが踊る姿がすさまじくてかっこよくて、パフォーマンスから発されるエネルギーみたいなものって形がないけど圧倒されるみたいな、そういう空気の圧がすごくすごくあった。そのかっこよさ前提で私はCALL 119のオタクなので「曲を集中して聞きたい」とちょっと思ったのも本当だったけど、まあまあまあこの辺は追々の公演で良い感じに楽しめるようになると思う!情報過多で混乱してしまっていたから初回ならではの感想という感じだ!早くまた見たい!
◾️新曲たちのこと
Drop that、TAG MEが発売されてからツアーまでの間、ライブがあるたびにもしかしたら初披露されるかな?→されない→ されるかな?→されないを繰り返していたので、INItialize、YOU IN、Let's Escape、10THINGSすべてに振り付けがついた状態で披露されたこと、今回のツアーでやっとやっとやっと大好きな楽曲たちが日の目を見たのが本当に本当に嬉しかった!耳でたくさん聞いてきた曲の世界観がもっと遠くの方までまでパァッと開けた感じがしたし、どれも今回の雰囲気にぴったりの明るく跳ねるようなポップで楽しいライブ感を作り出してくれていて、この曲たちを見るためだけに何度だって足を運びたいと思えたし、なんならこの曲たちのためのツアーと言いきってしまっても良いくらい、血が通っていく瞬間を目にできた気がした。
YOU INに振りがついたことが個人的にすごく意外で、ハマってはいけない沼にハマるとか、もう手遅れになってしまった状況を歌詞にしたもの悲しい雰囲気があったのに振り付け込みで見ると印象がまっまく違って、歌っている人を目立たせて他のメンバーは座っている感じが印象的だったり、それに合わせてどちらかというとこの曲の持つやわらかい部分の方により焦点が当てられた感覚があった。MCで柾哉くんが振り付けを作ってくれたことがわかりなんとなく納得をする(初披露がツアーだからCDに名前が入っていないことを寂しがっていたのがかわいかった)。
友人と一番最初の曲は何か話していた時に問答無用で絶対10THINGSだよね(またはAMAZE MEのイントロに合わせてポップアップでひとりずつ順番に飛び出てくる…!←最高すぎ)とかなんとか話していたから開幕SPECTRAだった時に少し肩透かしをくらった感覚があったんだけど、ちゃんとアンコール開けの大事な位置に置いていてくれたから嬉しかった!横一列で下からゆっくりせり上がってくるのも解釈一致〜で嬉しかったな。振り付けもかわいらしく楽しい感じだったんだけど、あんまり覚えていないので今後しっかり目に焼き付けていきたいと思う。
◾️繋がろうとしてくれていたこと
5月に武道館で行われたTokyoFmLiveInclusionを見たときにCreepy Nutsがステージから客席にいる自分たちのファンをピックアップして取り上げてうまい塩梅で会場の笑いを誘うような微笑ましい時間があって、それを見た時にこういうファンとの繋がりの形はうちの界隈では(恐らくオタクがピリついてその場が凍りついちゃうから)出来ないしやらないんだろうな〜と思っていたから、今回MCで同じようなことをあちら側からやろうとしてくれた時本当に本当にびっくりした。
MINIのお願いに答えようとしてくれる「みんなと一緒に牛タン食べることはできないけどここの思い出は一緒に作れるから皆んなで楽しもっかゲーム(命名:佐野雄大選手)」という時間が設けられており(理人からラノベのタイトルみたいに長いとツッコミあり)、マイクを渡しにいけないから大声が出せる人がいいねと、誰のお願いを聞くかを藤牧さんとフェンファンがステージ上から見渡して選んでいく。どうやら今ツアー恒例の催しのようで、東京公演を体験したオタクがこの場のために「大声出せます」「準備出来てます」と書かれたうちわを用意して彼らにアピールしてる光景がおもろすぎた。おもろオタクって最高!!!!こちら側の文化がファンサのためだけじゃなくライブを作り上げる一部として作用してるのが新鮮だった。BTCの時にオタクを困惑させていた晒しタイムも今回はコンセプトのひとつであるゲームの中に取り入れていて、提示された曲を踊れる人が自主的に立ち上がってカメラに抜かれていくような流れがあり、どちらも「やりたい人」がスポットライトを浴びる仕様なのが良いな〜と思ったし、綺麗なお姉さん……と思っていた近くの席の人が急に踊り狂う姿もおもろくて、そういう人たちのおかげで成り立つコーナーを作ってくれたのもなにもかも、共に歩んできたこの2年間を経てみんながこちら側を信じて一歩踏み込んだ繋がりを持とうとしてくれたんだよなって、その心の距離が嬉しかった。この距離感って簡単なようですごく難しいことじゃないかな……と思う。ツアーは何度も同じ公演をやるものだとしても、それは誰かにとってのたった一度きりであることをわかってくれている人たちじゃないと私は嫌で、だからその日その場だけの思い出を作ろうと仕掛けてくれているのが去年の時点ではまだ難しいようだったから、あれからたくさん外部のフェスを経験してライブぢからを身につけた今の彼らの楽しませ方だなと思った。この前の焼肉密着の番組でも話してくれていたように本当にたくさん考えてくれていたことがわかる(今回の宮城公演では「Rocketeerの乾杯を一緒にやりたい」「就活を終えたのでご褒美が欲しい」という2つのお願いが叶えられていたけど、決して一対個としてでなくその場にいる全員が恩恵を受けられるような流れを作ってくれてたのもさすがだった)。
