読売新聞オンラインの偽サイトにご注意ください

「頭の良い人」は陰謀論にハマるか、学術誌に論文が掲載…「面白くない」研究結果は心理学者を奮い立たせた

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

  饒舌(じょうぜつ) だった大薗准教授が少し恥ずかしそうに話す。「心理学を教えているとこんなふうに言われるんです。『心理学って人の心を読めるんですよね』って」

トランプを手にポーズを取る大薗准教授(本人提供)
トランプを手にポーズを取る大薗准教授(本人提供)

 手品が趣味という大薗准教授は、鹿児島大の新入生を相手に行う初めての「心理学概論」の授業で、あるマジックを披露した。相手の心を読んでいるように見せるマジックで「メンタリズム」「メンタルマジック」と呼ばれるものだ。

 披露したマジックは、自分からは見えないように、ランダムに選んだ受講生に四つの積み木から一つ選んでもらう。自分は悩んでいるふりをして、選んだものを当てる――という簡単なもの。“タネ”は簡単で、教室には協力者がいて、選んだものをサインで大薗准教授に教えるのだ。しかし、「95%以上の受講生が『目線や表情から心を読んだ』とタネを予想しました」。

 協力者がいると明かした後の調査では、「心理学=心が読める」という信念は大幅に減少し、さらに超常現象や陰謀論についての信念も低下したという。一方で、マジックを楽しませてもらったという気持ちからか、マジシャンへの信頼は下がらなかった。

 「リテラシーを磨くというと、当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、ある出来事について批判的・懐疑的に触れて考えることは重要です。教育者として、自分が若い世代に情報のとらえ方をきちんと伝えなければと考えています」

1

2

3

スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
記事に関する報告
4701707 0 社会 2023/11/03 10:00:00 2023/11/03 12:18:53 2023/11/03 12:18:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/11/20231101-OYT1I50145-T.jpg?type=thumbnail
注目コンテンツ
 

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)