(自分のライブスタンスに合わず出番なし)
◾️歌について
なんだか書き方が下手くそすぎるんだけど、今回絶対に触れておきたいことが歌唱としての「歌」のことだ。VCRのあとYOU INのイントロと共に再びステージに現れた彼らが手に持っていたのはまさかのハンドマイクだった。彼らが本領発揮出来るのは絶対にそれだからと、友人と私はこれまでずっとハンドマイクで歌わせてくれ〜と言い続けてきたから、まずハンドマイクでもパフォーマンスが出来るということに気付いてくれた人がいたんだ!!!という喜びが先にあった。本ツアーからどうやら高性能マイクにしてもらえたらしいこともあり、この日の歌は本当に、本当に本当に本当にすごくて身体の奥の奥まで染み込んでくる薬みたいな、そういう歌を聞くことができた。
私にとってRunawayは言わば一曲まるまるすべてが「MY FAVORITE LYRICS」だ。ライブという場で見せてもらえるそれはこの曲の一番良い形で、今日という日が終わらないで欲しいと考えている私の目線のすぐ先の人たちが「もう少しだけ彷徨いたい」と歌ってくれること、これまでもこれからも私は一生大切にし続ける。以前、声が出せるようになったらやりたいことのひとつにRunawayのことを上げてくれていたことがあった(STRIDEのoh oh oh ohも) 。Runawayに関しては最後だけ伸ばして、何度も繰り返して一緒に歌いたいと。それが実現出来る日が来たなら絶対に私もそこにいたいと思っていたから、今回演出のひとつとしてそれを取り入れてくれていてもう………もうずっと夢心地だった。柾哉くんがこの時のことをなんでそんな一生懸命歌ってくれるんだろう、なんでそんなに一生懸命ペンライト振ってくれるんだろうって話していたけど、迅も返していたようにみんながいるからなんだよ。
このRunawayからのパートは椅子をこちら側に向けて円のように置いて歌ってくれていたんだけど、目の前にきてくれた大夢が本当に本当にやわらかい優しい優しい表情をしていたのを見た時に、今すぐ全身を掻きむしってしまいたくなるくらい大好きの状態になってしまった。メンバー同士背中を向けているから目が合わないのに、それでも心で繋がっているのを信じているような、それがこちら側にも伝わってくるようなそんな瞬間がたくさんあって、あ〜なんかもう、これで終わりでもいいくらいだなあってくらい幸せだった。何年も歌の人(アイドルグループの歌ポジの人という意)を応援してきて、それでもなおあんな風に彼らの喉から発されて紡がれた詩にからだ全部を包み込まれて、わんわん泣きじゃくってしまいそうになる瞬間の気持ちの動きを私はいつまで経ってもうまく言葉に出来ないでいる。
◾️「奇跡の11人」
昔々、あるところにファンの人たちのあいだで「奇跡の○人」と呼ばれていた女の子たちがいました。もし学校で同じクラスだったら絶対に同じグループにはいなかっただろうに、それでもアイドルとして巡り合って共にたくさんの夢を叶え続けていく中で、その仲の良さと絶妙なバランスをまるで「奇跡」だと称して讃えられていた。けれどある日私にとって私そのものみたいな大好きな女の子がグループを卒業することになり、その時に教えてくれたのが「誰にも必要とされていないんじゃないかと思った」「奇跡の○人だと思ったことはない」という言葉だった。"奇跡"だと思っていたのはこちら側だけで、そんな軽い言葉で彼女に重たいものを背負わせてしまっていたことに絶望した私は目の前が真っ暗になり、本人の意思がそこに伴っていない限りもう二度とこんなことをアイドルに向けるのはやめようとその時に誓ったのです。例え私がそう思っていたとしても彼ら自身のことは何も分からないし、そもそも知ってるのって顔と名前だけだし。
だから………、だから、匠海くんが最後の挨拶の時に「僕たちは11人で本当に色んなことを補っている」「自分にしかできないこともある」「奇跡の11人が揃っていると思った」と話してくれた時に、自分の体の毛全部逆立つような感覚になるくらいどうしたってどうしたって涙がポロポロ出てしまった。私が勝手に思っていた(それでも口には出さないようにしていた)"奇跡"という言葉を匠海くんが同じように思っていてくれたこと、そしてそれを伝えてくれたこと、これが私にとってどれほど大きなことだったか。自分も必要な存在であると、ちゃんとここにいる理由があると、私は誰よりも匠海くんに一番わかっていて欲しかった。あぁやっぱり、やっぱり匠海くんは助けに来てくれたのかなあ。その上でもっとかっこよくなりたいと話してくれたことも、きっと「すでにかっこいいよ」って言って欲しかったんじゃなくて、自分と向き合う中でまた新しい課題を見つけたのだろう。こんなにこんなにすごいパフォーマンスを見せてくれた日の最後に聞いた大好きな人の姿勢がまた一歩先の未来を向いていたことに、私は最後まで打ちひしがれていた。
仙台はこの一週間で今日が一番気温が低くMCや最後の挨拶でもメンバーがそのことに触れていて、その上で「あたたかなライブを届けること」をひとつの指針のように示してくれて、私たちは文字通りあったかな気持ちで(なんならアチアチな気持ちで)帰路に着くことが出来た。大切な大切な、私にとってのREADY TO POP初日だった。
おわり
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